海外FAを取得した藤川球児が、阪神との契約を蹴ってMLB挑戦を明言した。すでにアメリカに渡って代理人と交渉しているという。
藤川球児のキャリアSTATS

数字的にも見事なものだが、藤川は記録以上に記憶に残る投手だと思う。
最終回に大声援に迎えられてマウンドに上がる。右肩をぐるっと回転させて、捕手のミットを覗き込む。そして速球をズバッと投げ込む。藤川の速球は「魔球」と呼ばれる。手元でグイッと伸びてホップしているように見える。打者のバットはボールの下をくぐるのが常だった。球速でいえば、150km/hそこそこなのだが、多くの打者は振り遅れていた。
藤川の投球がMLBで通用するかどうか見てみたいと思うのは人情だ。しかし、私はこの挑戦はやや無謀ではないかと思う。
一つには、藤川が精神的に優位になることで、相手をねじ伏せてきた投手だということ。「甲子園」「阪神ファン」そして「球児」という名前の前に、相手打者は戦う前からアドバンテージを感じたはずだ。その雰囲気の中で、藤川は神がかり的なクローザーぶりを見せてきた。
この「精神的優位」がないマウンドで、藤川はどれだけ活躍することができるか。
2009年のWBC、藤川は当初クローザーとしてマウンドに上がったが、準決勝、決勝ではダルビッシュにその座を譲った。数字的には破たんはなかったが、球が走っていないうえに、相手打者が浮き上がる球に手を出さなかった。自信を喪失しているように見えた。


MLBでは「Kyuji」はノンブランドだ。大応援団もいない。ここで同じような投球ができるだろうか。
もう一つは、藤川は「下り坂」だということ。2010年の時点で、藤川のERAや被打率はクローザーとしては平凡なものになっていた。
統一球が導入された2011年、藤川は息を吹き返し、数字的にも上昇したが、今年また数字は下落した。今年は、投球内容にも変化が見られた。速球一本やりではなく、フォークを交えることが多くなった。
今期は阪神が弱かったこともあり、登板機会が50試合に届かなかった。しかし故障で戦線離脱もした。ここ8シーズンで488試合登板。勤続疲労は大きいのではないかと思う。
MLBで救援投手として成功するためには、傑出した「何か」が必要となる。
アロリディス・チャプマンは、100マイルを優に超す球速で相手を圧倒する。上原浩治は、驚異的なコマンドで相手を追い詰める、今年のクレイグ・キンブレルは、球速と制球力を両方とも持っている。怪我をする前のマリアノ・リベラは、カットボールという「打てない球」を持っていた。投手としての持ち味をギュッと凝縮できる投手だけが、救援投手になれると言っても良いだろう。
今の藤川にその「何か」があるだろうか。それが「大和魂」とか「猛虎魂」とかいう代物だとすれば、MLBには通用しないように思えるのだが。
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数字的にも見事なものだが、藤川は記録以上に記憶に残る投手だと思う。
最終回に大声援に迎えられてマウンドに上がる。右肩をぐるっと回転させて、捕手のミットを覗き込む。そして速球をズバッと投げ込む。藤川の速球は「魔球」と呼ばれる。手元でグイッと伸びてホップしているように見える。打者のバットはボールの下をくぐるのが常だった。球速でいえば、150km/hそこそこなのだが、多くの打者は振り遅れていた。
藤川の投球がMLBで通用するかどうか見てみたいと思うのは人情だ。しかし、私はこの挑戦はやや無謀ではないかと思う。
一つには、藤川が精神的に優位になることで、相手をねじ伏せてきた投手だということ。「甲子園」「阪神ファン」そして「球児」という名前の前に、相手打者は戦う前からアドバンテージを感じたはずだ。その雰囲気の中で、藤川は神がかり的なクローザーぶりを見せてきた。
この「精神的優位」がないマウンドで、藤川はどれだけ活躍することができるか。
2009年のWBC、藤川は当初クローザーとしてマウンドに上がったが、準決勝、決勝ではダルビッシュにその座を譲った。数字的には破たんはなかったが、球が走っていないうえに、相手打者が浮き上がる球に手を出さなかった。自信を喪失しているように見えた。
MLBでは「Kyuji」はノンブランドだ。大応援団もいない。ここで同じような投球ができるだろうか。
もう一つは、藤川は「下り坂」だということ。2010年の時点で、藤川のERAや被打率はクローザーとしては平凡なものになっていた。
統一球が導入された2011年、藤川は息を吹き返し、数字的にも上昇したが、今年また数字は下落した。今年は、投球内容にも変化が見られた。速球一本やりではなく、フォークを交えることが多くなった。
今期は阪神が弱かったこともあり、登板機会が50試合に届かなかった。しかし故障で戦線離脱もした。ここ8シーズンで488試合登板。勤続疲労は大きいのではないかと思う。
MLBで救援投手として成功するためには、傑出した「何か」が必要となる。
アロリディス・チャプマンは、100マイルを優に超す球速で相手を圧倒する。上原浩治は、驚異的なコマンドで相手を追い詰める、今年のクレイグ・キンブレルは、球速と制球力を両方とも持っている。怪我をする前のマリアノ・リベラは、カットボールという「打てない球」を持っていた。投手としての持ち味をギュッと凝縮できる投手だけが、救援投手になれると言っても良いだろう。
今の藤川にその「何か」があるだろうか。それが「大和魂」とか「猛虎魂」とかいう代物だとすれば、MLBには通用しないように思えるのだが。
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コメント
コメント一覧
一年くらいは活躍してくれそうな気がします
ボコボコに打たれる球児は見たくないですね~
ただ、今この時期だからこそ送り出してやれるというファン心理もあります
なんとか巧いこと対応して生き残っていってもらえれば・・・
近年の投球スタイルの変貌はその始まりだったと期待したいところです
何故?
