実は、結構気合をいれて、イチローの状況別STATSを表にしていた(表作りは楽しい!)。しかし、出来上がってみると、とても出せるものではないと思った。
結論だけ記しておく(2001年からの通算記録)。
ナイトゲーム.330 デーゲーム.338
ホーム.334 アウェイ.331
右投手.328 左投手.344
満塁.427 リードされて.328 得点圏.340 2死得点圏.353
無走者.331 有走者.336
ライトを守って.332 センターを守って.332
オールスター前.339 オールスター後.325
まさに金太郎飴状態。どんなシチュエーションでも3割を軽く超す打率。ここから見えるのは、近年ますます穴がなくなってきているということだ。円熟味を増したと言っても良い。
2009年で一番気がかりなのは、8月の故障以降、足が止まっていることだ。復帰した9月1日以降、イチローはSB2CS1、3Bも1本しかない。こと走塁に関しては消極的になっているのだ。
イチローの盗塁に関するSTATSを出す。

MLB移籍以来、常に盗塁王をうかがう数字を残してきたイチローだが、2009年ほど盗塁王に水をあけられた年はない。今年はクロフォード、続いてエルズベリーが春先にすごいスタートダッシュをしたために、追いかける意欲が減退したという部分はあるが、やはり秋以降のトーンダウンが響いている。
イチローだけではないが、盗塁と言うSTATSは、選手の意識が大きく影響する。その意欲は盗塁成功率ではなく企図数に表れる。2009年の1試合当たり企図数は.240、MLBに来てから最低だった。NPBでの最後の3年間は恐らくイチロー自身のモチベーションが下がっていたために、企図数は非常に少なかった。MLBに来て1年目に急速に増えるが、以降20%台後半にとどまってきた。2009年は8月に故障するまで.297だったのが、それ以降急落して最低の数字になった。
「これ以上故障してはいけない」と自重する気持ちが働くのは当然のことだ。しかし、多くの大選手は、盗塁や3塁打の数が減るとともにSTATSが下降していったものだ。
内野安打が減るなどの直接的な数字だけでなく、足を気にするあまり、積極性が失われることが大きいのではないか。ひいては、守備の積極性にもつながるのではないか。足の衰えは、モチベーションの減退につながりかねないのだ。
来季のイチローで注目したいのは、春先にどれだけ走ることができるかである。いつもの年同様に、塁上で油断も隙もない姿を見せてくれれば、我々もほっと胸をなでおろすだろう。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓
「日本人MLBプレイヤーの2009」カテゴリの最新記事
↑このページのトップヘ
コメント
コメント一覧
ところで盗塁に関しては、イチローが怪我を恐れてダイビングキャッチしないことを考慮すれば、足の故障が慢性化しそうになればさらに消極的になるのでは。シーズンオフのケアやトレーニングでどれだけ柔軟性を維持できるかにかかっているのではないでしょうか。
選手の「晩年」は、盗塁、三塁打の減少から始まります。特にイチローの場合、足で稼いできた部分が大きいので、足の衰えがSTATSに直接影響すると思います。そこが大きな懸念ですね。特に安打以外の「9年連続」が切れたことも、モチベーションに影響するのではないでしょうか。
そうか、福本はチームの大先輩でもありますね。記録にこだわりを持っているなど、通じる点が多いですね。福本は全盛期には長打力もあり、打者としても怖い存在でした。
37歳のイチローは、10年連続200本をモチベーションに、どこまで数字を維持できるかですね。