バレンティンのホームラン記録更新は「当確」あるいは「当選」だろう。世間の反応も好意的だ。しかし、なぜか昨日までは地上波で中継が無かった。今日はNHKがBSで放送する。みんなで盛り上げたい。
もう王貞治の記録を「聖域」だと思う人は少ないと思っていたら、さにあらず。こんな心配をしている人がいる。8月末の記事で恐縮だが。

飛ぶ統一球問題再燃 55本の“聖域”侵されれば“加藤ボール”に責任あり

バレンティンによって55本の聖域が破られるとしたら、それは秘密裏にすり替えられた飛ぶ統一球が原因ではないか-。そんな批判がプロ野球関係者、ファンの間で高まっている。
日本野球機構(NPB)はバレンティンがアーチをかけるたびに戦々恐々としていることだろう。
飛ばない統一球を飛ぶ統一球に改造しながら公表しなかったのは自己責任だから、今回バレンティンのホームラン量産で再びNPBの責任が改めて問われ、苦境に立つのは自業自得だ。
巨人も対岸の火事ではない。世界の王の55本塁打記録を抜かれては、巨人OB会長でもある王氏に顔向けができない。
巨人の渡辺恒雄球団会長は、王次期コミッショナーを熱望している経緯もある。せめて巨人戦での新記録達成だけは回避しないと、首脳陣、打たれた投手は渡辺球団会長の超特大の落雷は覚悟した方がいい。(江尻良文)


出た!江尻良文。この人は夕刊フジの編集委員。讀賣寄り、ナベツネ寄りの報道で知られるが、私はむしろ、偉大な野球選手や企業人を、「せこいサラリーマン」レベルに矮小化して考えるユニークなジャーナリストだと思っている。



この人は松井秀喜が好きでイチローが嫌いだが
『はたしてイチローは本当に「一流」なのか』では、イチローは関係者に挨拶をしないとか、付き合いが悪いとか書いた揚句に、最近は巨人にすり寄ってポストを得ようとしていると書いた。
この人はイチローのすごい外野守備や、松井秀喜の本塁打を見ても何も感じないのだろう。
「あいつは誰の味方か」みたいなことばかり気にかかっているのだろう。

江尻さんは王貞治信奉者としても知られているから、バレンティンの騒動は気がかりで仕方がない。
だから、彼のものすごい本塁打の軌道を目にしても、ナベツネさんや王さんの顔色をうかがってしまうのだろう。

ジャーナリストだから取材をしているとは思うのだが、この人の文章は、「特別の情報が何もなくても、簡単に書けそうだ」という特色もある。
野球史に残る事件も、小市民的な感覚(「同僚の給料が気にかかる」とか「法事の席順が気がかりだ」とかいうレベルの)に置き換えて書くことで、こういう文章になるのだ。

しかし、江尻さんの文章は決して「異端」ではない。世の中にはこういう見方をする人も多いのだ。だからこそ、天下のフジサンケイグループの解説委員が務まっている。
朝にも書いたが、統一球問題の第三者委員会の報告が9月末にずれ込むのは、バレンティン騒動に巻き込まれることを恐れてのものだろう。そういう点では「江尻的視線」は間違っていない。

ただし、こういう視点から「改革」「革新」「新しい何か」が生まれることは期待できない。
「噺家は浮世のあらで飯を食い」というが、江尻氏もそういう類だ。

江尻さんはバレンティンが記録を更新したら、どんなことを言うのか。
「打たれた投手は球団幹部ともども、頭を丸めて王貞治さんに謝罪せよ」くらいは言いそうだ。

これからも楽しみにウォッチしていきたい。

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