殆どの人はメジャーで通用しないと決め付けるのだろう?
かりにもピ-クは過ぎても日本では上位に入るリリーフエースである!
メジャーの中継ぎ以下とか日記で書いてる阪神ファンを目にするが!
屈指のリリーフエースを否定してしまうことはNPBはその程度の実力であると認めて・・・。
まっ、松坂とか見たらそうか・・・なw
ただ球児にはもうNPBではモチベーションが保てないのでしょう。
ここまでの実績を積み重ねた選手に新たな目標はNPBでは見い出し辛い。
惜しむらくは全盛期に勝負して欲しかったという事。
あのケリーウッドと見まごうばかりの糸を引く様なストレートをMLBの舞台で披露出来たならと…。
しかし期待する気持ちも少なくありません。
斎藤隆の様にMLBの環境・トレーニングが水に合ってより能力向上し、活躍する事も考えられます。
その為にはここ数年で弛みきった頬・身体を完璧にシェイプし直して乗り込んでいただきたい。
それさえ出来れば期待出来ると思っています。
日本時代の身体的・技術的貯金で何とかなると考えているとしたら、まぁ無理でしょう。
日本を代表するクローザーの輸出となると、「大魔神」佐々木や高津を思い出します。
彼らには、それぞれフォークとシンカーという明確な武器がありました。その球筋に相手打者が慣れるまでは、そこそこ通用しました。
藤川の場合も、上記2名の選手同様、今のフォークボールを武器として使える水準までに磨き上げることが成功の条件になるのでしょう。最も、おそらく最初の1、2年の間という期間限定の成功のような気がしますが。
成功はしてほしい。でも、長期的成功は可能性が低いといった感じではないでしょうか。広尾さんも書いておられるとおり、勤続疲労は間違いなくあるでしょうから。そもそも、マリアーノ・リベラのような長期間活躍するリリーフは稀なんですよ。
メジャーの評価もそこまでではないと思います。少なくともクローザーとして獲得する球団はないのでは?ミドルリリーフか、よくてセットアッパー。そこからクローザーが調子を落としたらチャンス!という流れになれば…
通用するかどうか、こればかりはMLBのマウンドに立つまではわかりませんよ。
藤川は阪神ではやれることはやり尽くしたし、お金も溜まりました。
閉塞感漂うNPBよりもMLBで思い切りチャレンジしたいと言う気持ちは当然理解できますし、そこには衰えとか、「通用しないのでは?」という後ろ向きの気持ちが入り込む余地はないと思います。
ガンバレ、藤川。
2005~2009年は45試合以上登板した投手の中で4回ERA1位(2007年はウィリアムスの2位)。
NPB史上「60試合以上登板してERA0点台」を2回記録したのは藤川のみ(他には、ウィリアムスが2007年に1回記録したのみ。)。
(※ちなみに、1946~2010年に「49試合以上登板してERA0点台」なら、他にのべ3人います)
ピーク時に移籍していたら、どれだけ通用したんだろうという興味が尽きない投手です。
今年は、昨年と違って決め球以外にもフォークを積極的に使うようになった印象です。球が走らないときには、カーブも使っていましたね。
試行錯誤を続けて、MLBにフィットする新たなスタイルを身につけて勝負してほしいです。
ここは「今までありがとう」と言って、笑顔で送り出したいですね。
結果の出る出ないはともかくとして、
改めて1人の駆け出し「球児」に戻って
全力で力の限りプレーしてきてほしい。
そんだけです。
あかんかったら、また阪神に戻っておいで。
せめていつぞやのカブレラ&小笠原とのオール直球勝負を挑んだオールスターの頃なら期待できたのかもしれませんが。
彼の適応力によってストレートがどうなるのかとフォークを含めてのコマンドがどうなるのかですね。
NPB時代に限って上原と比較すれば、コマンドやフォークに関しては上原に軍配ですが、直球に関しては藤川の方が評価が高いように思えます。
その上原のストレートはMLBで大量に空振りを奪っていますし、上原と同じように適応できればチャンスはあると思いたいです。