統一球によってNPBの野球が変貌しつつあることの傍証をもう一つ。安打に占める長打数の比率。
2012年から10年ずつさかのぼって、リーグ全体の安打数の構成比を表にしてみた。
セパ両リーグと1リーグ。参考までに今年と2002年のMLB両リーグも掲げる。

昨日の三冠王の記録のところで、二塁打が異様に低い選手が何人かいて、「あ、また間違えた」と思って調べなおしてみたのだが、あっていた。
だとすると、昔は二塁打の頻度が低いのか、と思って調べてみたのだ。
しかし二塁打の比率は15~17%で大きく変わらない。昔は二塁打は足の速い選手が主に打つもので、長距離打者はそれほど打たなかったのだ。日本の最多二塁打は立浪和義の487、2位は福本豊の449なのだ。


むしろ10年前に比べて二塁打の比率は下がっている。
はっきり違うのは本塁打の比率。11%以上あったものが6%にまで落ちている。これは2リーグ分立後の1952年の水準と同じだ。この時代も、50年前後に使っていたラビットボールを廃止して本塁打が激減していた。
長打全体が減ったことにより、1Hつまりシングルヒットが増加。4本に3本は単打になった。野球が小さくなった印象だ。
戦前の野球はさらに小さくて、本塁打は三塁打よりも少なかった。
MLBの野球を見ているととにかく長打がよく出ると思うのだが、数字もそれを物語っている。MLBでは安打の3本に1本は長打だ。また二塁打の比率も大きい。
やはりMLBでは、打撃が優位だということがわかる。
NPBの野球の進化は統一球を使いながら、本塁打、長打が増えていくかどうかにかかっていると思う。
二塁打と本塁打の関係については、もう少し調べようと思う。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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セパ両リーグと1リーグ。参考までに今年と2002年のMLB両リーグも掲げる。

昨日の三冠王の記録のところで、二塁打が異様に低い選手が何人かいて、「あ、また間違えた」と思って調べなおしてみたのだが、あっていた。
だとすると、昔は二塁打の頻度が低いのか、と思って調べてみたのだ。
しかし二塁打の比率は15~17%で大きく変わらない。昔は二塁打は足の速い選手が主に打つもので、長距離打者はそれほど打たなかったのだ。日本の最多二塁打は立浪和義の487、2位は福本豊の449なのだ。
むしろ10年前に比べて二塁打の比率は下がっている。
はっきり違うのは本塁打の比率。11%以上あったものが6%にまで落ちている。これは2リーグ分立後の1952年の水準と同じだ。この時代も、50年前後に使っていたラビットボールを廃止して本塁打が激減していた。
長打全体が減ったことにより、1Hつまりシングルヒットが増加。4本に3本は単打になった。野球が小さくなった印象だ。
戦前の野球はさらに小さくて、本塁打は三塁打よりも少なかった。
MLBの野球を見ているととにかく長打がよく出ると思うのだが、数字もそれを物語っている。MLBでは安打の3本に1本は長打だ。また二塁打の比率も大きい。
やはりMLBでは、打撃が優位だということがわかる。
NPBの野球の進化は統一球を使いながら、本塁打、長打が増えていくかどうかにかかっていると思う。
二塁打と本塁打の関係については、もう少し調べようと思う。
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コメント
コメント一覧
アリーグとナリーグの位置を変えた方がいいと思います。
DH制のあるなしで、リーグの打撃記録はかなり違いますから、
セリーグはナリーグと、パリーグはアリーグと、で比べた方がわかりやすいですね。
一リーグ時代はセリーグにつながるのか!なんて野暮なことは言いませんが。
引き合いにMLBを出して恐縮ですが、自分がMLBに興味をもったのは1976年から。
当時NPBセリーグ本塁打王は王の49本(130試合)。一方MLBのナリーグはマイク・シュミットの38本、アリーグはネトルズの32本。MLBは162試合制にもかかわらず王より10本以上少ないなんてレベルが低いと思っていました。
