MLBのストーブリーグの薪は、そろそろ熾火になりつつある。灰をかき上げて火を落とす寸前だ。しかし、まだ去就が決まらない選手がたくさんいる。今年は実績あるベテランが、路傍に立ちつくす姿が目立つ。松井秀喜、福留孝介もそんな顔ぶれに含まれている。
ニューヨーク・ヤンキース=NYYが、DHに誰を補強するのか。ここ数日で決定されることだろう。先日はラッセル・ブラニャンとマイナー契約。シアトル・マリナーズ=SEAで4番を打ったこともあり、日本人にはなじみだ。ブラニャンは通算194本塁打。松井秀喜(173本)より多いが、格が違うので影響がないようだ。
ライバルは、ラウル・イバニェス、ジョニー・デーモン。3人の外野手(DH)は、一長一短がある。いずれも打撃は衰えつつあるが、有力チームの主力として活躍した。昨年の成績の比較。



松井はここ2年、成績が下がり続けている。スランプが年々が長くなっており、シーズン通して起用するのは難しい状態だ。打率は低いが、イバニェスが最有力ではないか。
もし、NYYからオファーがなければ、マイナー契約の線も出てくるのではないか。このくらいのベテランになって、スプリングキャンプから本気を出さなければならないのは大変だ。
さて、福留孝介は、ニューヨーク・メッツ=NYMとの契約が秒読みだと報じられている。ライバルと目されたリック・アンキールがワシントン・ナショナルズ=WASとマイナー契約を結んだからだ。
打者としての福留は、多くを期待されない存在になっている。平均すれば打率.260、本塁打12本、54打点。リーグの打者の平均値を少し下回っている。しかし、福留はIsoD(四球による出塁率)が.130と非常に高く、OPSは.760に達している。また、守備範囲が広く判断が的確な外野守備も評価されている。
そういう点ではJ.Dドリューなどと同様、玄人受けのする選手なのだ。しかし、1450万ドルという高年俸がネックになっている。年俸は大幅に下がるだろう。NYMの外野陣。



福留は4番目をスコット・ヘアストンあたりと争うことになろう。ルーカス・ドゥーダを除いて30代半ばだ。ジェイソン・ベイは近年福留より成績が悪い。彼にとって代わる可能性はあるだろう。
意外だったのは、中日復帰のニュースがほとんど聞かれなかったこと。昨年春には、NPB復帰のうわさが出たが、今年は全くない。名古屋近辺でトレーニングをしているようだ。復帰の意思があれば中日はほっておかないだろうから、本人の意思が固いのだろう。
不本意な成績だという意識もあるだろう。不完全燃焼という思いもあろう。同時にMLBというレベルの高い世界に触れて、帰りたくないという思いも芽生えたのではないか。
NPB側は、まるで故郷の親が都会の息子に「仕事さねえなら、うちさかえってこ!」というような乗りだが、松井秀喜も福留孝介も自らの「夢」を完結させたい、という思いが強いのではないか。
MLBに挑戦した人でなければ分からない体験が、エリート野球人を変えたのだと思う。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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ライバルは、ラウル・イバニェス、ジョニー・デーモン。3人の外野手(DH)は、一長一短がある。いずれも打撃は衰えつつあるが、有力チームの主力として活躍した。昨年の成績の比較。

松井はここ2年、成績が下がり続けている。スランプが年々が長くなっており、シーズン通して起用するのは難しい状態だ。打率は低いが、イバニェスが最有力ではないか。
もし、NYYからオファーがなければ、マイナー契約の線も出てくるのではないか。このくらいのベテランになって、スプリングキャンプから本気を出さなければならないのは大変だ。
さて、福留孝介は、ニューヨーク・メッツ=NYMとの契約が秒読みだと報じられている。ライバルと目されたリック・アンキールがワシントン・ナショナルズ=WASとマイナー契約を結んだからだ。
打者としての福留は、多くを期待されない存在になっている。平均すれば打率.260、本塁打12本、54打点。リーグの打者の平均値を少し下回っている。しかし、福留はIsoD(四球による出塁率)が.130と非常に高く、OPSは.760に達している。また、守備範囲が広く判断が的確な外野守備も評価されている。
そういう点ではJ.Dドリューなどと同様、玄人受けのする選手なのだ。しかし、1450万ドルという高年俸がネックになっている。年俸は大幅に下がるだろう。NYMの外野陣。

