【2009年5月7日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

4月の月間MVPにTBのロンゴリアが選ばれたようだ。昨年の満票の新人王に続き、開幕早々の月間MVP。まさに順風満帆である。

日本のファンからすれば、ロンゴリアは岩村を3塁から2塁に追いやった選手ということになる。その時点で、1試合もMLBに出ていなかった選手になぜ、それだけ期待をかけることが出来たのか?

今、普通に入手できるSTATSで、アマチュア野球までフォローしているのはhttp://www.thebaseballcube.com/というサイトである。これでSTATSをまとめてみた。

EVAN LONGO

ロンゴリアは2006年ドラフトで全体の3番目でTBに指名されている。約1500人指名される中で3番目である。アメリカの大学野球は2月~5月、ドラフト会議は6月に開かれるから、入団を承諾した選手はその年のうちにマイナーリーグで野球ができる(良くできているなと思う)。

こうして20歳のロンゴリアは大学2年でプロに入ったのだが、STATSを見ればわかる通り、A-A+というクラスは短い期間で卒業している。AAでは多少足踏みをしたが、AAAに上がった時点では成績のいかんにかかわらず、翌年のMLB昇格は既定の事実になっていたようである。開幕時点でのロースター入りはならなかったが、4/12にデビューすると以後はDL期間を除いて3塁に座り続け、成績を残したのである。

マイナーにも打撃、投手のタイトル争いがあるが、プロスペクトの多くはそうした次元とは別に、マイナーの階段を駆け上がるのだ。

ロンゴリアの母校カリフォリニア州立大学ロングビーチ校の所属するNCAAビッグ・ウェストカンファレンスからは、2006年40人の大学生が指名されているが、今年の時点でMLBに上がったのはロンゴリアと2位のAカーペンターのみ(しかも1試合)。指名された時点ですでにプロスペクトだったのだ。

では、彼は2005、6年の大学野球での活躍で“発見”されたのか?実はそうではないようだ。ロンゴリアは、その前年にリオ・ホンドコミュニティーカレッジという公立短期大学で野球をしたのだが、このときの成績が抜群で、全米大学スポーツの最高峰、NCAAに所属するカリフォリニア州立大学ロングビーチ校に特待生で入学を許されたのだ。

ロンゴリアは、ロス近郊のウィッテリアという小さな町の、学生数30000人余り(その60%以上がヒスパニック)の地域住民が学ぶ無名大学にいるときに“発見”されたのだ。

OAKのビリー・ビーンGMのマネーボールは野球の様々な分野に革命をもたらしたが、こうした新人を発見する情報ネットワークもその賜物なのだと思う。

■後日談:ロンゴリアはそこそこの成績はあげたが、春先の勢いはなかった。ややモチベーションに欠ける印象があった2010年はどうだろうか?