今、最も脂の乗った外野手。打撃でも守備でも走塁でも、リーグのトップレベルにある。この糸井嘉男が、今シーズン後のMLB挑戦を表明した。

一番の魅力は守備だろう。打球に対する勘の良さ、そしてキャッチしてから次の動作までの速さ、さらに肩の強さ。守備で金が獲れる数少ない選手だ。

さらに打撃。芯でとらえた打球が糸を引くように飛んでいくさまは、一種の快感だ。飛距離もあるし、広角にも打てる。
評価したいのは、統一球になってからも全く打率が落ちていないこと。3割台をキープしている。長打力もほぼ維持している。バットスイングの速さは一級品だ。

また、選球眼の良さも際立っている。早打ちがとかく奨励されるNPBにあって、昨年はIsoD.100を記録。当然出塁率も4割を超えている。

これに加えて走塁。足の速さもさることながら、成功率の高さは特筆に値する。

yoshio-itoi


素材だけを見るなら、アメリカ移籍時のイチローには届かないが、青木宣親を上回っているだろう。
昔と違い、球場の広さに怖気づくこともないだろう。ある意味で、最もMLBに適している選手だ。



日本ハムにとっては、中田翔が成長するまでは糸井にチームを引っ張ってもらいたいと考えていただろうから、大きな痛手ではある。しかし、どうせ出ていくのならポスティングで利を得る方がいいとの判断も働くだろう。

問題は「天然」と言われるキャラクターか。イチローや松井秀喜のように、自己管理をしっかりして、自分の力で自分を成長させることができるのか。チームの先輩の新庄剛志と少しイメージが重なるのが気がかりだが。

こういう形で、NPBのトップ選手がMLBに移籍する道筋はついてしまったと考えるべきだろう。

円安に振れていることはやや気の毒ではある。本人は「円安ってなんでしゅか?」というかもしれないが。

クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。本日は中山孝一

Classic Stats


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!