阪神を自由契約になった下柳剛が、東北楽天に入団した。彼は10年前に続き、再度星野仙一に拾われたのだ。
2012年に40歳なるNPB関連の現役選手は23人いるが、引退を表明したのは2人だけ。所属が決まらない選手や独立リーグに所属する選手も含め、多くが現役続行を表明している。



一方で、二十代、三十代で引退する選手は毎年たくさんいる。そういう選手と、超高齢選手の差は、実績だ。打者でいえば2000本安打、投手は100勝という赫々たる数字をあげた選手は、自分の意思を優先させて選手生活を永らえることができる。至極順当なことだ。
しかしこの顔ぶれと、成績を見ていると手放しで喜べないとも思えてくる。
西口文也や宮本慎也のように、不惑を迎えてもバリバリの現役で、誰に恥じることもない成績をあげているのなら、文句はない。数字を残すことができる限り現役を続ければいい。
しかし、明らかに数字が落ちて、プレーにも精彩を欠いているのに現役に固執する選手が沢山いるのだ。
こう言うベテランは若い選手の活躍の場を奪うだけでなく、チームのウィークポイントになってしまう。金本知憲がその典型だ。
問題はこのクラスになると自らが辞めると言わない限り、引導を渡すことができなくなることだ。
ベテラン選手がやめない原因の一つには、長引く不況と地上波での野球放送の激減によって、解説者の椅子が減ったことが背景にあるだろう。年俸がへっても、現役でいる限りはおまんまの食いっぱぐれはない。また、コーチ就任を断わる選手も多いのは、コーチは現役選手よりも年俸が低いし、雑務が増える。ステイタスも下がってしまうからだろう。
成績が下がっても、年俸が落ちても引退しないとなると、辞めどきが分からなくなる。MLBでもマニー・ラミレスが現役復帰を宣言したが、所属チームがなくても現役という選手が出てきだした。いわゆる浪人だ。昨年、ようやく引退を宣言した工藤公康がそうだが、今季も何人か出そうな気配。さらには独立リーグで野球をする選手も増えてきた。
こうなってくるともう、本人の野球観、人生観の問題になる。しかし、こうした名選手たちがいつまでも野球人生にピリオドを打たないのは、全盛期を知るファンを幻滅させることにもなる。別に不正を犯しているわけではないから、晩節を汚すとはいえないが、潔くないようにも思う。
また古い相撲の話を持ち出して恐縮だが、1931年、相撲界で現役、引退力士を含めたトーナメント大会が行われたことがあった。この大会で横綱玉錦をはじめ並みいる現役力士を差し置いて優勝したのは7年も前に引退した元横綱栃木山の春日野親方だった。春日野は引退後も弟子に稽古をつけるために鍛錬を続けていたのだ。力が衰えたら後進に道を譲ると共に、余力を弟子の指導のために使う。昔の人は偉かった、と思わざるを得ない。
プロ野球選手は成績が落ちたら辞めるのが基本。後進に道を譲るのが基本だ。その上でどうしても野球が続けたいのなら、趣味でやればいい。名選手たちは、辞めどきの美学を考える時がきている。
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一方で、二十代、三十代で引退する選手は毎年たくさんいる。そういう選手と、超高齢選手の差は、実績だ。打者でいえば2000本安打、投手は100勝という赫々たる数字をあげた選手は、自分の意思を優先させて選手生活を永らえることができる。至極順当なことだ。
しかしこの顔ぶれと、成績を見ていると手放しで喜べないとも思えてくる。
西口文也や宮本慎也のように、不惑を迎えてもバリバリの現役で、誰に恥じることもない成績をあげているのなら、文句はない。数字を残すことができる限り現役を続ければいい。
しかし、明らかに数字が落ちて、プレーにも精彩を欠いているのに現役に固執する選手が沢山いるのだ。
こう言うベテランは若い選手の活躍の場を奪うだけでなく、チームのウィークポイントになってしまう。金本知憲がその典型だ。
問題はこのクラスになると自らが辞めると言わない限り、引導を渡すことができなくなることだ。
ベテラン選手がやめない原因の一つには、長引く不況と地上波での野球放送の激減によって、解説者の椅子が減ったことが背景にあるだろう。年俸がへっても、現役でいる限りはおまんまの食いっぱぐれはない。また、コーチ就任を断わる選手も多いのは、コーチは現役選手よりも年俸が低いし、雑務が増える。ステイタスも下がってしまうからだろう。
成績が下がっても、年俸が落ちても引退しないとなると、辞めどきが分からなくなる。MLBでもマニー・ラミレスが現役復帰を宣言したが、所属チームがなくても現役という選手が出てきだした。いわゆる浪人だ。昨年、ようやく引退を宣言した工藤公康がそうだが、今季も何人か出そうな気配。さらには独立リーグで野球をする選手も増えてきた。
こうなってくるともう、本人の野球観、人生観の問題になる。しかし、こうした名選手たちがいつまでも野球人生にピリオドを打たないのは、全盛期を知るファンを幻滅させることにもなる。別に不正を犯しているわけではないから、晩節を汚すとはいえないが、潔くないようにも思う。
また古い相撲の話を持ち出して恐縮だが、1931年、相撲界で現役、引退力士を含めたトーナメント大会が行われたことがあった。この大会で横綱玉錦をはじめ並みいる現役力士を差し置いて優勝したのは7年も前に引退した元横綱栃木山の春日野親方だった。春日野は引退後も弟子に稽古をつけるために鍛錬を続けていたのだ。力が衰えたら後進に道を譲ると共に、余力を弟子の指導のために使う。昔の人は偉かった、と思わざるを得ない。
プロ野球選手は成績が落ちたら辞めるのが基本。後進に道を譲るのが基本だ。その上でどうしても野球が続けたいのなら、趣味でやればいい。名選手たちは、辞めどきの美学を考える時がきている。
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コメント
コメント一覧
大阪のマスコミの金本に対するヨイショは?!が100個位つきますが、本人がそれで調子に乗るから始末に負えません。
一般的には、
野球エリートで生きてきた選手は、少しの衰えで引退。
雑草育ちの選手は、ボロボロになるまでやって引退。
そこには、引退後のプロ野球関連業務の冷え込みが影響しているのでは?