今でこそシュミットと王を比較するのも馬鹿げていますが、ボールの質や球場の広さなんて考えてもみなかった。ましてや投手のレベルも。
現状の144試合制では30本を越えようやく本塁打王、という姿が本来のNPB打撃リーダーのあるべき姿なのだと自身を納得させています。
その業界は廃れてしまう一方であるという不安があります
野球の楽しさ、というものは本来万人によって異なるものではないかと思います
決して「今の統一球野球こそが本物の野球!それを楽しめないファンは野球ファン失格」
という事はないと
MLB移籍後のために統一球を使うんだったら即統一球使用は
やめた方がいいと思っています。
テレビで観るならいざ知らず、球場では配球なんて分からな
いんだから、有る程度は打ち合ってくれないと面白くないわけ
ですよ。
これも勝手な目安ですが、各球団が1試合平均1本、年間144本
前後くらいはホームランを打たないと盛り上がりに欠けるし、
投手も育たないないんじゃないかと思います。
戦前と現在で失策の記録を対等に比較できないのはよく知られていますが、失策が多かったということは、失策が記録されない程度に拙いプレイも多かったということです。
そこに、現在ほどの整備技術がなくイレギュラーが多いグラウンドという条件が重なれば、外野の間を抜けた打球が現在では二塁で止まるところを三塁まで行かれるのは、想像できるかと思います。
洲崎、後楽園、甲子園、西宮、上井草といった主要球場は、ラッキーゾーン全盛の昭和時代に比べるとむしろ広い部類だったようですし。
ちなみに統一球問題、以前と同様に打ってるし打たれてるヤクルトファンには、何のことやらという感じです。
今のボールがちょうど適正、ぐらいの感覚で、これ以上打球が速く・遠く飛ぶようになったら、試合が終わるのが何時になるか分かったもんじゃありません。
夏場にはホームからバックスクリーンへ追い風が吹くのでこれ以上ない打者有利な球場になりますね
でもそれでもヤクルトのチーム防御率3点台半ばというのは
今までの常識からするとかなり良い方ではないでしょうか?
もっとも、今年に関してはミレッジ(15/21)と石川(12/14)が荒稼ぎしたせいもあるんでしょうけど。
本塁打の飛距離を見ても、ミレッジは本質的に中距離ヒッターであり、神宮を本拠地にするヤクルトだからこその21本塁打だったように思えます。
古田政権以降のチーム防御率です。括弧内はリーグ順位(防御率順位ではなくチーム順位です)。
2006 3.91(3位)
2007 4.07(6位)
2008 3.75(5位、この年改修)
2009 3.97(3位)
2010 3.85(4位)
2011 3.36(2位)
2012 3.40(3位)
数字が上がったとみるかは、議論が分かれるところでしょう。
2012年、主力リリーフが大量に離脱したことを重要視すれば頑張ってます。
一方で、全員がヤクルト戦だけ本気出してる気がするほど天敵だった阪神勢が目に見えて調子を落としたのを考えると、「24試合分、内容が良くなった」だけのような・・・。
平和台球場での最終戦を見に行きましたが、若田部一世一代のピッチングでの1-0ゲームでした。最終戦と言うのもありますが、未だに記憶に残っています。
一昨日のホークスとライオンズのゲームは今シーズンで一番面白いゲームだったと思いますが、打ったのは、ペーニャ、内川、おかわり、オーティズ。誰も彼も打ったわけではなく、統一球を克服した選手ばかり。
打てないのを、面白くできないのを統一球のせいにする、責任逃避は…以下自粛。
私も今の姿があるべき姿かなと思いますよ。
飛ぶボールってのは、王さんのホームランフィーバーを後押しする、道具によるドーピングだったのかなと。記録は記録として尊重すべきですが、努力を怠り、過去の事例にならいまた飛ぶボール使っても…なんか違うと思う。
野球の本質を捨てて、興業だからと観客動員に偏る。考え方としてはあるかと思いますが、スポーツとしては違うと思う。
MLB移籍希望者とWBC参加メンバーと言う
プロ野球選手全体の中の1割にも満たない人たちの為に、
敢えて皆で品質の劣っているボールを使っている、
と言うのが統一球導入後のイメージです。
そもそも、「ベースボール」と「野球」のスタイル自体が別個に進化してきた事を考えても
