先日、韓国野球員会(KBO)にとって、歴史的な契約が決まった。25歳のハンファの左腕投手、柳賢振が、ロサンゼルス・ドジャース=LADにポスティングシステムで落札されたのだ。落札額は2573万ドル。
この金額は、ハンファ・イーグルスに入ることになる。
近年、KBOは、常にNPBと「同格」であると自認してきたが、MLBの評価は大きく異なっていた。
2003年、王貞治らのNPBの本塁打記録を抜く56本塁打を記録したサムソンの李承ヨプがFAとなったときに、韓国野球界はMLBからメジャー契約のオファーがあるものと考えていた。

NPBではすでにイチローが2000年にポスティングでシアトル・マリナーズに移籍しているし、松井秀喜もFAでニューヨーク・ヤンキースに移籍している。いずれもNPBでの実績を評価されたものだ。
しかし、李承ヨプに対しては、MLB側からはメジャー契約のオファーはなかった。スプリングキャンプへの招待選手など、マイナーなオファーはあったようだが。MLB移籍をあきらめた李承ヨプが、NPBに移籍したのは良く知られていることだ。

野茂英雄のMLB123勝を超える124勝をあげた朴賛浩はKBO出身ではない。大学を中退してLADの下部組織に入団し、這い上がってきたものだ。
現在、唯一の韓国籍のMLB選手である秋信守もKBOのドラフト1位を蹴って、MLBに直で挑戦したものだ。

要するにKBOでの実績は、MLBを目指す韓国人の若者にとっては、何の役にも立たなかったのだ。
以後、KBOのトッププレイヤーは、MLBを目指すことなくNPBにさらなる活躍の場を求めてきた。
KBOの関係者やファンは、NPB出身の選手が、毎年MLBにポスティングで移籍するのを横目に見ながら、屈辱を感じていたものと思われる。
柳賢振のキャリアSTATS

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球場が狭く、打高投低が続くKBOでの数字だが、安定感のある成績を残している。被本塁打も少ない。また、奪三振が多い。
体格も立派であり、本格派の投手だということが分かる。
LADが、高額のポスティング費用を払ってまでこの投手を獲得しようとしたのは、まだ25歳と若くて、左腕のパワーピッチャーであることが大きいだろう。

なぜ、今になってKBOの野球をMLBが評価し始めたのか。一番大きい理由は、WBCで韓国が日本と互角の勝負を演じたことだろう。層の厚さでは日本には大きく劣っているが、一握りの選手のレベルは日本とそん色がない。そういう評価をしたのではないか。

柳賢振は、昨年、スコット・ボラスと契約を結んでいた。悪名高い辣腕代理人だが、ボラスが売り込みをかけたということも、MLB球団にとっては、信用性を高める一助となったかもしれない。

日本のスター選手は、決して安くはない。ポスティングの費用に加えて、1年目から100万ドル以上の年俸が必要となる。柳賢振の今季の年俸は4.3億ウォン。日本円で3000万円ほど。リーズナブルな価格での年俸契約も期待しているのかもしてない(まあ、ボラスではあるけど)。

LADは黒人選手を受け入れるときも、日本人選手を受け入れるときも先駆的な役割を果たしたが、韓国人選手をポスティングで受け入れる際も、やはり先駆けとなった。

私は、この投手は成功する可能性は高いと思う。NPBではKBOの選手はあまりうまくいかないケースが多いが、それはNPBの細かい野球がKBO育ちには水が合わないからだと思う。力勝負を好む韓国の野球選手は、うまくいけばMLBでも通用すると思う。
ただ、そうなれば、NPB同様、トップクラスの選手は、MLBへどんどん移籍していくだろう。今回のポスティングは、人材流出の危険性をはらんでいると思う。

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