旧聞になったが、コロラド・ロッキーズのトッド・ヘルトンがMLB2500本安打を記録した。MLB96人目。現役5人目である。
ヘルトンは95年ロッキーズ1順目(全体8番目)指名。同期にはホセ・クルーズ、ロイ・ハラデー、マット・モリス。
3年でMLBに昇格し、以後、コロラドの不動の中心打者として活躍した。
キャリアSTATS

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足は遅いが、毎年3割を打ち、30本100打点は期待できる得難い選手だった。2000年に打点王、首位打者、最多安打。MVPの有力候補だったが、ノンタイトルのジェフ・ケントに奪われた。
一塁手としても堅実な守備で知られ、ゴールド・グラブを3回受賞。
出塁率も非常に高く、理想的な打者だった。
何より特筆されるのが、MLBでは数少ないフランチャイズ・プレイヤーであること。ドラフト指名から1度もチームを移籍していない。
2001年イチローがMLBに移籍した時、3000打席以上の現役最高打率はトニー・グインだった。しかし翌年、ヘルトンが.333でトップに立ち、以後2006年までずっとトップだった。
イチローと同期のアルバート・プホルズはこの記録を追いかけていた。
本人が意識していたがどうか走らないが、私は「いつヘルトンを抜くのか」を気にかけていた。そしてついに2007年にイチローが首位に。以後はプホルズがトップに立ち、今年マウアーがそれに代わった。
まさに栄枯盛衰ではある。
地方球団の選手だけに、目立たないがMLBで目標とされる選手だった。
最近は出場機会が減り、通算安打数では2010年にイチローに抜かれた。数字の上でも衰えは目立つが、ひげを蓄えた風格のある雄姿は健在だ。
来年はFA、球団に残るか、移籍するか、引退か。
ロッキーズの通算打撃成績のほぼすべてでトップに立っている大選手だ。殿堂入りは微妙なところだが、最近のHOF投票の傾向を考えると殿堂入りの可能性もなくはない。



現役選手の通算安打10傑 まだマニー・ラミレスが入っているが。

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左打者ではイチローについで2位。こうしてみるとイチローと同世代や少し若い世代も大選手の領域に足を踏み入れつつあることが分かる。
歴史はこうして積みあがっていくのだ。


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