ベースボール用の統一球を通して使う事もないと思います。
ここは敢えて以前の感じになりますが、
「飛ぶ球」「普通の球」「飛ばない球(統一球)」などを
各試合ごとホームチームが選べる様にすれば、
打撃のチームは飛ぶ球を、守備のチームは飛ばない球など
戦略性やチーム個性としても面白味が出ると思うんですけどね。
もともと球場のスペックも違うのに、ボールだけを統一して
平等って話もおかしな話です。
サイン盗みが表立っては禁じられ、
全てのチームが同じ統一球のみになり、
全試合予告先発となってきて
隙間を狙う「弱者の野球」で勝つと言う可能性を
次々と潰されていっているような気がしています。
奇襲など、監督の「妙」を感じる機会が少なくってきて
今は強いカード(選手)を揃えたチームが単純に勝つ、と言う
ある意味「モバゲー野球」ばかりになってきている事も
プロ野球の熱気が薄まってきている一つの要因ではないでしょうか。
そして、有り得ない話にはなりますが、
何よりNPB自体には、MLBの球を統一球として受け入れるのではなく、
NPB品質のボールをMLBに統一球として受け入れさせるくらいの
気概と政治力、営業力が欲しい所ですが、
あのコミッショナーじゃ夢のお話ですね。
統一球導入辺りから日本が「プロ野球」の進化を捨てて
「ベースボール」の真似事を始めてしまった事で「MLBの4A」化に
自ら進んで行ったような印象を野球界全体でちょこちょこと感じてます。
オフサイドのルールも緩和されましたし点取り合戦の方が集客できるということでしょう
統一球というのは、打高の是正・球団による使用球の統一の目的があったのはもちろんですが
何よりWBCや五輪で何度となく課題として挙がっていた「国際試合への対応」が目的として導入されたはずです。
ところが出来上がった代物は、国際試合使用球ともローリングス社のMLB球とも全く異なる「ただの飛ばないボール」だった。目的も理念もあったものじゃない、そこには利益しかなかった。
ミズノがまともなボールを供給してれば「統一球後のプロ野球」はもう少しまともなものになったと思いますがね・・・
更には飛ばないとわかったら打者のほうは揃いも揃って、当てにいくバッティング。チームが勝てば一番なのかもしれませんが、それでも、例えば巨人の村田に望むのは右打ちという名の軽打ではなくHRでしょう。飛ばせるはずのバッターが生き残るために飛ばす努力をやめる。これほどもったいないことはないです。今活躍してると言われてる選手の中にも長打を捨てた選手がいます。それは統一球を克服したのではなく、逃げたのとなんら変わらないです。
ミズノなんですがそんなに低レベルな企業ではないですよね。MLBレベルのボールが作れないほどに。他に思惑があると思ってもしょうがない気がします。また裏で様々な取引があるのでしょうね。
試合前に両翼30mでホームラン合戦でもやればいいんじゃないですか。
小さく立っていいじゃないですか、二塁打が減って単打が増えたのも、インチキ打者が振り回していただけなんですから。
左からNPB時代、MLB時代、減少率です。
松井秀 :582 479 0.823
イチロー:522 430 0.893
福留 :543 410 0.755
岩村 :519 375 0.723
城島 :516 411 0.797
松井稼 :486 380 0.782
イチローはMLBに行ってからも進化し続けた希有な例であり、やや特殊なので除外して考えたい。その他で言うと長距離打者の松井秀より、中距離打者の福留や岩村の方がより大きな影響を受けている事が分かる。彼らがNPB時代に「飛ぶボール」の恩恵を受けていた事は明らかでしょう。
翻って統一球問題ですが、ここに挙げた6人はNPBの超一流ですから、最下位である岩村の0.723をやや下回る0.680〜0.700くらいを基準に考えるのはどうでしょうか。
つまり統一球以前と統一球時代を比較し、リーグ平均の長打率減少がこのくらいの範囲に収まるのなら、NPB統一球とMLB公式球はおおむね同じくらいの「飛びにくさ」であると考えられる(ここでは、敢えて投手の能力差というファクターを除外します)。
これを大きく下回るようだと、統一球は「過度に飛びにくい」という事になります。ボールの変更も考えるべきでしょう。