鹿児島で自由になりそうな時間は2時間しかなかった。その2時間で川内の千葉ロッテのファームキャンプに行った。鹿児島中央駅には何やら白い粉のようなものが舞っていたが、それが雪だとわかるのにしばらく時間がかかった。春季キャンプ、南国という先入観に、不意打ちのように「極寒」というイメージが割り込んできた。
千葉ロッテのHPに従って上川内という3セクの駅からタクシーを拾って、小高い丘を越えて総合運動公園につく。野球場に陸上競技場、サッカー場、屋内練習場もある素晴らしい施設。この冬は、杉内や森福らも自主トレに使ったという。

しかし、寒いなんてものではない。寒風が「歓迎千葉ロッテファーム」の幟を引きちぎらんばかりだ。粉雪も舞っている。そんな中を黒いウィンドブレーカーにユニフォームという面々が、背中を丸めながら、続々とグランドに降りてくる。水が撒かれ、きれいに整備された内野からは炭火の匂いが立ちあがってくる。

まだ10時前、見物は私一人。記者らしきキャップをかぶった人がひとりグランドでカメラを構えている。
荻野貴、今岡、的場など1軍の試合でよく見る選手も混じっている。外野の茶色い芝生の上に集まった約30人の選手はトレーニングコーチの指示で軽いランニング、柔軟体操、スタートダッシュ、とウォームアップのプログラムを黙々と消化する。中に2人ほど、仲間に加わらずゆっくりとランニングを続ける選手も。故障調整組だろう。
記者氏も、選手に交じって時折体を動かしていた。そうでもしないと、寒さが体に這いあがってくるからだろう。


彼らはファームの選手たちであり、華やかなカクテル光線を浴びることは滅多にない。キャンプも観客のほとんどいないグランドで行われる。しかし、柔軟体操の後の用具のかたづけや、ダッシュのあとのグランドの土ならしなどは、用具係などの球団職員がやってくれる。彼らは野球のための体づくりに専念できるのだ。
関西独立リーグの選手たちは、用具を持ち運ぶのも、トンボで土を慣らすのもみんな自分たちでやる。四国アイランドリーグでは、地元学生などが手伝ってくれることもあるが、彼らもやはりトンボをもつことがある。
それを考えれば、ファームとはいえNPBの選手たちのステイタスは高い。独立リーグから入団した選手たちは「二度と独立リーグに戻るまい」と思うだろう。

30分ほどして、ちらほらと見物人が集まってきた。休日は100~200人、平日は20~30人が見に来るのだという。お目当てがあるのだろう、女性が大きな望遠レンズで選手に狙いをつけていた。
「はい、ラスト、全力でダッシュ」とトレーニングコーチの声がかかり、20mダッシュ。終わるとスパイクに履き替える。早くも水を飲む選手がいる。
そして内野の黒い土を踏みしめてベースランニングが始まった。何人かの選手は、大きなストライドで二塁ベースを回ったあたりから加速し、素晴らしい勢いで本塁へ帰ってくる。これはなかなかの見ものだった。

およそ1時間が経ち、時間が来てしまった。景気の良いキャッチボールの音は聞かずじまい。男たちの体が暖まるのを、頼まれもしないのに寒風吹きすさぶ中で見守ったのみだった。
このブログの読者はほぼ男性だと思うので書いてしまうが、球場上のトイレの小便器の前で、引っ張り出すのに苦労した。体中ちぢこまっていたのだ。
恐らく、今日は宮崎の各キャンプ地も寒さに震え上がっていたはずだ。
「入念なウォームアップの甲斐あって、誰も怪我することなくシーズンを迎えてほしい」と願いながら、極寒の総合運動公園を後にした。



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しかし、寒いなんてものではない。寒風が「歓迎千葉ロッテファーム」の幟を引きちぎらんばかりだ。粉雪も舞っている。そんな中を黒いウィンドブレーカーにユニフォームという面々が、背中を丸めながら、続々とグランドに降りてくる。水が撒かれ、きれいに整備された内野からは炭火の匂いが立ちあがってくる。

