こうしてWBCのデータをずっと調べていると、今回の日本投手陣はぱっとしなかったな、と実感する。
前にも言ったが、絶対的な安心感があったのは、先発では前田健太だけ。救援でも牧田和久は信頼できたが、他の投手は投げて見なければわからない状態だった。
今回大会のイニングごとの得失点。

日本はオランダに2度大勝している。だから2回に大きな得点が入っているが、これはポイントではない。
1回に3失点しているのは、先発投手が不安定な立ち上がりを衝かれているということだ。また、6、7、8回に失点が多くなっているのは、信頼できる救援投手がいなかったということを意味している。
これまで2回の投手陣に比べれば、信頼感に乏しかったと言えよう。
各投手の成績。PoはNPBにおける投手の本来のポジショニング。

山本監督は、先発投手をロングリリーフで使うことを想定して選出している。私もそれを「第2の先発」と言ってきたが、その試みは上手くいったとは言えない。
また田中将大と能見篤志は、先発と救援を掛け持ちさせられている。
山本浩二がNPBの監督だったのは2005年が最後である。以後8年間現場から離れている。投手起用に関して、感覚が鈍っていたのか、あるいは2001年から現場を離れている東尾修投手コーチの問題なのか。投手の交替期にも問題があったように思う。
日本の投手起用が中途半端だったのは、ドミニカの投手起用を見れば歴然とする。

ドミニカは先発には先発投手を、救援には救援投手を使っている。当たり前のことだが、そのルールをきっちりと守っている。
その上主力級の救援投手は1イニングをきっちりと任せている。
この分業が投手の自覚を促し、チームに勝ちパターンを生んだのだと思う。


NPBにも優秀なセットアッパーはたくさんいる。中途半端に先発投手に救援を務めさせるくらいなら、地味でも救援投手を選抜すべきではなかったのか。
浅尾に声をかけたのはそういう意識からだとは思うが、巨人西村、中日の田島、日本ハムの増井、宮西などを起用する手もあっただろう。
Twitterで上原浩治が「○○投手、中継ぎに降格」というスポーツ紙の報道に怒っていたが、マスコミやNPB関係者に、救援投手を先発投手よりも格下だと思う古い感覚が残っているとすれば、そしてそれが今回の投手起用に影響を与えたとすれば、意識改革が必要だろう。次回までの課題だ。
広尾晃 野球の本、上梓しました!4/3店頭に並びます。予約アマゾンで受付中。


クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。吉武真太郎

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓
今回大会のイニングごとの得失点。

日本はオランダに2度大勝している。だから2回に大きな得点が入っているが、これはポイントではない。
1回に3失点しているのは、先発投手が不安定な立ち上がりを衝かれているということだ。また、6、7、8回に失点が多くなっているのは、信頼できる救援投手がいなかったということを意味している。
これまで2回の投手陣に比べれば、信頼感に乏しかったと言えよう。
各投手の成績。PoはNPBにおける投手の本来のポジショニング。

山本監督は、先発投手をロングリリーフで使うことを想定して選出している。私もそれを「第2の先発」と言ってきたが、その試みは上手くいったとは言えない。
また田中将大と能見篤志は、先発と救援を掛け持ちさせられている。
山本浩二がNPBの監督だったのは2005年が最後である。以後8年間現場から離れている。投手起用に関して、感覚が鈍っていたのか、あるいは2001年から現場を離れている東尾修投手コーチの問題なのか。投手の交替期にも問題があったように思う。
日本の投手起用が中途半端だったのは、ドミニカの投手起用を見れば歴然とする。