福留は4番目をスコット・ヘアストンあたりと争うことになろう。ルーカス・ドゥーダを除いて30代半ばだ。ジェイソン・ベイは近年福留より成績が悪い。彼にとって代わる可能性はあるだろう。
意外だったのは、中日復帰のニュースがほとんど聞かれなかったこと。昨年春には、NPB復帰のうわさが出たが、今年は全くない。名古屋近辺でトレーニングをしているようだ。復帰の意思があれば中日はほっておかないだろうから、本人の意思が固いのだろう。
不本意な成績だという意識もあるだろう。不完全燃焼という思いもあろう。同時にMLBというレベルの高い世界に触れて、帰りたくないという思いも芽生えたのではないか。
NPB側は、まるで故郷の親が都会の息子に「仕事さねえなら、うちさかえってこ!」というような乗りだが、松井秀喜も福留孝介も自らの「夢」を完結させたい、という思いが強いのではないか。
MLBに挑戦した人でなければ分からない体験が、エリート野球人を変えたのだと思う。
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コメント
コメント一覧
しかし、NYY側からすれば優先順位はイバネス、デーモン、松井でしょう。
イバネス、デーモンとも高齢にかかわらず故障知らずというのが羨ましい。私は松井ファンながら、デーモンの走塁が好きです。腿、膝を上げないゼンマイ仕掛け人形のような走りでスピードがある。
ところで、広尾様が何気なくMLBでの松井の通産本塁打が173本と書かれていますが、この数字私にとっては感慨深いものがあります。
私がNYYが好きになったころプレーしていたマンソン(113本)やホワイト(160本)を上回っているのです。プレーしたシーズンが短いにもかかわらず。今年はシャンブリスの185本を抜いてくれるものと期待しているのですが・・・。
中日にとって左打ちの外野手は補強ポイントですが,平田・大島・野本・堂上剛・松井佑といった若手も使いたいところ.
和田の衰えを見越して来年以降獲得出来れば,という狙いがあっての地ならしかな,と思っています.
福留は,金銭面での評価に非常にこだわる選手であるという印象があります.
中日時代,好成績を挙げた年には年棒交渉に時間を掛けただけではなく,不本意な成績だった年には年俸の増額を断ったこともあります.
私はプロ意識の高さと評価しますが,銭留と揶揄する人もいます.
おそらく,今年までのメジャーでの成績については納得していないでしょうから,メジャー契約のオファーがあれば受けるでしょう.
日本に戻るとすれば,マイナー契約のオファーしかなかった場合でしょうか.
松井の最近の成績はとても悲しいです.
宇佐美徹也さんの「プロ野球全記録」2000年版だったでしょうか.松井が868本塁打を,イチローが3085安打を超える可能性について書いてありました.
NPBに残っていれば,王を超えられたかもしれない.それほどの選手でした.
足の怪我が無ければ,もっと数字を残せたかもしれませんが.
> 宇佐美徹也さんの「プロ野球全記録」2000年版だったでしょうか.松井が868本塁打を,イチローが3085安打を超える可能性について書いてありました.
> NPBに残っていれば,王を超えられたかもしれない.それほどの選手でした.
そう、2000年版にグラフを使って松井の可能性を詳細に記述しておられます。MLB挑戦でその夢はなくなりましたが、それでも松井のNYYのユニフォームも見たかった、とジレンマに陥ります。