田口のMLBでのキャリアは2009年で終わったようだ。Orixとの契約が間もなく結ばれる。丸8シーズンの挑戦は、NPBの標準的な野手がMLBでどれだけ通用するかの実験でもあった。

イチローと同期。イチローよりも4歳年上(つまり高卒と大卒の差)だった田口は、内野手として入団したが、強肩を活かして外野に転向、以後はイチロー、本西とともに鉄壁の外野陣を組む。しかし、その成績は、打撃面だけを見ると物足りない。俊足を活かした守備面での貢献を入れて一流選手だったと言えるだろう。
2002年、FAとなってMLBに。STLに移籍したが、イチローとは異なりマイナーから這い上がる形だった。当時、何度もマイナー行きを命じられた田口の報道に接した記憶がある。
田口の野球人生のクライマックスは35歳の2004年からの4シーズンだろう。至宝プホルスをはじめ、スラッガーが居並ぶSTLでレギュラーに近い位置を獲得していくのだ。
田口の持ち味は勝負強さにあった。得点圏打率はリーグ屈指と言ってよく、この一般的なSTATSに表れない強みがトニー・ラルーサの信頼を獲得したのだろう。センターでの守備範囲の広さも持ち味の一つだった。

田口はMLBでのAVG、SLG、OBPが少しずつではあるがNPB時代より上である。イチローや松井も含め、こんな打者は田口しかいない。田口はアメリカでの孤独な戦いの中でパワーアップを図ったのだろう。
2009年はAAAが主な活躍の舞台となった。田口の良さはラルーサ以外の指導者には理解されなかった。AAAでもMLBと大差ないSTATSを残す。ベテランではよく見られることだが、自己主張するのではなくチーム内での持ち場を自覚し、その仕事をきちんと果たそうとするからだと思う。
引退ではなく、Orixでさらにキャリアを積むというのは喜ばしい。レギュラー定着を目指してがんばってほしい。
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コメント
コメント一覧
NPB時代とMLBでは大きくフォームを変えています。
高重心で軽く打っていたのが、低重心でしっかり振りぬくスィングになったような気がします。特に2006年のNLCSでメッツのワグナーから打った本塁打が印象的でした。
※手前味噌ですが、私の友人が担当している田口選手のオフィシャルサイトです。一度覗いてみてください。
http://www.taguchiso.com/
毎日毎日田口のメールを楽しみにしていました
シーズンが終わりメールが終わってしまうとゲッソリしました
マイナーからメジャーにあがった時
メジャーでヒットを打った時
本当にうれしかったです
私はメジャーに挑戦する人が大好きなんですが
特に田口への思い入れは強いです
ジョーや井口の日本復帰は本当に悔しいし残念です
未だにメジャー復帰を願っています
監督手形だとか100%レギュラー確約などという
アホみたいな契約はほんとアホらしいです
おそらくマイナーからもオファーがないのだと思います
その結果がオリ復帰だと思います
ヌクヌクとったレギュラー田口などみたくはありません
這い上がるレギュラーがみたいのです
私は田口壮をリスペクトしています
これからも期待しています
なんだか田口さんと決別する
田口さんへの最後の手紙みたいになりました
適応するために進化したのでしょうね。STATSが美しくすら見えます。
田口は野球エリート校出ではないし苦労が身についているというか。
大人の対応とは、自分の能力を貶め妥協することではないということを証明してくれました。NYYの日本人マイナー最多勝SPさんにも見習ってほしいなあ。
田口壮のオフィシャルサイト、楽しみに読んでました。もうアメリカからの通信が読めなくなるのはさびしいですね。仰る通り、田口は「手を伸ばせば届くところにいる」選手だという感じで、それだけに大男に伍して奮闘しているのが気になりました。
オリックスに行ったのは、結局キャリアの最後を締めくくるためでしょう。ただ岡田監督の選手起用には、いつも?を感じますのでやや心配です。彼は日本でコーチなんかにならずに、日米をまたにかけて活躍してほしいです。
関学出の野球選手と言えば、他には阪神の谷村くらいしか思い浮かびません。ただ野球選手の良さは光っていたようですね。イチローがプロで最初に目標にしたということですから。
もう一度彼の外野守備を見たいと思います。2010年は神戸に行こうと思います。