ドミニカは先発には先発投手を、救援には救援投手を使っている。当たり前のことだが、そのルールをきっちりと守っている。
その上主力級の救援投手は1イニングをきっちりと任せている。
この分業が投手の自覚を促し、チームに勝ちパターンを生んだのだと思う。
NPBにも優秀なセットアッパーはたくさんいる。中途半端に先発投手に救援を務めさせるくらいなら、地味でも救援投手を選抜すべきではなかったのか。
浅尾に声をかけたのはそういう意識からだとは思うが、巨人西村、中日の田島、日本ハムの増井、宮西などを起用する手もあっただろう。
Twitterで上原浩治が「○○投手、中継ぎに降格」というスポーツ紙の報道に怒っていたが、マスコミやNPB関係者に、救援投手を先発投手よりも格下だと思う古い感覚が残っているとすれば、そしてそれが今回の投手起用に影響を与えたとすれば、意識改革が必要だろう。次回までの課題だ。
広尾晃 野球の本、上梓しました!4/3店頭に並びます。予約アマゾンで受付中。
クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。吉武真太郎
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓
コメント
コメント一覧
ただ前回は松坂・ダルビッシュ・岩隈の3人が盤石だったので
他の投手は彼らのサポート役に徹する事が出来、登板のタイミングも計り易かったのに対し、
今回は前田以外の先発が不安定だった為に、2番手以降の前倒しや回跨ぎが必要になるなど
ブルペンでの準備に支障をきたしたのではと考えています。
ちなみに巨人ファンとして内海を擁護して見ると、
第1Rではキューバ戦に勝ち抜けが掛かる場合そちらで先発予定だったのが
中国戦の勝利濃厚で勝ち抜けがほぼ確実になった為そこでリリーフ登板(この時は万全)、
第2Rでは敗者復活戦に回った場合そちらで先発予定だったのが
オランダ戦の勝利濃厚で勝ち抜けがほぼ確実になった為そこでリリーフ登板(この時は炎上)、
とかなり難しい調整を強いられた印象です(内海ならと見込まれての事だったのですが)。
地味な選手を呼んだら注目度も低くなるから。
そりゃしょーがないよw
プロ野球の存在理由は注目されてナンボ。
MLBのように補填無しでビジネスとして
ちゃんと成り立ってる球団が何球団あるんだろう?
しょせん企業の宣伝媒体だもん。
近年だって近鉄、ダイエー、TBSが球団を手放してるくらいだもん。
今回は「第二先発」が崩れたことで投手陣全体の成績が悪化し、苦戦を強いられる原因になりましたが、実は先発型投手と救援型投手の選出割合は、過去2大会と比べてもそう大差はありません。前回も救援投手の選出は、馬原、藤川、山口の3名のみであり、残りは全てチームでは先発を任される投手ばかりでした。
ただ前回は、「第二先発」が悉く失点を食い止めたこともあって、救援投手が少ないという点はほとんど指摘されなかったように思います。次回、どのように選出するか、注目されるところです。
日本の場合、「優秀な投手=先発」という図式が今だに根強いですし。
今調べているところですが、アメリカを除く各国は戦術を相当変えてきています。NPBの先発投手の傾向は配球などかなり研究されていたのではないでしょうか。
私もあの続投は最大の疑問です。それに実質的にオリックスの選手を一人も選出しなかったことも。DeNAも選ばれていないので、最下位球団からは選ばないと決めていたのかもしれませんが。
選ばないんじゃなくて、選べないのではないでしょうか。
いや、選ばれる選手がいないというので最下位だったんでしょう。
西は2月の段階で万全でなかったとはいえ、中継ぎに平野は選べたはずなんですが。彼自身はチームでは先発に回りそうですが。
せめて、回の途中での登板はリリーフ専門の投手に任せるとか工夫できなかったものかと思います。プエルトリコ戦の泥縄継投には大変失望しました。
日本投手陣の不調を起用法のせいにするのは筋違いと言わざるをえないでしょう、
私は日本投手陣の不調は統一球によって、投手が楽をしすぎた結果とかんがえています
統一球によって日本の投手は長打のリスクを感じる事なく、強気に投げられるようになりましたが、
WBCにおいては統一球より飛ぶWBC球を用いて日本より長打力のある打者に投げる事になり、
長打の重圧を久々に思い出したのかコースを狙い過ぎるという事が増えていたように思います
また今までは本拠地毎に使用球が異なり、投手は球場ごとに対応を強いられましたが
それは球毎にばらつきのあるメジャー球と同様の状況を作り出していました。
統一球によって投手は一つのボールのみに対応すれば良くなりましたが
それは日本投手に楽をさせ、ボールへの順応性を低下させる事に繋がったと思います。
泥縄継投と申しますが、それで結果として抑えたのですから、その批判も筋違いのように思えますね
理想は1イニング毎の継投なのでしょうが、打たれればそれも型にはまり過ぎた継投として非難されます、
ちょうどアメリカ代表が分業制を明確にし過ぎて失敗しているのが反面教師となるでしょう
馬原と球児がピリッとせず、最終的にはダルビッシュにクローザーが回ってきたので
今回の選考・起用もそれにならったのでしょう。涌井辺りに"便利屋"を期待していたような気がします。
結果論ですが病み上がりの浅尾ではなく、文中に挙げられている投手を1,2人呼んでおくべきでしたね。
本職のリリーバーを増やすのは有りかと思いますが、
起用法は結局調子の良い者を試合で見極めつつの、ある程度行き当たりばったりに
ならざるをえないのでは無いでしょうか。役割の固定化ははまれば強力ですが
レギュラーシーズン前の短期決戦では、流動的にする以上のギャンブルに思われます。
アスノさんの見解はなかなか面白いですね。確かにほんのちょっと前までは球団ごとに主催試合でボールが微妙に違いましたが、そのメリットとして、投手のボールへの適応という観点で考えたことはなかったですね。
ただ、アメリカの継投は勝敗を度外視した「オープン戦的調整型継投」の側面も強いので、真剣勝負というスタンスで臨んでいる大多数の国々にとってはあまり参考にはならないように思います。
NPBの投手陣のデータについては、以前よりも大きく研究されているという話が一部報道でありました。MLBのスカウト勢、キャンプで対戦する韓国球団など、情報はいくらでも漏れる余地があるのだと思います。
私も同様のメリットが打撃陣に現れるかなと長打に期待していたのですが、オランダ戦で爆発しただけなので関係なかったようですね。
私は最初から統一球の打撃への効果へは懐疑的でしたけどね、
だってそうでしょ、飛ばないボール打って打撃力つくなら
統一球導入前から飛ばないボール使ってる中日は若手打者がグングン育ってしかるべきじゃないですか
そもそもボールを直に触れている投手と、打席においてはあくまでバットを通してるにすぎない打者では影響は全然違いますよ
統一球を採用したせいで、ホームランは出ない、興行的にも失敗、国際試合でも散々、ピッチャーも偉い苦労。これでは採用した意味がワカリマセン。
優勝したドミニカや準優勝のプエルトリコは,共にウインターリーグを開催している国です.
ウインターリーグで好調だった投手を選んでいけば,大外れはしないでしょう.
これに対して,シーズン前のNPBでは選手の選考は非常に難しい.
特に投手は実戦で投げていくうちに調子が上がるものですし,先発要員を多く選ぶtのは仕方がないでしょう.
もう少しセットアッパーを増やしたり,起用法を一貫する事は出来たかもしれませんが,選手の調子が見定められにくい状態であったと考えれば,やむを得ないことだったと思います.
>投手起用は前回も今回も変わらないのだから
>日本投手陣の不調を起用法のせいにするのは筋違いと言わざるをえないでしょう、
”勝ちという結果が出たのだから、そのプロセスのすべてが正しかったのだ。”・・・という考え方に、私は疑問を感じるタイプです。
前回大会の起用法にも問題はあったのだと思います。ただ、それが「勝利」という結果によって見えなくなっていただけで。
>泥縄継投と申しますが、それで結果として抑えたのですから、その批判も筋違いのように思えますね
具体的に「回途中での登板」の話をします。
先発投手はシーズン中そのシチュエーションで起用されることはありません。救援投手でも、クローザーは回先頭から投げるのが通例です。”餅は餅屋”です。なぜ、シーズン中に回途中の救援で好成績を上げる投手を選ばないのでしょうか?選ばなかったのならば、なぜあえて不得意な起用法をするのでしょうか?
私はそこに疑問を感じます。
>日本の場合、「優秀な投手=先発」という図式が今だに根強いですし。
同感です。
日本で理想とされる投手像は、「球が速く、複数の変化球を自在に操り、先発完投するスタミナがあって、バント処理などの守備もうまく、9人目の打者として存在感を発揮する・・・」と「総合的」に優れているものをよしとして来ました。
その「総合的」な観点に立った場合、”優秀な投手は先発をやるものだ→先発投手は中継ぎ・抑えも当然こなせるものだ(むしろ本職よりも)”、となるのも自然な成り行きです。
しかし、実際のシーズンでは選手たちは高度に「専門的」な役割を担って、そこを試され、そこで結果を出しているのです。
>具体的に「回途中での登板」の話をします。~
中継ぎの投手を増やすことにより、先発投手として使える駒がいなくなるリスクが増えるほうが怖いというのが過去の代表監督に共通する認識なんじゃないでしょうか?(先発投手に出来が勝負の最大の分かれ目という認識)
>投手起用は前回も今回も変わらないのだから
>日本投手陣の不調を起用法のせいにするのは筋違いと言わざるをえないでしょう、
>”勝ちという結果が出たのだから、そのプロセスのすべてが正しかったのだ。”・・・という考え方に、私は疑問を感じるタイプです。
>前回大会の起用法にも問題はあったのだと思います。ただ、それが「勝利」という結果によって見えなくなっていただけで。