まだ10時前、見物は私一人。記者らしきキャップをかぶった人がひとりグランドでカメラを構えている。
荻野貴、今岡、的場など1軍の試合でよく見る選手も混じっている。外野の茶色い芝生の上に集まった約30人の選手はトレーニングコーチの指示で軽いランニング、柔軟体操、スタートダッシュ、とウォームアップのプログラムを黙々と消化する。中に2人ほど、仲間に加わらずゆっくりとランニングを続ける選手も。故障調整組だろう。
記者氏も、選手に交じって時折体を動かしていた。そうでもしないと、寒さが体に這いあがってくるからだろう。


彼らはファームの選手たちであり、華やかなカクテル光線を浴びることは滅多にない。キャンプも観客のほとんどいないグランドで行われる。しかし、柔軟体操の後の用具のかたづけや、ダッシュのあとのグランドの土ならしなどは、用具係などの球団職員がやってくれる。彼らは野球のための体づくりに専念できるのだ。
関西独立リーグの選手たちは、用具を持ち運ぶのも、トンボで土を慣らすのもみんな自分たちでやる。四国アイランドリーグでは、地元学生などが手伝ってくれることもあるが、彼らもやはりトンボをもつことがある。
それを考えれば、ファームとはいえNPBの選手たちのステイタスは高い。独立リーグから入団した選手たちは「二度と独立リーグに戻るまい」と思うだろう。

30分ほどして、ちらほらと見物人が集まってきた。休日は100~200人、平日は20~30人が見に来るのだという。お目当てがあるのだろう、女性が大きな望遠レンズで選手に狙いをつけていた。
「はい、ラスト、全力でダッシュ」とトレーニングコーチの声がかかり、20mダッシュ。終わるとスパイクに履き替える。早くも水を飲む選手がいる。
そして内野の黒い土を踏みしめてベースランニングが始まった。何人かの選手は、大きなストライドで二塁ベースを回ったあたりから加速し、素晴らしい勢いで本塁へ帰ってくる。これはなかなかの見ものだった。

およそ1時間が経ち、時間が来てしまった。景気の良いキャッチボールの音は聞かずじまい。男たちの体が暖まるのを、頼まれもしないのに寒風吹きすさぶ中で見守ったのみだった。
このブログの読者はほぼ男性だと思うので書いてしまうが、球場上のトイレの小便器の前で、引っ張り出すのに苦労した。体中ちぢこまっていたのだ。
恐らく、今日は宮崎の各キャンプ地も寒さに震え上がっていたはずだ。
「入念なウォームアップの甲斐あって、誰も怪我することなくシーズンを迎えてほしい」と願いながら、極寒の総合運動公園を後にした。

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コメント
コメント一覧
新聞でも言われていますが、やはり日本では沖縄に行かないとキャンプは無理なのでしょうか。
今、山口瞳さんの昭和プロ野球徹底観戦記を読んでいますが、そのキャンプリポートで時期が早すぎるのではと書いています。
近年の同時キャンプ地スタートというのは、球団の言い訳ではないでしょうか。キャンプを遅らせてやってみるチームがでてこないのでしょうか。
韓国ロッテにはイ・デホが所属していたのですが、それに気づいたのは昨日のこと。韓国球団に興味がなかったので、ここ数年見に行く機会があったにも関わらずとうとう機会を逸してしまいました。
一般野球ファンにとって鹿児島キャンプの良さは、選手の筋力トレーニング施設が一般市民にも開放されていることです(鹿児島市の場合)。
時には我々と選手のトレーニングがバッッティングすることがあり、トレーニングしながら横のマシンを見ると、今江がいたり福浦がいたりすることがありました。(まさかこの待遇がイヤで鹿児島を出て行った?)
現在は彼らよりゴツイ体の韓国選手が隣にいたりしますが、名前がわかりません。