また不思議なデータをご紹介したい。今、必要があってNPBの選手記録をまとめなおしているのだ。左右打席別の打撃成績である。
昨日も述べたとおり、NPBで1試合でも出場した選手は約5900人いるが、これを右投げ右打ち、右投げ左打ち、右投げ両打ち、左投げ左打ち、左投げ右打ち、左投げ両打ち、両投げ左打ちに分けて、打撃成績を見ることにした。Tは投、Bは打。Rは右、Lは左、Sは両。

若い方は両投げ左打ち?と思われるかもしれない。一人だけいるのである。
南海、ダイエー、阪神の近田豊年。

南海最後の88年4/14の大阪球場でのロッテ戦、5番手で投げた。私は球場で見ていたが、左のスリークオーターで4人に投げて1安打1四球自責点1、右はアンダースローだと言われていたが投げなかった。なんのことはない平凡な投球だった。近田の1軍での登板(出場も)はこの1試合だけ。
ただ、この記録は「選手登録」にもとづいているので、区別することにした。

また、投に関わらない左右両だけにまとめた数字も出した。
なお、両打ちについては途中から転向している場合がほとんどだが、転向時期が分からない場合も多いので、全部ひとくくりにしている。なお、投打が分からない選手は割愛した。

RL-BAT20120122



NPBで右投げ右打ちは4229人71.4%圧倒的な数字だ。右打ちと左打ちの比率は約3:1である。
右打ちの平均打率は.245、OPSは.675、左打ちは.261、OPSは.723。通説の通り、左打ちの方が打撃成績が良い。一塁までの距離が近いということ、そして左打者に有利だと言われる右投手との対戦が多いことが原因ではないかと思われる。

両打ちの選手は.265と打率はさらに良いが長打では左打ちに劣る。ただ、盗塁数は圧倒的に多い。これは、足の速い選手がスイッチヒッターに転向することが多いということだろう。



右投げ左打ちは、データで見る限り、左投げ左打ちよりも成績はやや劣る。これも内容を見ると、立浪和義、金本知憲など成功事例もあるのだが、成績が上がらない選手も多い。必ずしもうまくいくとは限らないのだ。

細かく見ていくと同じ両打ちでも右投げ両打ちの選手の方が、左投げ両打ちの選手より成績がはるかに良い。これは、本来右利きの選手が両打ちに転向する方が成功する可能性が高いということか。ただ、左投げ両打ちの選手の顔ぶれを見ると、林俊宏、川口和久など投手が多い。例外的なことなのだろう。

NPBでは、MLBよりも両打ちが少ない。本格的な両打ちは柴田勲が初めてで、歴史が浅いうえに、最近は右投げ左打ちに転向する選手の方が多い。しかし、データを見る限り、足に自信があれば両打ちも考えるべきだろう。

クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。今日は山内新一

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