アメリカではBB/SOとSO/BBは重要視される指標である。四球が多く三振が少ない打者と、奪三振が多く与四球が少ない投手はともに貢献度が高いとされるのだ。四球は野手の巧拙や運に左右されることなく確実に出塁する方法であり、三振も同様に確実にアウトにする方法だからだ。
今季のNPBのBB/SOランキング(300打席以上)。

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和田一浩は落合博満の“作品”と言ってもよい打者だ。もともと選球眼の良い選手だったが、中日移籍2年目から3年連続で四球が三振を上回っている。今季は絶不調だったが、こういう形で貢献していた。
四球が三振よりも多かった打者は和田と鳥谷の2人しかいない。2010年、鳥谷のBB/SOは0.710だった。今年、彼はより賢く、貢献度の高い打者へと成長したのだ。

上位5人がセリーグの打者。リーグ全体の平均値で見てもセのBB/SOは0.424、パは0.361。両リーグの野球の質が違うのがわかる。

ランク下位にはパリーグの選手が並んでいる。中田翔、陽岱鋼など売出し中の選手もいるが、この数値を改善しないとフリースインガーだということになろう。

反対に投手のSO/BBを見ていく(100回以上)。

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BB/SOがセの方がパよりも良かったということは、SO/BBはパ(2.77)がセ(2.36)よりも良かったということだ。パリーグの投手が上位に並んでいる。昨今言われるセパの実力差とは、投手力の差であることがわかる。

田中将大は三振を9個奪う間に1人しか歩かせていない。すごい記録だ。ダルの記録もすごいが、勝ち星こそ上がっていないものの成瀬も驚異的な数字だ。投手は勝ち星では評価できないとつくづく思う。新人の牧田、中継ぎから先発に転向した攝津もよい数字だ。

奪三振率だけならダルとトップを争う杉内だが、SO/BBでは大きく劣っている。三振も奪う代わりによく歩かせるのだ。
最下位の渡辺俊介は、もともときわどいコースを攻めて勝負する投手だけに四球が多い。

BB/SO、SO/BBは、イチローのように早打ちの打者や、松坂大輔のようにランナーを背負ってから真価を発揮する投手の評価には向いていない。これも指標の一つで絶対的なものではないことは、認識すべきだろう。

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