【2009年6月6日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

以下は、NPB,MLB1960年以降の200勝以上投手をその達成年別に一覧にしたものである。

200-2

例えば、1980年代初頭の時点に立ってこの表を見れば、「先発ローテーションの確立や、リリーフ投手の整備などによって、NPB,MLBともに300勝投手は幻の存在となった」という論調になっただろう。

しかし、MLBでは1984年にWスパーン以来23年ぶりにスティーブ・カールトンが300勝に達したのを皮切りに以後、Rジョンソンまで10人もの投手が300勝に達している。対するNPBは、84年の鈴木を最後に300勝投手は姿を消し、200勝投手でさえ90年代以降は4人にすぎない(野茂を除き)。

MLBでは長年、300勝投手は、1920年代までの投手に限られていた。この時代は、1人の大エースが八面六臂の活躍をして30勝、40勝を挙げていた。以後、半世紀近く300勝投手がほとんど現れない時代を経て、80年代半ば以降、突如として草創期以来の「大投手の時代」が出現したのだ。その原因は何なのか。

恐らくは、300勝投手たちがデビューした1960年代初頭以降、MLBの投手起用法、管理法が大きく変わったことが大きいのだろう。それは前述のローテーションの堅持や先発とリリーフの分業だけでなく、投球数の制限や、調整方法等の管理も含まれる。MLB球団は「投手の肩」という有限の経営資源を最大限に有効活用する方法論を、ここ50年ほどで確立したのではないか。

(もう一つの要因として、非常に有効な変化球であるナックルが使われだしたこともあるだろう。200勝以上の投手の中にナックルボーラーがかなりいる)

日本式の調整法にこだわる松坂とBOS首脳との対立は、なかなか決着がつかないようだが、BOS側が松坂に譲歩することはないだろう。それは、こうした背景があるからだ。

NPBは、MLBほど徹底した投手管理を行っていない。だから、200勝投手はしばらく出そうにない。阪神の久保田や藤川など、酷使の果てに燃え尽きそうになっている投手を見るたびに、これでいいのかと思ってしまう。

■後日談:大投手の時代がなぜ終わってしまったか、もう少し追求したい。