昔、芸人のマネージャーをしてテレビ局などに行っていた時代があるので、有名人に会って胸がときめいたりすることは無い。しかし、昨日はJ-Sportsの仕事に呼んでいただいてありがたいと思った。大坪正則氏にお目にかかることができたからだ。
このサイトをご覧いただいている方は、御存じだと思うが、大坪氏は帝京大学の教授。もとは商社系でスポーツマネジメントのプロとして、手腕を振るわれた方だ。欧米のスポーツビジネスに精通され、実務経験も豊富。
ある意味で、日本のスポーツマネジメントの草分けの一人というべき方だ。


大坪氏の著作は当ブログでも何度も紹介している。
『スポーツと国力』『パリーグがプロ野球を変える』など。
特にNPBの将来については、明確な提言をしておられる。現在のプロ野球団のビジネスの内、入場券関連、球場での販売などのビジネスは、球団が管理すべきだが、フランチャイズビジネス、放映権ビジネス、ライセンスビジネスはNPB機構は一括して管理し、利益を分配すべきだというお考えだ。
MLBはまさにこの方式で、球団の機構全体の利害を調整し、共存共栄体制を確立している。
日本では、特にセリーグの一部の球団が放映権やライセンスに強いこだわりをみせるために、上手くいっていない。
パリーグは楽天が参入して明快なビジネススキームをとったことに刺激され、PLM(パシフィックリーグマーケティング)という共同運営会社を立ち上げて、ビジネスの一括管理に乗り出している。
大坪氏の論理はいたって明晰。しかも学者の空論ではなく、実際の現場でビジネスを取り仕切ってきた裏付けがあるから説得力もあるのだ。


放送前の打ち合わせの席から、大坪氏は持論を明快に展開される。青島健太氏の質問に打てば響くように応えられる。
放送では、大坪氏の理論の何分の一も紹介できなかったと思う。
大坪氏がすごいと思ったのは、NPB各球団の経営状態をリアルタイムで把握しておられること。どの球団のどのビジネスがうまくいっているか。この球団の経営状態はどうなのか。
表に出ない数字も含め、球団経営のツボをぴたっとおさえておられる。


