毎度おなじみ、イチローのキャリアSTATSである。今回はオリックスのファーム時代の成績まで付けた。(特にテーマとは関係ないが)。またRC、RC27 もつけた。
今年、イチローはいくつかの賞を受けた。注目したいのはシルバー・スラッガー賞である。
この賞はバットメーカーのルイビルが与えている。各ポジションで最も優れた打者に与えられる。日本のベストメンバーに近い。グラブメーカーのローリングスが、ポジション別に最も優秀な野手に贈呈するゴールドグラブと対をなしている。この賞は各チームの監督、選手の投票で決まる。
イチローは2001年のMLB入団以来、9年連続でゴールドグラブを獲得している。しかしシルバー・スラッガーは、2001年、2007年に続き3度目。MLBの安打記録を更新した2004年でさえマニー・ラミレス、ゲレーロ、シェフィールドに阻まれ、獲得していない。
この事実は、イチローの稀有な打撃に疑問を抱く同業者が多いことを暗に示している。
それだけに、2度も欠場を経験した今年、シルバー・スラッガー賞を得たことの意義は大きい。
今年、イチローは例年よりも長打が多かった。OPSが5年ぶりに0.850を超えたのはこのためだ。また、敬遠数もリーグ1だった。打点46は、リーグ規定打者の中で下から2番目だが、これは、2009年のSEAの打線が極端に貧弱だったことが大きい。
同じリーグの選手、監督たちがイチローを「恐るべき打者」だと認めたのだ。それはSTATSだけでなく、実際に対戦した実感をも含めた評価だろう。
来年オフには37歳になるが、イチローは恐らくまだ晩年にはない。OPSが低いだの、大きいのが打てないだの、いろいろ叩かれるイチローだが、このシルバー・スラッガー賞をひそかに誇りに思っているのではないだろうか。
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単打なのにダメージ大。細いのに凄い肩。小さいのにでかい存在感。イチローのアンビバレンツな魅力は、メジャーリーグにたった1人の居場所を見つけました。いつの日か「イチロー賞」が創設される事でありましょう。
課題は、無死または1死3塁のケースで走者を帰せないこと。これはデビュー以来ずっとで、今年もあまり成功しませんでした。妙な山っ気を出して、セーフティバントしたりするクセも治らない。
こういう場面で、きっちり外野フライやゆるいゴロを打てるようになって欲しい。
アンビバレンツ、まさに言えて妙です。イチローの存在はMLBの人間にしてみれば、セオリーを覆す存在なのでしょう。セーフティバントと言えば、WBCでの失敗もありました。
しかし、イチローはここまでの成績を残しつつも、まだ未完成。素晴らしいではありませんか。