ナリーグの二遊間の選手の守備成績の比較。
各チームの二遊間の守備成績を併記した。GPは出場試合数、TCは守備機会(PO+A+E)、POは刺殺つまり捕球したりタッチしたりして直接アウトにした数、Aは補殺。送球などでアウトにするのをアシストした数。Eは失策。DPは併殺への参加数。F%は守備率。RFはTC÷総出場イニング×9。守備範囲の広さを示す数値。GRFはTC÷試合数。簡易型のRF。なぜGRFを入れたかというと、NPBではGRFしか出ないので、これと比較をするため。
そしてUZRは、この選手が守ることで、リーグの標準的な選手が守るよりも何点低く抑えたかの数値。これは、ビデオを見ながら一つ一つのプレーをメッシュに落とし込んで記録されているという(自動記入システムもあるようだが)。信じてよいかどうかはわからないが、近年かなり重要視されている。積み上げの数字である。同じ実力の野手なら、試合数が多い方がポイントは上がる。

ナリーグ 40試合以上出場を目安としてピックアップ。赤枠がゴールドグラブ。

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二遊間を一人ずつで固定できたのは、16球団中5つだけ。アリーグとは対照的に、二遊間が良く変わるチームが多かったのだ。
一番多く出場したのは、二塁手はシカゴ・カブスのダーウィン・バーニー、遊撃手は相棒のスターリン・カストロ。カストロは何とフルイニング出場。NPBではよくあるが、MLBでは滅多にない記録のはずだ。
ナリーグの方が、若手の野手が多い。過渡期という感じがする。二遊間が固定できていないのもそのためだろう。
二塁のゴールドグラブに選ばれたシカゴ・カブスのダーウィン・バーニーは26歳。レギュラーになって2年目。打撃では長打力はなく、平凡だが、守備ではリーグ屈指の数字を残している。UZRでは、ロサンゼルス・ドジャースのマーク・エリスが上だが、ほぼ一人で二塁を守ったことも評価されたのだろう。
遊撃手はRFではコロラド・ロッキーズのトロイ・トロウィツキ、UZRではクリント・バームスが1位だったが、各球団のコーチ、監督がゴールドグラブに選んだのは、ベテランのジミー・ロリンズだった。ロリンズはRFはむしろ下の方だし、UZRも平凡だ。
NPBでもよくあることだが、選考基準は明確ではない。数字は平凡でも、チームを引っ張るリーダーシップがあるとか、他の要素を加味することもあるのだろう。

二遊間のUZRの合計の数字。

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ベストの二遊間はニール・ウォーカーとクリント・バームスのピッツバーグ・パイレーツ、続いてブランドン・フィリップス、ザック・コザートのシンシナティ・レッズということになった。PITは低迷しているが、これは明るい兆しなのかもしれない。


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