【2009年3月7日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

韓国:チャイニーズタイペイ戦

極論すれば1回の表裏だけでゲームは終わっていた。

台湾先発の李振昌は、強化試合の巨人戦でも通用しなかったが、韓国相手でも四球、死球、四球、安打、左飛、四球そして李晋暎の満塁本塁打と続けて6失点、わずか7人で試合を壊した。

壊れていたのは李振昌だけではない。出塁すればバント失敗、併殺、牽制アウトと、点差とシチュエーションを考えない攻撃に終始した中華台北というチームそのものが壊れていた。今、台湾のプロリーグは屋台骨からゆらいでいる。ナショナルチームを作るどころではないのかもしれない。投手の使い方も、廖于誠に3回を投げさせ、東京ラウンドでは実質的に使えなくしてしまうなど、何も考えていないように思えた。無策。アマチュア出身の監督の初回からの苦笑いがそれを象徴している。

韓国は中盤、中華台北の繰り出す2番手、3番手をやや攻めあぐねてはいたが、5,6回に理想的な点の取り方をした。ここらが日本との大きな違いだ。

シロクマのような李大浩や、ジャイアンみたいな柳賢振など、日本ではあまりみない体型の巨漢がのびのびと野球をしていた。

選手個々の力の差以上に、マネージメントの差で韓国が圧勝した。投手力は日本と互角、打者は上、という印象だ。

中華台北には、ナイターの翌日のデーゲームが待っている。おそらく中国にも敗れるのではないだろうか。

■後日談:台湾は熱心な応援団が来ていたが、ずいぶんプライドを傷つけられたのではないだろうか。ナショナルパスタイムの腐敗、弱体化は、国民の気持ちをも傷つけるのだ。