阪神の城島健司が今日、引退会見をするという。この選手は、非常に残念な気がする。いろいろな意味で、性格的なものが成績に影響を与えたと思う。

強打の捕手としてダイエーに入団。3年目にはポジションを獲得。打撃が先に注目された選手ではあったが、次第にリード面でも信頼を獲得。ダイエー黄金時代の不動の正捕手となった。ダイエー、ソフトバンクが強かったのは、本来打線の「穴」となる捕手に、リーグ屈指の強打者城島がいたことが大きい。死球王に2度なるなど、負傷も多かったが、少々の怪我には屈しない頑健さがあった。
2005年にMLB移籍。ここでも強打は光っており、1年目から素晴らしい成績を残した。また強肩ぶりは際立っており、MLB通算の盗塁阻止率は4割に達した。
しかしながら、リード面で投手と対立することが多く、2年目の後半から投手陣との不協和音が出た。
MLBでは配球は投手に主導権がある。投手を叱咤激励するタイプの城島とはそりが合わない投手が次第に増えた。2008年になるとエースのフェリックス・ヘルナンデス、エリック・ベダードなどの投手が城島と組むことを拒否し、次第に出場機会が減っていった。
2008年に3年契約を結んだが、これを破棄して2010年にNPBに復帰。阪神に入団。1年目は捕手でありながら全試合全イニングに出場。.303、28本塁打91打点という好成績を上げた。
しかし、シーズン終盤に左ひざを負傷。これがきっかけとなって右ひじ、腰も故障。2012年は捕手を断念して一塁に転向したが、負傷は癒えず、3年契約の2年目だったが、現役を断念することになった。
この選手を見ていて思うのは「オールオアナッシング」という言葉だ。「全面的に任せてほしい、でなければやらない方がましだ」。
MLBでの3年目、チームは城島の打撃を活かしながら投手陣の希望にも沿う方向で選手起用をした。チームとしては城島に妥協点を探ってほしかったのだ。城島もそれなりの努力はしただろうが、4年目にはさらに「Jojima No!」の声が広がり、試合出場は減った。そして城島は契約を破棄して帰ってきた。
阪神では、城島は全試合出場にこだわった。その挙句に故障。そして故障が癒えないうちに強行出場。結果的にこの「無理」が選手生活を縮めることになった。最後はまた契約を破棄しての引退だ。
まるで江戸っ子のような性格だ。もう少し柔軟に考えることができれば、MLBでも活路を見出すことは可能だっただろうし、選手生命も伸びたことと思われる。1年ほどしっかりリハビリをすれば、復帰は可能ではないかと思うのだが、本人の性格上、それは無理なのだろうか。
金本、ブラゼル、小林宏、そして城島。このところの阪神の大リストラが、中村新GMの手腕なのだとすれば、多少期待が持てるところだ。
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コメント
コメント一覧
>金本、ブラゼル、小林宏、そして城島。このところの阪神の大リストラが、中村新GMの手腕なのだとすれば、多少期待が持てるところだ。
株主対策に見えちゃいます。
とくにブラゼルはもっと使い様があったのではないでしょうか。
良くも悪くも、これが彼の個性であり野球選手としての一部なのでしょう。
晩年の成績で複数年契約のリスクを示す一例になってしまったのが残念ですが
それまでの打撃ベスト更新に加えて全試合フルイニング出場・盗塁阻止率一位を
記録した2003年の城島は、NPB史上最強の捕手だったと今でも思っています。
MLBに移籍する捕手が次にいつ出るかわかりませんが、メジャー一年目の成績もポジション抜きに考えても相当なものですね。
ゆくゆくはホークスで指導者になるんでしょうか。
案の定のトラブルメーカーになるか意外な名伯楽になるか、なかなか楽しみです。
広尾さんがおっしゃるように、じっくりリハビリできればDHで十分活躍できるだろうと思います。
しかし、城島のプライドが許さないのでしょうか。
ただ2006、2007年の活躍はMLBで日本人捕手が通用できることを証明できたわけで私の評価は「よくやった」という感じです。
大好きな選手だっただけになおさらです。
この件に関しては性格的なところも非常に大きいですが、球団の責任も大きいと考えています。
去年の開幕前でリハビリに専念させていたら、状況はまだ変わっていたのではと憤りを覚えます。結局、無理に合わせたことで幾つもの故障を重ねることになりました。
外様ということもありましょうが、阪神はベテランに何も言えなさすぎです。
贔屓目で申し訳ないですが、やはりホークスに帰ってきてほしかったです。どうしても地元の選手という認識ですし、王さんに秋山監督、小久保とよき理解者になれそうな人がいましたから。
来年のOP戦ででも、ホークスで引退セレモニーみたいなのやってほしいなと思います。
長期リハビリが「給料泥棒」と思われるのが嫌だったのかもしれmせん。
リハビリをせずに出続けたのもいますし。やっと辞めますが。
契約が1年残ってるので、その分の年俸はもらって引退だとは思いますが。
我々の価値判断も少しずれてきています。基準を金本に置いてしまうからでしょうか。
マリナーズのチーム内がおかしくなったのは城島の存在も大きいと思っています。
監督はまちがいなくやるでしょうね。名監督になりそうな気もしますが、どうなのだろう。
城島はタイガースファンとして、一年しか活躍する姿を観られなかったのがとても残念です。なんでもっと休み休み使わなかったのか・・・出続けることが美談とされてしまう、金本の悪影響ですねぇ・・・。
物心ついてから一番の大物移籍だったと思うので、ホンマ残念です。城島獲得決定から開幕までのワクワク感、シーズンでの活躍、ヒーローインタビューの面白さ、僅か二年前の話なのに最早夢の中の出来事のようにセピア色で想い出されてしまいます。
今のところは
30歳を越えて二軍とか控えの選手は首が寒いでしょうね
あとは外れ外人に高額年俸を投じるのをやめてくれたら…
小久保「理想のアーチがえがけなくなった」
小久保・松中・城島・井口....
4人のうち2人が同時にやめてしまうとは..
せめて最後はホークスに帰ってきて功労者として立派な引退試合をさせてあげたかった。
シアトルでもう1年我慢していたら、ホークスの捕手事情から見ても帰って来れたんだろうけどなぁ
あの年は田上に期待がかかってたから...
福岡のファンとしては寂しい限りです。
引退試合2軍戦とか、NPB史上最強の捕手の一人に対してやるこっちゃない。
たとえ、本人が固辞したとしても、どこかでやってあげるべきかと思う..
でもこの潔さが実に城島選手らしい気がします。
引退セレモニーを福岡でやって欲しいです。
同感です。
激務である捕手を常にこなし続ける身体の強さと、それだけの無茶をして尚且つ攻守に際立った活躍をしたスペックの高さという意味で、2000年代前半の城島は確かにNPB史上最強クラスでした。くしくも南海クラシック名鑑登場直前に引退ということになりましたね。