やはり、アマチュア時代にスターになるのが、付加価値になる日本だから。
金村義明やモッキーナ(笑)、じゃなかった、元木大介とか。
ある意味、斎藤佑樹は野球で大成できなくても、引退後の仕事は沢山ありそうですもん。
金本は存在が大きすぎて、猫に鈴をつける人がいないようですね。
山崎武司もいいですか、高橋周平のバッティングが見たいというのが、中日ファンの願いではないでしょうか。
シビアな球団経営が待たれます。
> 問題はこのクラスになると自らが辞めると言わない限り、引導を渡すことができなくなることだ
要は、チームにとって不要なら不要と断を下せない、なぁなぁな経営体質にこそ一番の問題があるんじゃないかと。
調査によると、引退後の生活に不安を持っている選手が6割とも7割とも言われています。そりゃあ今まで野球だけしかやってこなかったのですから、突然厳しい一般社会に放り込まれたら、どうすればいいのかわからないという人も多いでしょう。
私は管理人さんが先日挙げておられた通信制高校の問題、あれと通じるものがあると思いました。「野球バカ」は野球以外のことで自信を持つことができないのだと思います。だから、「権利を得た」選手は、1年でも長くしがみつこうとするのでしょう。
MLBでは、経済的に余裕のある名選手が引退した後は、野球以外の世界で事業を起こしたり、財団をつくったりすることがしばしばありますが、日本では名選手であればあるほど、野球の世界にとどまろうとする傾向がありますし、周囲も指導者や解説者としてそうなることをを望むように思います。
これは野球だけの問題ではないんですよね。例えばサッカーでも同じです。中田英寿などが「浮いて」見えるのは、それが「名選手=引退後は指導者になる」という「日本的価値観」から外れているからだと思うのです。
“一意専心”が尊ばれる日本ですが、果たしてそれが正しいのか、今一度検証すべきなのかもしれませんね。
自分の人生なんだからボロボロになるまでやってもいいじゃないか。
前コメントの、球団経営者の問題に言及していた方がいましたが、まさにその通り!
実力の落ちたスター選手は、残留させても解雇しても、球団は必ずどちらの意見から批判されます。
阪神は甘くて、日本ハムは冷たい(大汗)
まともに選手を評価出来ない球団経営こそ、問題の根はあります。
しかし、ファンが引退時期を決めつける風潮、これはいただけません。
曲がりなりにも実績作った選手への敬意は保ちたいものですね。
MLBは年金がしっかりしているし、球団数が多いのでコーチ職も球団職も比例して多いですがNPBはそもそも12球団しかなく傘下も脆弱なので
加えて野球しか取り柄のない選手が多いので
再就職支援は一応やっているみたいですがそもそも引き取るだけの魅力がなければ…
管理人さんが言ったことを復唱しているだけの方が多いようですね。
それと「本人の自由だから、いいじゃん」風の論調が、
この記事以外も含めて、多いようです。
自由は良い事ですが、
「周囲の迷惑など考えず」の自由や
「不正でなければよい」風の自由まで
安易に認めてはいけないですね。
USA型の自由と違うようで、
残念なことです。
少々失礼かと。
皆様は御自身の意見で賛同なり追認なりをされています。
論を立てることと反論することは同義ではありません。
城島もフル出場が難しく、後継者と目される伊藤は、中距離打者です。
吉田義男氏が替えたいが他にいないとぼやいてましたから。
アレを説得できるのは、何度か書いてますが、説得できそうだったのはカープ時代の恩師、三村さんだけだったでしょう。亡くなられて久しく、ブレーキの壊れた車状態になっています。
マスコミの提灯のもたせ方は、責任者クラスが40代と同世代だという彼らのシンパシーもあるのでしょう。自分たちも「役立たず、時代遅れ」と言われるのが辛いんでしょう。
でも金本って、大阪でお好み焼き屋を経営していて、そっちはうまくいってるはずなんですけれどね。
言われるように引退後の仕事が少ない現状では、がんばるベテラン選手を責めるのは酷と言うものです。
若手の活躍の場云々はおかしいですね、そのベテラン選手を上回るパフォーマンスを見せればいいだけで、それなら球団も喜んで年棒の安い若手を使うでしょう。
結局のところ、野球界のレベル低下がベテランの延命を許してる気がします。
となるとそうした「功労者を立てる」という空気があったという意味では本エントリと真逆のものがあったのかもしれません。
結構ガチンコだったようです。春日野は一門の総帥、出羽海(両国)に叱られています。ただし、昭和初期は大阪相撲を併合したこともあり、玉錦を除いて幕内力士のレベルは低かったようです。
つまり金本兄貴は「何打席か立たないと打てない」などとワガママ言わずに代打で打てるようになってください・・・
まぁ、それでも桧山と二枚いるのかという話になりますが・・・(関本もいるというのに)