かねてから宣言していたことではあったが、アトランタ・ブレーブス=ATLのチッパー・ジョーンズがワイルドカードゲームでの敗退後、引退を発表した。

日本人にとっては、野茂英雄との新人王争いでまず記憶に残った選手だ。1990年のアマチュアドラフトいの一番、同期にはマイク・ムッシーナ、トニー・クラーク、カール・エベレット、ジェロミー・バーニッツ、ランデル・ホワイトらがいる。豊作の年だったのだ。
トッププロスペクトとして95年にはMLBに。
当時のATLは、マダックス、グラビン、スモルツの3本柱が君臨する強豪チームだったが、ここにチッパー、おくれてアンドリューの両ジョーンズが並び立ち、攻守ともに最強のチームとなったのだ。
二人のジョーンズは30本100打点をコンスタントにマークした。チッパーはこれに加えて3割をクリア。両打ちでもあり、相手投手にとってはまことに抑えにくい打者だった。
しかしチッパーは2005年に足を痛め、アンドリューよりも先に成績が下落。
これきりかと思われたが、2008年に6月18日まで打率4割をキープし、.364で首位打者を獲得。見事に復活した。
しかしこれ以降は出場試合数も減り、成績も平凡なものになった。しかし、フランチャイズプレイヤーであり、人気者だったことから、以後も2度オールスターに選ばれている。
打者としてはパワーに加えて選球眼が良く、キャリアでの出塁率は4割を超えている。三塁手としては、やや弱肩ではあったが、形の良い三塁手だった。しかしワイルドカードゲームでも見せたように、最近は肩、守備範囲ともに限界に近かった。
何度か引退のうわさが流れたが、契約満了の今年までプレーをした。この間に安打数を2726本まで積み上げた。
2年前の時点では、私は殿堂入りはやや厳しいと思ったが、最近の殿堂入り選手の記録を見る限り、そして薬物と無縁のキャリアを考えれば、殿堂入りは確実だろう。
昔の「野球の匂い」がしそうな選手だった。
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コメント
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過去の偉大な選手達を調べてみても、駆け出しまたは引退間際に皆8割を切ってしまっており(もし誰かいたら是非ご教示下さい)、偶然の要素も多々ある記録ですがこれもまた偉大な足跡ではと思いました。
ATLのホームゲームでしたが,チッパー・ジョーンズへの歓声は群を抜いていました.
STATSをみると,09年以降明らかに力が落ちていますが,まだまだやれる感じはありますね.
そのためには移籍も考えなければいけないのでしょう.ATLのフランチャイズプレーヤーとして選手生活を終えるための引退のように見えます.
試合数に拘らず、1年目から現役最後の年まで19年連続で.800超えはC.ジョーンズだけですね。
L.ゲーリッグは最後の年が8試合出場で1年目から最後の年までオール.800はなりませんでした。
T.ウィリアムスは引退2年前に.791となりましたが、それ以外は現役最後の年も含め1.00超えですからこれもすごい記録です。
選手生活を通じて長打力と打率の両方を高いレベルで維持した選手ですが、それでも長打力のピークは26歳〜29歳という若い時期にあったことが分かる。これはMLB平均とも一致しており、チッパーが薬物の助けを借りていないことの傍証になるかと。
打率では34歳〜36歳に大きな山があり、身体能力が衰えてからでも、技術や選球眼があれば長く活躍できることを示してくれました。
ファンに愛されたフランチャイズプレーヤーという事もあり、古き良き時代の理想的メジャーリーガー像を体現していたのではないでしょうか。もうこのタイプの選手は現れないかも知れません。今後も多くの若者・子供たちのお手本となり目標となる気がします。
数字的には殿堂入りは微妙ですね。少なくとも数年はかかると思います。
殿堂入りに数年かかるというのはちょっと違いますね。投票権を持つ記者の発言等から、一発殿堂入りは、ほぼ確実と言われています。
私の好みは両打ちの中長距離ヒッター。
バーニー・ウィリアムス、ケン・カミニティ、そしてチッパー。うち一人はドラック禍により早死にしてしまいましたが。柔らかいスィングから放たれる強い打球が最高でした。