MLBの投手はシーズンに何球投げているのかも調べてみた。
シーズンに3000球以上投げた投手はアナ併せて55人いる。

MLBでは3000球投げるのがエースの条件と言っても良いだろう。エースの中のエースともいえるジャスティン・バーランダーは3768球。この投手は2011年3941球、2010年3744球、2009年3931球。まさに鉄腕。
バーランダーの前にMLB一の投手と言われたハラデーは、3600球を超えて投げたのは一度だけだから、その凄さが分かる。
以下、MLBのトップクラスは、3300球くらいは普通に投げる。MLBは162試合、NPBは144試合。期間は同じ半年。NPBで3000球を投げたのが5人しかいないのと比べても、MLBの方が苛酷だと言える。
データはないが黒田博樹は、NPBでは200回を超えたのは2シーズンしかない。3000球以上投げた経験はそれほどなかったはずだ。黒田はここ3年連続で3000球を超えているが、MLBに来てから肉体改造をしたのだろう。
ダルビッシュは2011年日本ハムで3387球を投げていたので、投球数だけでいえば、MLBに来てから肩を酷使したとは言えない。むしろMLBの投球スタイルに適応するという質的な部分で苦労をしたのだ。
NPBからMLBに移籍する先発投手は、ローテを維持すれば「投げたことのない投球数を投げる」ことになる可能性が高いということは認識すべきだろう。


救援投手はどうなのか。80登板以上投げた投手はMLBに4人いる。

クローザーではない。ランディ・チョートは、典型的なシチュエーショナル、つまりワンポイント投手。1人か2人にしかなげない。80回登板しても649球しか投げていない。ローガンもそれに近い。ベイスルとキャンプはセットアップマンだ。
彼らは日本のセットアッパー同様、毎日のように「肩を作って」いる。その負担は先発投手に劣らないだろう。
セーブ王の2人はどうか?

モットよりもキンブレルの方が、精度の高い投球をしていることがわかる。
MLBではクローザーとセットアッパー、その他の投手の分業も画然としている。このことが投球数からも見えてくる。
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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。藤井将雄

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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バーランダーの前にMLB一の投手と言われたハラデーは、3600球を超えて投げたのは一度だけだから、その凄さが分かる。
以下、MLBのトップクラスは、3300球くらいは普通に投げる。MLBは162試合、NPBは144試合。期間は同じ半年。NPBで3000球を投げたのが5人しかいないのと比べても、MLBの方が苛酷だと言える。
データはないが黒田博樹は、NPBでは200回を超えたのは2シーズンしかない。3000球以上投げた経験はそれほどなかったはずだ。黒田はここ3年連続で3000球を超えているが、MLBに来てから肉体改造をしたのだろう。
ダルビッシュは2011年日本ハムで3387球を投げていたので、投球数だけでいえば、MLBに来てから肩を酷使したとは言えない。むしろMLBの投球スタイルに適応するという質的な部分で苦労をしたのだ。
NPBからMLBに移籍する先発投手は、ローテを維持すれば「投げたことのない投球数を投げる」ことになる可能性が高いということは認識すべきだろう。
救援投手はどうなのか。80登板以上投げた投手はMLBに4人いる。

クローザーではない。ランディ・チョートは、典型的なシチュエーショナル、つまりワンポイント投手。1人か2人にしかなげない。80回登板しても649球しか投げていない。ローガンもそれに近い。ベイスルとキャンプはセットアップマンだ。
彼らは日本のセットアッパー同様、毎日のように「肩を作って」いる。その負担は先発投手に劣らないだろう。
セーブ王の2人はどうか?

モットよりもキンブレルの方が、精度の高い投球をしていることがわかる。
MLBではクローザーとセットアッパー、その他の投手の分業も画然としている。このことが投球数からも見えてくる。
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NP/IP18.13はレスターの数字でしょうね。昨季は苦しんでいましたから。
バーランダー:195cm/102kg
シールズ:193cm/97kg
ピーヴィ:185cm/88kg
ガヤルド:188cm/95kg
カーショウ:190cm/99kg
クエト:177cm/97kg
ウィルソン:185cm/95kg
マスターソン:198cm/113kg
レスター:193cm/108kg
ヘルナンデス:190cm/106kg
クエトのように背の低い選手もいますが、体重をみるとみんなガッチリして馬力充分です。ここで考えるべきなのは、ダルビッシュが渡米後に語った「筋力アップすると、軽く投げても球速が出る」という言葉でしょう。
つまり先発投手として長いイニングを投げるためには、無駄な四球を出さないのも重要ですが、まず何よりも「7〜8割の力でそこそこの球威が出せる」という身体的なアドバンテージが不可欠です。
もちろん、キンブレルの例を挙げるまでもなく、小柄でも球の速い投手は沢山います。ただ、あんな目一杯の投球を3000球も続けるわけにはいかない。
山口高志が顕著な例でしょう。169cmという小さな体で凄まじい速球を投げた投手ですが、全身をフル活用した投法が体に負荷をかけ、選手寿命を縮めたのは言うまでもありません。
結論を言うと、長く多く投げるためには「無駄な力を抜く」ことが大切。
そして力を抜くためには(逆説的なようですが)力が必要なのです。つまり筋力のキャパシティが生み出す余裕・余力が肝要です。日本でこの事実に気づき、積極的に取り組んでいる選手はまだ少ない。ダルビッシュ、金本、澤村、新井弟などが代表格でしょうか。タフさが求められる先発投手にこそ、澤村のような「筋肉派」がもっと増えるべきではないかと思います。