syokuyakyuさんは、早くも気をもんでおられたが、阪神の三塁手。これは悩ましい。名門球団は同じポジションに良い選手が重なるものなのだ。
3B-20120203






藤村富美男は、NPB発足の年にプロ野球に入り、長嶋茂雄が入団した年まで現役だった(57年は一時引退していたが)。澤村栄治とは同学年。まさにプロ野球の伝統を体現する存在だった。戦前の野球は“神代の時代”というべきで、それ以後とは大きく環境が異なっていたが、そういう時代を織り込みながら、トータルで打率3割、OPS.872。戦争がなく、23年間ずっと試合に出続けたとすれば、川上哲治よりも早く2000本安打に到達していたに違いない。

藤村にあこがれて三塁手になった長嶋茂雄、そして長嶋にあこがれた掛布雅之。チームこそ違え、三塁手の正系はこうしてつながったのだ。

掛布雅之。この選手は王貞治に陰りが見え、山本浩二が日の出の勢いだった時期に彗星のように現れて、リーグ最強打者の名を争った。無名、小さな体で毎年のようにタイトル争いに絡んだ。守備も素晴らしかった。無理がたたったか、85年の優勝をピークに急速に衰えたが、阪神の至宝というべき選手だった。

早くに殿堂入り表彰をしていれば、彼の今の経済的窮状は、少しは緩和されたのではないかとも思う。その値打ちのあった選手だ。

そして景浦将。プロ野球がもっとも貧しかった黎明期に現役時代を終えたにも拘わらず、この数字。今さらながらに、傑出した存在だと思う。

で、結論としてはプロ野球の礎を創った功績に勝るものはないので、藤村富美男。

このままいくと、田淵も掛布も藤田平もベスト9になりそうにない。悩ましい。

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