今年になって若手経営コンサルタント並木裕太氏が『日本プロ野球改造論』という本を出した。この本についてもすでに紹介したが、NPBの現状把握、そして改革案はほぼ大坪氏と同一だった。やはり処方箋は正しいのだと思う。
現NPB球団の経営者に、この処方箋が理解できない人が多いようなのは残念ではある。
放送が終わってから、大坪氏、青島氏と少し話した。
大坪氏の関心は今、ヨーロッパサッカーに向いている。いわゆるビッグクラブの多くは、アメリカ資本の傘下に入っている。
大坪氏はその上層部にも元の同僚や知己がおられるそうだが、彼らはワールドカップ関連で、大物選手が無償で召し上げられることに大いに不満を持っているという。
WBCで、MLB選手の供出に球団経営者が難色を示すのと同じ理屈だ。
ヨーロッパスポーツの文化を考えると、この習慣はなかなか覆らないとは思うが、アメリカンスポーツの影響によって、サッカー界も変質するのではないか、との話だった。
大坪氏はビジネスの観点から、スポーツを冷静に分析しておられる。
次回著作の予定はまだない、とのお話だったが、ヨーロッパ、アメリカのスポーツ文化をビジネスの観点で紹介するような著作をぜひお願いしたいと思った。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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ある意味で、日本のスポーツマネジメントの草分けの一人というべき方だ。
大坪氏の著作は当ブログでも何度も紹介している。
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特にNPBの将来については、明確な提言をしておられる。現在のプロ野球団のビジネスの内、入場券関連、球場での販売などのビジネスは、球団が管理すべきだが、フランチャイズビジネス、放映権ビジネス、ライセンスビジネスはNPB機構は一括して管理し、利益を分配すべきだというお考えだ。
MLBはまさにこの方式で、球団の機構全体の利害を調整し、共存共栄体制を確立している。
日本では、特にセリーグの一部の球団が放映権やライセンスに強いこだわりをみせるために、上手くいっていない。
パリーグは楽天が参入して明快なビジネススキームをとったことに刺激され、PLM(パシフィックリーグマーケティング)という共同運営会社を立ち上げて、ビジネスの一括管理に乗り出している。
大坪氏の論理はいたって明晰。しかも学者の空論ではなく、実際の現場でビジネスを取り仕切ってきた裏付けがあるから説得力もあるのだ。
放送前の打ち合わせの席から、大坪氏は持論を明快に展開される。青島健太氏の質問に打てば響くように応えられる。
放送では、大坪氏の理論の何分の一も紹介できなかったと思う。
大坪氏がすごいと思ったのは、NPB各球団の経営状態をリアルタイムで把握しておられること。どの球団のどのビジネスがうまくいっているか。この球団の経営状態はどうなのか。
表に出ない数字も含め、球団経営のツボをぴたっとおさえておられる。
今年になって若手経営コンサルタント並木裕太氏が『日本プロ野球改造論』という本を出した。この本についてもすでに紹介したが、NPBの現状把握、そして改革案はほぼ大坪氏と同一だった。やはり処方箋は正しいのだと思う。
現NPB球団の経営者に、この処方箋が理解できない人が多いようなのは残念ではある。
放送が終わってから、大坪氏、青島氏と少し話した。
大坪氏の関心は今、ヨーロッパサッカーに向いている。いわゆるビッグクラブの多くは、アメリカ資本の傘下に入っている。
大坪氏はその上層部にも元の同僚や知己がおられるそうだが、彼らはワールドカップ関連で、大物選手が無償で召し上げられることに大いに不満を持っているという。
WBCで、MLB選手の供出に球団経営者が難色を示すのと同じ理屈だ。
ヨーロッパスポーツの文化を考えると、この習慣はなかなか覆らないとは思うが、アメリカンスポーツの影響によって、サッカー界も変質するのではないか、との話だった。
大坪氏はビジネスの観点から、スポーツを冷静に分析しておられる。
次回著作の予定はまだない、とのお話だったが、ヨーロッパ、アメリカのスポーツ文化をビジネスの観点で紹介するような著作をぜひお願いしたいと思った。
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コメント
コメント一覧
理想論ではなく現実を直視した人が出てくるのは、楽しみですね。期待したいです。
大坪さんの存在は「メジャーリーグの経営学」(集英社新書)で知りました。他にもここでご紹介されている本はすべて持っております。
「メジャーリーグ…」には、今をときめく(?)A-RODの契約内容(当時のレンジャーズと交わした契約)が詳細に載っておりますが、まさか大坪さんも今日の凋落を予想したわけではないでしょう。
ちなみに欧州サッカーで最も勢いのあるのはアメリカ資本ではなく、中東、ロシアに淵源を持つオイルマネーです。アメリカ資本も進出はしていますが、メインストリームというわけではないですね。
また、オイルマネー軍団は、あくまで金満オーナーの道楽として進出するケースがほとんどで、彼らはクラブが抱える負債ごと買収し、有り余るポケットマネーでガンガンと一流選手を買いあさるのですが、アメリカ資本はビジネス目的で借入金をもとに買収する事も多く、その借入金がクラブ側の負債になってしまうケースがあり、現地サポーターとの軋轢を生んでいるケースも少なくありません。
面白いテーマ、冷静な知見精査、口もとも汚なくない。(中田でなく、おかわりクン)
「監督は決めた、わ・た・し!」
フリ、ボケ、ツッコミ全部いけそうな。
広尾さん、
もう、大坪コミッショナーで。
おそらくイングランド プレミアリーグを指しているのではないかと思います。
他のビッグクラブではイタリアのローマくらいしか記憶にありません。
代表選手の供出に不満を持っているのは、アメリカ資本に関わらず
多くのビッグクラブの長年の不満と言えるでしょうね。
現在は無償というわけでもなくなってきて、2012年の欧州選手権では
選手を供出したクラブに分配金が出ていますし、負傷の場合の保険制度も進んでいます。
ただ野球との大きな違いとして、FIFAと、各大陸のサッカー連盟が
絶大な権力を持ち、各クラブと対峙している点があると思います。
代表選手供出に関する問題は、アメリカ資本の参加が目立つ以前からの
欧州ビッグクラブとFIFAの政治的な争いの文脈で考えるべきでしょうね。
そして協会とクラブの利害の対立が、ひとつのバランサーとして
機能している点はあるように思います。ざっくりとした言い方ですが。
大坪さんは、マネジメントのスタイルが「アメリカの流儀」になってきたと言われていました。他圏の資本であってもそうなっているということではないでしょうか。
それから「保険」がキーワードになるとも言われていました。