2009324日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

思えば18年前、かのイチローがプロ入りして最初に目標とした男は、田口壮だった。

  1991年オリックスブルーウエーブ ドラフト指名選手

 1田口壮 内野手 関西学院大

  2萩原淳 内野手 東海大甲府高 

  3本東洋 投手 三菱重工長崎

  4鈴木一朗 投手 愛工大名電高

  5北川晋 投手 浪速高

  6西芳弘 外野手 寺井高

  7山本大貴 投手 阿部企業

強打の内野手は、1年目から1軍に出場、それを追ってイチローも1軍の試合に出場するが、一歩田口が先んじていた。それが大逆転するのが3年目、空前の210安打でイチローがスターダムに。田口もこの年、強肩を活かして外野に転向。本西とともに鉄壁の外野陣を築くことになる。

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2001年、NPBでは、もはややるべきことが見当たらなくなったイチローは、MLBへ、ここでも驚異的な数字を叩き出し、1年でスターになる。

田口が小市民ならば、海の向こうの僚友に拍手を送るだけで済ませたはずである。しかし、彼は翌年、海を渡るのだ。イチローと比べて才能が劣るのは明らかである。そして、年齢も3歳上である。すでに33歳の田口は、すべてを承知でSTLと契約したのだ。

以後の田口の歳月は、ごく普通の野球好きの青年が、超人たちに伍して必死で存在感を主張する日々だった。

彼が素晴らしいのは、いつも真っ先に切られる候補でありながら、あらゆる手を尽くして最後まで踏みとどまることだ。打がダメなら走で、走がダメなら守備で、守備がダメならベンチでの応援で、彼は貢献し続けたのだ。

ことに素晴らしいのは、2005年。リーグ優勝した強豪チームで外野手としてチーム最多出場、114安打を放った。翌年はワールドシリーズ優勝に貢献。プホルスに代表される強打のSTLでほとんどレギュラーに近い位置を獲得したのだ。

STLを2007年末に戦力外となりPHIへ、そして今年はマイナー契約でCHCへ。今年7月2日に40歳を迎える田口は、だんだん窓際に追いやられていった。3/29、マイナー落ちが決定。実に5年ぶりのマイナーでの開幕だ。

もういいんじゃないか、という気もするが、田口はまだ諦めていないのではないかと思う。もう一度、マイナーからの復活劇を見せてくれるのではないか。喜々として、今、その準備を開始したのではないかと思う。

 

田口とイチロー、二人の同期生の野球人生は対照的ではあるが、どちらも見事なものだといえないだろうか。