一昨日も取り上げたが、野球殿堂博物館で上映していた1963年のオールスターゲーム、ちょうど半世紀前の球宴は、今から考えられないような真剣勝負だった。
第3戦のボックススコア 7/24 神宮球場 30,625人 セパ1勝1敗。
セの監督は阪神藤本定義、パは東映水原茂。コーチはセが川上哲治、杉浦清、パが鶴岡一人に別当薫。神宮は初のオールスターゲーム。

1963ASG


19時にプレーボール。主審は有津佳奈馬、今年生きていれば100歳。 

セのトップバッターは、この年から外野手に転向した柴田勲、20歳、背番号は12。映像で見る限り2番近藤和彦はまだはっきりした天秤打法ではない。
長嶋、王のあとは江藤。ONに猛烈なライバル心を抱いた打者。まだ捕手である。大洋の森徹、吉田義男、のちにヤクルトでも活躍する船田和英は土井正三の前の巨人の二塁、先発は中日の柿本実。

パは、韋駄天広瀬、近鉄のブルームは前年とこの年の首位打者。4番張本を毎日の榎本、山内がはさむ。山内はオールスター男として知られた。6番に野村克也、7番は西鉄の切り込み隊長高倉、8番に近鉄の児玉、そして投手は伝説の稲尾。
中西太はすでにレギュラーではなく選出されていない。

稲尾はいきなり柴田に安打を打たれセリーグに先制を許す、3回で60球を要す。このあと久保田、小野とつなぐが小野は近藤和にタイムリーを打たれる。
8回には、4番手土橋が代打マーシャルに3ランを打たれる。
この時点で5対0。

パリーグは5安打こそ打ったものの、柿本、城之内に抑え込まれる。

しかし8回、代わった中日の河村にパリーグ打線が襲い掛かる。谷本が三飛に倒れた後広瀬が四球、ブルームが中前打、ハドリは一飛で二死となるが、張本の左前打で満塁。ここで山内が左翼へ思い切り引っ張って満塁弾。さらに代打から捕手に入った山本八が連続で放り込む。一瞬で同点に追いついた。

ここで投手はセの投手は小山正明に交替。しかしなおも土橋の代打、19歳の土井正博が右前打。小玉も右前打と続くが土井が三塁を狙ってアウト。

勢いづいたパは最終回、藤井、長嶋、王を三者凡退。

その裏、続投の小山から谷本が安打、広瀬、矢ノ浦は凡退するが、ハドリが二塁打で二三塁、ここで張本を歩かせる。負けられないというセの意地がうかがえる。満塁。
次打者は前の回に満塁本塁打を打っている山内。まさにクライマックス。2イニング連続満塁本塁打となれば、史上空前。しかし山内は思い切り引っ張るも左飛。
このオフ、小山と山内は歴史的な交換トレードで互いのチームを移るのだ。

延長戦。

流れは一気にセリーグに変わる。

森徹の二塁打、1死後この年に西鉄から国鉄に移籍した豊田泰光が四球。古葉竹識の二塁打で森が帰り勝ち越し。ここでセは代打に金田正一。打者としてもクリンナップを打つような力がある。これ一種の二刀流。左打席の金田。それなら、とパは左の梶本を登板させる。まさに真剣勝負。金田は二ゴロに倒れるが、この間に豊田が帰り2点目が入る。走者なおも三塁。ここで日本初の本格スイッチヒッターである柴田が右打席に立ち、右翼線に大きな当たり。走者古葉が帰るが三塁を回った柴田は本塁憤死。



10回裏、秋山登が山本八、ピート、小玉を抑えて8-5でセの勝ち。MVPは勝利打点の古葉。

まるで戦国絵巻のような試合。移籍にまつわる因縁もたっぷり。セパの焦げ臭い意地の張り合いが見えてくる。

日本テレビとTBSの2局が同じ試合を中継。日テレは越智正典アナ、南村侑広のコンビ、TBSは渡辺謙太郎アナ、別所毅彦。
ラジオはNHKが鈴木文彌アナ、小西得郎、苅田久徳、TBSラジオが土屋亨、大和球士、ラジオ関東が木島章夫アナ、大島信雄、小鶴誠。

19時に始まった試合は21時58分に終わった。意外に短かった。オンタイムで観戦できた人は幸せだったろうと思う。


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