NPBではオープン戦が始まった。新戦力と期待される選手が成果を出したり、ダメだったり、悲喜こもごもの光景が連日報道されている。
春先のオープン戦で目立つのは大抵が若い選手だ。キャンプ早々いい動きを見せる。投手であればブルペンでパーン、パーンと気持ちのよい音を響かせる。野手であればフリー打撃やマシン打撃でいい当たりを連発する。
スポーツ紙などが派手にとりあげていよいよ実戦に。
ここでも好投を見せて、新人選手の名前はいよいよ上がる。マスコミは「ローテーションの一角に」「開幕先発も夢じゃない」。

でも、現実はそんなに甘いものではない。

例えば昨日、レギュラークラスも混じった阪神打線を3回無安打に抑えた巨人の19歳の宮国椋丞。球が低めに集まっていたし、内角に球が行っていた。マスコミは「開幕3戦いける!」とまで書いていたが…

例えば、先週まで連日話題の主となっていたソフトボール出身の日本ハム大嶋匠。斎藤佑樹と早大コンビで活躍しそうな勢いだった。

しかし、しかし、首脳陣はそんな甘い見通しは立てていないはずだ。あたかも先行逃げ切り馬のごとく、春先のオープン戦では若い選手たちが派手な話題を振りまくが、中堅、ベテランの実力者たちが、寒暖計の上昇とともに実力を発揮し出して、あたかも逃げ馬が馬群に飲み込まれるごとく、開幕時には姿が見えなくなるのだ。

大昔の話だが、毎年のように今年はイケル!といわれていた投手に阪急の今井雄太郎がいる。その球威、変化球の良さ、オープン戦では完全に主役だった。しかしルーキーの71年から77年まで毎年、春先だけの男に終わっていた。今井の場合、気の弱さ、本番での極度の緊張が、実力を発揮できない要因だった。ビールを飲んだり、自己暗示をかけたりして78年に花開いたのだ。

春先、ベテランの主軸打者の多くは速い球に目がついていけない。練習試合やオープン戦では目を慣らすだけという選手もいる。最近は、ベテラン、中堅といえども休み中にでっぷりと肥ってキャンプインするような選手はほとんどいないようだ。体は出来上がっているが、それでもスロースターターが多い。開幕時にトップギアにもっていくための調整方法を各自が持っているのだ。

20120220-02


オープン戦で、若手選手がこういうベテランに勝つのはこういう事情による。阪神のように出来上がった選手が多いチームは、オープン戦当初は重たい立ち上がりになるのだ。

大嶋匠はそろそろプロの壁に当たっているようだ。紅白戦でも当たりが止まってきた。オープン戦でも多少は使われるだろうが、開幕までにファーム行きになる可能性もあるだろう。

そういえば、中畑清新監督が初勝利を挙げて心の底から嬉しそうなコメントをしていた。その無邪気さにほのぼのした。しかし、DeNAはチーム全体が逃げ馬のようになって、開幕前に馬群に消える可能性だってあるだろう。

まだ私が現役の南海ファンだったころの末期は、戦力がどん底で、オープン戦といえどなかなか勝てない時期があった。新聞の見出しに「南海やっても勝てません」とうまいこと書かれて、春が来る前から腐ったこともあった。





甘い期待は禁物だ。毎年分かっているのだが、糠よろこびと失望を織り交ぜながら、野球ファンは春を迎えるのだ。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓ ..