NPBでは左投手と右投手、どちらが好成績を上げているか。打者同様に調べてみた。打撃同様、左右が判明しない選手もいるので、割愛している。
投手の場合、どちらの打席に立つかは関係ないと思われるので、左右投げだけに絞った。
両投げは前述のとおり近田豊年。実際は左で投げたが、この記録は登録に準拠しているので両投げにした。
コミック、アニメの「Major」では右から左に転向する投手が出てくるが、NPBではいないはずだ。

左右が判明した2660人の投手の内、右投げは1963人、左は696人。だいたい3:1の割合だ。
通常左利きは10%前後と言われるから、左投手26.2%という数字は、右投げから左投げに人工的に変えた人がかなりいることを意味している。
何となく左投手の方が成績が良いような気がするが、実際は逆。右投手はERA3.44、WHIP1.26、左投手はERA3.60、WHIP1.31。少しだけ右投手の方が良い。
よく考えれば道理には叶っている。
打者側から見て、右打者は右投手、左打者は左投手を苦手とする傾向があると言われる。先ほど打者で見たように、NPBの打者の71.4%は、右打者だから、右打者対右投手の対戦が一番多い。右投手の成績が良くなるのは、道理なのだ。
右投手は平均すると407.2回を投げて21.3勝21.1敗、4.9セーブ、左投手は326.2回を投げて17.1勝17.8敗3.1セーブ。登板回数はほぼ同じだが、完投数や完封数も右投手の方が上だ。
これは、右投手の方が先発で起用されることが多いからだろう。
ただ、K9(1試合換算の奪三振数)は、右5.314に対して左5.998、左投手の方が三振を奪う率はかなり高い。左投手はリリーフで投げることが多いので、三振を求められるということかもしれない。
よく、左投手攻略が重要だと言われるが、人間が右利きの方が多いことを考えると、野球の基本は「右」だということがわかる。
右投手と左打者など個別の対戦成績がわかれば、より深い理解が得られるだろうが、それはまたの機会にしたい。
クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。今日は山内新一

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コメント
コメント一覧
「人工の左が多い」か、「野球が左を重宝している」といえると思います。
そうでないと、「りょ」さんの主張の可能性が
高いかな?
左投げの投手の割合が実際の左利きの割合よりも多いのは、単純にポジション適性の問題もあると思います。
野球の場合、右投げの選手はどのポジションでもできますが、左投げの選手の場合は基本的に投手、一塁手、外野手しかできないので、9つのポジションのうち5つしかできないことになります。
実際、少年野球の現場では、左投げの子供に投手をやらせることが多いと聞いたことがあります。特に経験の無い子供たちにとっては珍しい存在でしょうし、独特の球筋が打ちにくいかもしれません。
ちなみに人工的な右投げなら読売の坂本やヤクルトの由規が有名ですが、ともに兄が右利きだったために、いわゆる右投げ用のグラブしかなく、それに合わせて野球をやっているうちに自然に投げられるようになったと聞きました。
平均よりも左投手が多い理由は追求してみたいですね。他の方も書かれているように、プロに入る時もクラブ活動でも、力が同じなら左投手の方が有利だから……ではなかろうかと想像します。
とはいえ、かれこれ数十年前の話ですけど...
bunchousannさまの仰られるように、守れるポジションが自ずと限定的になるのと、希少性も相まって、少年野球の場合だと自動的に投手を任される傾向は強いと思われます。
一般的に、左利きの割合が10数パーセントと言われているようなので、ポジション数を勘案すると、まぁ妥当な割合ではないでしょうか。
余談ですが、SB松中が、アマ時代にケガの影響で右投げで野球をしていたという話を聞いた覚えがあります。
左腕では石井一久、岡島、高橋尚成の3人くらいでしょうか。この3人ともどんぐりの背比べというか。活躍はしたけど、野茂黒田松坂大家斎藤ら右腕組があまりにもすごすぎてかすんでしまう。
やはり左腕にはフォークボールピッチャーがほとんどいないのも大きいと思います。
松中は元々右利きだそうですよ。小学校くらいに肩の手術で左投げになったのが怪我で右投げに戻し、また左投げに戻したとか。複雑ですよね。でも右利き左打ちということらしいです。