200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

日本代表の印象を率直に語るならば、ミニUSAという感じである。投手も野手もそつのない選手がそろい、引き締まった印象。パワーもスピード感もある。マネージメント力も申し分がない。

投手陣。

JP-P

 

日本で最も優秀な投手が選ばれている。先発投手の勝率の高さにそれが表れている。味方打線や敵の好不調にかかわらず、自分で勝利をもぎ取ることのできる投手が揃っているのだ。ただ、ダルビッシュ、松坂の二人は独り相撲を取るタイプなので、不振な場合は強く先発を希望している涌井を起用することもあるだろう。

問題は、セットアッパーとクローザーの手薄さである。このシリーズでは継投は絶対条件なので、セットアッパーは大きなポイントだ。その専門家がほとんどいない。強化試合を見る限りでは、田中将が非常に良い働きをしていた。田中と山口がキーマンだと思う。

クローザーは実質的に藤川1人。彼が通用しなかったときにあとがない。馬原は全盛期の力がないと見る。

野手。

JP-F

 

誰が何番を打ってもおかしくない、粒のそろった優秀なメンバーである。レギュラーと控えの差はほとんどない。

ただ、懸念材料はある。不動の4番の不在だ。ピンチやチャンスの時に「あの選手まで回そう」と思えるような存在だ。4番が不在だと攻撃のストーリーができない。チームリーダーは確かにイチローだが、それとは別の打線の支柱が必要だと思うのだ。これは何十本ホームランを打っているとかいう数字とは別次元の話である。強化試合で4番に入った稲葉までが「つなぐ野球」を強調していたが、それはおかしいと思う。

日本の4番に座ることができるのは、今は松井秀か松中しかいない。松中は前回のWBCでも打率こそ残したが不発だったし、日本シリーズなどの大舞台で度々勝負弱いところを見せてはいるが、現役で唯一の三冠王であり、最高の実績を残している。その意味で、レギュラーシーズンで規定打席にも達していない亀井を残して、松中を外した理由がよくわからない。松中にしてもこれが最後の国際試合だと公言していたのだから、期するところはあったはずだ。

サッカーでいう「決定力不足」のような状況が続いている。これを打破するには、今のメンバーで中軸を決定する必要があると思う。実績でいえば村田か小笠原。このどちらかを4番で固定する方が良いと思う。

USAのジョンソン監督が最大のライバルとして日韓を挙げていた。組織力と戦略、そして選手のレベルの高さを見れば、パワー一辺倒の中南米陣よりも上だと評価したのだろう。

日本は「韓国の呪縛」から抜け出さなければならない。北京では日本は「恨の野球」の前に委縮し、力を出せなかった。Pool-Aの戦いで韓国を破るか、破らないまでも好勝負を演じ、それを契機としてチームを一体化してほしいと思う。

■後日談:2009年シーズンが終わってみて、まさに死屍累々と言う感がある。WBC優勝の代償として、いかに多くの選手が不満足なシーズンを送ったか。成果も大きかったが、失ったものも同じくらいあったように思う。韓国とは、新しいステージに入ったように思われる。