野球観戦についてひとしきり問題提起と議論をさせていただいた。改めて思い返すと、スコアブックをつけながら見るという私の観戦スタイルは、えらく古臭いものになったなと思う。
球場でスコアブックをつけている人はまず見なくなった。二軍戦や独立リーグなどでつけている人を時折見かけるが、ほとんどはスコアラーやスカウトなどの玄人だ。アソボウズの関係者と思しき人が、パソコンで独自のスコアシートをつけているのも見たことがある。

スコアブックを開いていると、珍しそうに覗き込む人もいる。「昔はつけていたもんだ」という人もいるが、初めて見る人も多い。
野球スコアは、こういうシートに記入していく。

Scorebook


スコアブックをつけることで、いろいろなことが見えてくる。両軍立ち上がりの好不調が一目瞭然となるので、試合展開が見えてくる。打球がどの方向に飛んでいるかもわかる。

その打者の前の打席の結果がわかることで、バッテリーが打者をどう攻略するかも読めるようになる。NPBなど高度な野球になれば、本塁打を打った打者の次打席では、投手は必ずと言っていいほどボールから入る。

また、試合の流れががらっと変わる瞬間もわかる。淡々と凡退を繰り返していたチームが、一つのプレーをきっかけに活発に動き始めるのが見えるのだ。
スコアブックをつけていると、野球解説者と同じようなことが口をついてでてくる。自ずと野球が俯瞰できるのだ。

本来は1球ずつ追いかけるものだが、私は選手のリザルトだけを記入している。写真も撮りたいし、合間にメモをパソコンに入力したい。何よりビールを飲まねばならない。
でも、リザルトだけならそんなに煩わしくない。余裕をもって記入することができる。

昔はスコアをつけることでグランドへの集中力が落ちるような気がして、記入していない時期もあった。確かにスコアを記入していてホームランのインパクトの瞬間を見逃すこともある。しかし、試合を見終わった後の情報量の差が圧倒的なので、今は再びつけている。

スコアブックは、昔は大きな本屋には大抵置いていたし、運動具店では野球用具の横に陳列していたものだ。しかし、今は滅多に見かけない。私は最近、アマゾンで成美堂のスコアブックを買っている。



スコアブックのつけ方を説明した本は何種類も出ているが、やはり「記録の神様」宇佐美徹也さん監修の本が圧倒的に優れている。



実際の著者は別だろうが、野球記録を記入するうえでの留意点が、プレーに即して書かれている。単なるルール解説ではない。また松坂大輔が活躍した甲子園のスコアなど、何種類かの実際のスコアシートもついている。
また、一つ一つのプレー、記録の意味も細かく解説している。

これに加えてスペシャルセミナーというコーナーがすごい。この部分は宇佐美さんの肉声が反映されていると思うが、一高で始まった日本のスコアが、早稲田式、慶應式に分化して定着していったことが紹介されている。野球史を自分なりにおさらいしようとしている私には、素晴らしい資料だ。

またプロとアマのスコアのつけ方の違いも説明している。

巻末には、珍しい記録のスコアも紹介されている。珍プレーもスコアで見ると、選手の動きが立体的に浮かび上がってくる気がする。

あくまで入門書だが、野球記録の読み物としても楽しめる。この本を読んでからスコアブックを取り寄せるのも一興かと思う。

今年の春は、スコアブックを片手にスタジアムに行ってはいかがだろうか。


広尾晃 野球記録の本、上梓しました!4/3店頭に並びます。予約アマゾンで受付中。







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Classic Stats


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