2007年でNYYの守護神、マリアノ・リベラは終わると思った人は多いのではないか。この年、WHIPが1.12に下落。ERAも3点台になり、並みのクローザーの成績になった。四球はめったに与えなかったが、被安打がイニング数とほぼ同じになった。特に開幕直後の4月後半、OAK、BOS相手に火だるまになったのはショッキングな映像だった。4試合で9安打9失点。6月、7月は持ち直したが8月にふたたび打ち込まれた。


不調の原因はただ一つ、カッターの切れ味が悪くなったのだ。


そのあと、リベラがどんな練習をしたのか、体のどこが改善されたのかはよく知らないが、2008年、2009年、完全復活を果たす。2008年、チームは不振だったがリベラの投球はさえわたった。なんとWHIPは0.67。開幕から2カ月で自責点1、25回で11安打2四球というすごさだった。2009年、4月5月はERA2点台とこの投手にしては良くなかったのだが、しり上がりに調子を上げていき、6月12日から8月9日までの21試合で自責点ゼロを記録する。打線好調なNYYが終盤に逆転し、リベラが上がるとあきらめムードが漂ったものだ。


好調の原因はただ一つ、カッターの切れ味が良くなったのだ。


この投手は斜め下にすとんと落ちる高速カッターしか投げないから、そうとしか言いようがない。まさに名人芸。2009年のWBCでは、ベンチに姿を現したが、ついにマウンドには上がらなかった。まさか「これが良かった」とは思っていないだろうが。


M-R


 41歳の誕生日を迎えるリベラである。今年もカッターの切れ味が良いかどうかはわからない。ただ、歴史に残る名投手の活躍は、それほど長く続くとは思えない。しっかり見ておきたいと思う。


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