昨日のニューヨーク・ヤンキース=NYY vsトロント・ブルージェイズ=TOR戦は、エースCCサバシアが不安定だったが、かろうじてNYYが逃げ切った試合だった。
序盤、サバシアは球が高めに浮いて、TORの強力打線に狙いうちされた。3回には1死二三塁から併殺の間に1点、バウティスタ、ロウリーに一発が出た。

球威がない上に、制球もやや甘い。

最近のサバシアは、相手打線を圧倒することは少なく、そこそこ打たれながらも強力打線を背景に逃げ切ることが多いのだ。

ただ、サバシアは四球を出すことでチームのリズムが失われることをよく知っている。打たれてランナーを背負いながらも、粘り強く投げていた。

対するTORのJAハップは球の勢いはあったが、雑な投手だった。見方が3点を取ってくれた裏に、簡単に二人を歩かせてトラビス・ハフナーに一発を打たれ、あっという間にアドバンテージを帳消しにした。

結局サバシアは8回まで投げた。ロウリーにこの日2本目の一発を打たれたが、味方はカノとハフナーのタイムリーで逆転、勝ち投手の権利を得て降板した。

こういうのをイニングイーターというのだろう。調子が悪くても、序盤にリードされても、粘り強く回を重ねていく。理想の先発投手と言えるだろう。

5対4、1点リードの9回、ここは千両役者、マリアノ・リベラの登場か。場内もNHK-BSの実況席も期待したが、マウンドに上がったのはジョバ・チェンバレンだった。

リベラは、4/25、4/26とTOR戦に連投をしている。43歳という年齢も考えあわせて,
ジョバチェンを投げさせたのだろう。

リベラは今季限りの引退を表明している。肩をいたわる必要はそれほどないのだ。日本ならば、監督が「3連投いけるか?」とリベラに声をかけたのではないだろうか。そしてリベラが日本人ならば「無理です」とは言えなかっただろう。
マスコミからも、「どうせやめるんだから、腕が折れてもチームのために尽くすべきだろうが」という声が聞こえてくるはずだ。

しかし、リベラはブルペンで肩を作るそぶりも見せなかった。ジラルディ監督は平然とジョバチェンをマウンドに送った。



ジョバ・チェンバレンはここ数年、リベラとともに救援陣を担っている。しかし、彼はリベラの優秀な生徒とは言えない。100マイル超の豪速球はトミー・ジョン手術後は鳴りを潜めている。いまは95マイル前後の速球にカーブ、スライダーを交えて投球を組み立てているが、制球は良くない。まかされた回を三者凡退で終わることは少ない。今シーズンもここまでERAは4.00。WHIPも1.60。救援投手としては失格の数字だ。

チームの勝利を優先すれば、リベラに無理をさせるのが当然と思われた。しかしジラルディはそうはしなかった。

それは第一に、マリアノ・リベラへの敬意からだろう。MLB史上最多のセーブ数を積み上げてきた大投手に、無理強いはしない。現役を終える最後の瞬間まで、リベラのスタイルを尊重しようという姿勢が見て取れた。
「チームのために犠牲になる」安っぽい美談とは、レベルが違うと思った。

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第二に、ジョバ・チェンバレンを一人前にする必要があったからだ。来年、リベラはいなくなる。トレードでクローザーを取る可能性はあるが、それにしてもジョバチェンをいつまでもただのデブのままにしておく訳にはいかない。一本立ちさせなければならない。

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ジラルディ監督は、目先の勝敗よりも、大投手への敬意と、後継者の未来を優先したのだ。
プレイヤーズファーストとは、こういうことをいうのだろう。

ジョバ・チェンバレンは2人の走者を出したが、何とか9回を抑えきった。

162試合という長丁場を考えれば、目先の勝利よりも優先すべきことがある。ジラルディ監督は、まさに「王者の戦法」を我々に見せてくれたのだと思った。

(リベラは2009年を最後に3連投をしていない。あるいは2013年の契約に3連投禁止が盛り込まれている可能性もあるが、一応所感を述べた)。



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