私も何も前回の全てが正しかったから優勝したのだとは思いませんよ、
ですが前回も今回も先発を多めに持っていく起用法は殆ど変わりません、
それで前回防御率1.71 今回防御率3.84の差が出たと持って行くのは無理筋ではないですかという話です。
中継ぎを多く持って行き過ぎて、いざ先発が崩れた時に試合を立て直せる投手もいなければ、代わりの先発もいない
第一回第二回のアメリカのような敗退パターンに陥る危険性もありますよ
私はむしろkabuさんが“負けたという事実”で目が曇っているように思いますけど
現に今代表で主に不調だったのはリリーフ選任の投手で、先発型投手で不信が目立ったのは内海くらいでしょう
摂津はリリーフ出ですし、涌井は去年抑えでした
その投手力が今回は今一つでしたから、優勝を逃したのもむべなるかなと思います。
では何故、投手力が今一つだったかというと、他国が日本の投手をよく研究していたことと、滑るボールへのアジャストが遅れたということだと思っています。
一番最初のオーストラリア戦で感じたんですが、相手打者が球種を読み切ったかのように思い切ってスイングしてたんですよね。マー君に対しても、杉内に対してもそうでした。
特に杉内のスライダーなんて、日本の打者でもブンブン空振りするのに、オーストラリアの打者が見極めていて、「あれ??」と思いました。
他国が日本を研究してきたのに比べて、日本はWBCへの準備も遅かったですし、研究と対策が相対的に遅れたのかなと思っています。
データを拝見しても、前田のみが平均5イニングを投げていますが、他の先発はいずれも3イニング前後。ドミニカよりも短いわけで、先発重視の思想を掲げながら、実際にはリリーフ頼みの投手起用をしていたという自己矛盾に陥っています。今回のWBCでは、先発が中盤でピンチを作ったら、あっさりとすぐに交代というパターンが多かった。
第2先発といいつつも、実際には攝津が平均2イニングを投げただけで、ほとんどが1イニングのショートリリーフでした。当初の構想を実戦ではまったく適用しておらず、絵に描いた餅で終わっています。
今回の選手選考ならば、先発4イニング+第2先発3イニング+山口+牧田で9イニングを作っていくのが本来の姿でしょう。この構想がうまく行かなかった場合には投手を入れ変えればいいのに、構想そのものを捨ててしまった。これが泥縄式の投手起用に陥った原因です。東尾コーチの手腕には大いに疑問符がつきます。
リーグ戦を見ていても感じますが、NPBの首脳陣は我慢が効かない人が多い。先発投手の役割とは、相手を完璧に封じ込めることではなく、とにかくイニングを稼ぐことです。その基本を徹底していないから、失点やピンチに過反応してしまい、リリーフ投手への依存・登板過多に陥っていく。リリーフ頼みの野球というのは、首脳陣にとっては「楽」なのです。度重なる投手交代によって、なんとなく仕事をした気になりますから。
もしかしたら、JFK以降のNPBにおけるリリーフ偏重野球によって、現在の球界ではリリーフにばかり優れた人材が育ち、優れた先発投手が不足しているのかも知れません。
攝津を先発投手に転向させたような成功例は極めて少なく、先発からリリーフに転向させる場合がほとんどです(JFK自体もそうですし)。MLBに移籍した投手を見ても、先発に比べてリリーフの方が母数・成功率ともに高いですし。
そしてMLBに比べると、圧倒的に恵まれているリリーフ投手の年俸。
藤川や岩瀬のような、球界最高クラスの年俸を得るリリーフ投手なんて、MLBではまずあり得ません。リベラのような「生きた伝説」クラスでようやくピーク時が1,500万ドルですから(このことが多くの3A投手にとって、来日へのモチベーションになっているはず)。
そう考えると、日本代表の先発重視はまったく現実離れしていますね。
統一球のせいで、実力以上の数字を稼いでいる投手が多いため、首脳陣の目がくらんでいるんじゃないでしょうか。日本こそ、ドミニカのようにリリーフ重視の選手構成をすべきでした。
まぁ松坂は今回おってもどうにもならんかったでしょうが・・・
この数字なんだかわかります?練習試合含めて日本代表が先制できた試合数ですよ
13試合中たった3試合です。信じ難い数字ですがこれは事実です。
ちなみに本戦に限定すると7試合中2試合になります。
いかに先発が踏ん張れず、ゲームメイクできなかったかの証明と言えるでしょう
横浜ですら(失礼)先制勝率が5割を大きく越える中でこの数字は致命的ともいえます
この中でチームが勝ち得てきたのは調子の悪い先発を早めに見切って、打線の反撃を待つ、日本の投手の厚さを生かすスタイルに転じていけたからと思います。
そういう意味で私はduplesさんとは真逆に東尾コーチの継投を評価してるんですけどね
先発は確かにイニングを食べるのも仕事ですが、先制点をやらないのも仕事ですよ、これはデータが証明しています。
仕事ができない投手を早めに見切るのは決して悪い判断とは思いませんでした