MLBとNPBの大きな違いの一つに、公式戦の地方開催がある。MLBでも日本などで開催したりすることはあるが、例外中の例外。MLBの公式戦を見たいと思えば、普通は本拠地に行くしかないのだ。しかしNPBはかなりの比率で地方で公式戦を開催している。調べてみると良く分からないことが多い。
今季は両リーグで76試合が、本拠地球場以外で開催された。
その一覧。入場者数。雨で流れた試合も載せた。

巨人は、かつては札幌シリーズが良く知られていたが、今は関西、中部、北陸、東北とばらばらである。平日の開催であることもあるだろうが、入りはひどく悪い。
8勝1分と全く負けていないのは大したものだ。
阪神の京セラは「春夏の高校野球」対策。京セラでやるようになってから、死のロードはなくなった。実質的には沖縄での2試合のみ。やはり入りは良くない。
中日は中部、北陸で4試合。4敗とチームもさえないが、入りも半分以下。平日と言うこともあろうが、中日の不人気は相当なものだと思う。
DeNAは東海地区と新潟。このチームも勝っていないが、興行的には健闘している。
ヤクルトは、昔から松山でシリーズを行っている。あとは静岡、秋田、長野。入りは神宮よりも良い。
パリーグ、楽天は東京ドームで1試合だけやって、入場者を荒稼ぎしている。あとは東北エリアで本拠と大差ない入り。
西武は、申し訳程度に大宮で2試合。埼玉県から出ていない。
ロッテはQVCマリンスタジアム以外では主催試合をやっていない。長期低迷傾向が続く中、消極的にも見える。
ソフトバンクは、東京ドームで1試合、あとは九州。入りは良いが器が小さいので入場者数はかなり少ない。
オリックスは、2007年まで神戸と大阪のWフランチャイズだったが、以後は大阪に一本化。しかし神戸で13試合している。実質的には地方主催試合はない。入りも大差ない。
一番大変な移動をしているのが日本ハム。かつての本拠、東京ドームに加えて北海道各地を転戦している。この移動は大変だ。日本ハムは千葉の鎌ヶ谷に二軍があり、まだ片足を関東においている印象がある。それもあって、こういう中途半端なことになっているのだろう。
ずっと本拠を動かない千葉ロッテと日本ハムでは、移動距離もかなり違うはずだ。


地方試合を開催するかどうかは、球団に委ねられているようだ。
本拠地球場より小さい地方球場での興行は、ビジネス的にはマイナスだ。営業政策として考えるなら、その地方でのファンの醸成の機会とすべきだ。
主催試合の前には、プロモーションを行って、動員率を上げ、チームへの関心を高める機会にすべきだと思う。それが遠隔地からの来場者の増加や、グッズなどの販売、TVの視聴率アップにつながるはずだ。
しかし今の地方試合は、「昔からやっているから」「断れないから」やっているとしか思えないものが多い。
入場者数が少ない球団は地方試合を好機にすべきだ。
もう一つ付け加えるなら、独立リーグを前座試合にするなど、彼らを支援してほしい。女子野球とは少しそういう試みが見られたが、四国、BCリーグとのつながりを強める機会にしてほしいと思う。
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巨人は、かつては札幌シリーズが良く知られていたが、今は関西、中部、北陸、東北とばらばらである。平日の開催であることもあるだろうが、入りはひどく悪い。
8勝1分と全く負けていないのは大したものだ。
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中日は中部、北陸で4試合。4敗とチームもさえないが、入りも半分以下。平日と言うこともあろうが、中日の不人気は相当なものだと思う。
DeNAは東海地区と新潟。このチームも勝っていないが、興行的には健闘している。
ヤクルトは、昔から松山でシリーズを行っている。あとは静岡、秋田、長野。入りは神宮よりも良い。
パリーグ、楽天は東京ドームで1試合だけやって、入場者を荒稼ぎしている。あとは東北エリアで本拠と大差ない入り。
西武は、申し訳程度に大宮で2試合。埼玉県から出ていない。
ロッテはQVCマリンスタジアム以外では主催試合をやっていない。長期低迷傾向が続く中、消極的にも見える。
ソフトバンクは、東京ドームで1試合、あとは九州。入りは良いが器が小さいので入場者数はかなり少ない。
オリックスは、2007年まで神戸と大阪のWフランチャイズだったが、以後は大阪に一本化。しかし神戸で13試合している。実質的には地方主催試合はない。入りも大差ない。
一番大変な移動をしているのが日本ハム。かつての本拠、東京ドームに加えて北海道各地を転戦している。この移動は大変だ。日本ハムは千葉の鎌ヶ谷に二軍があり、まだ片足を関東においている印象がある。それもあって、こういう中途半端なことになっているのだろう。
ずっと本拠を動かない千葉ロッテと日本ハムでは、移動距離もかなり違うはずだ。
地方試合を開催するかどうかは、球団に委ねられているようだ。
本拠地球場より小さい地方球場での興行は、ビジネス的にはマイナスだ。営業政策として考えるなら、その地方でのファンの醸成の機会とすべきだ。
主催試合の前には、プロモーションを行って、動員率を上げ、チームへの関心を高める機会にすべきだと思う。それが遠隔地からの来場者の増加や、グッズなどの販売、TVの視聴率アップにつながるはずだ。
しかし今の地方試合は、「昔からやっているから」「断れないから」やっているとしか思えないものが多い。
入場者数が少ない球団は地方試合を好機にすべきだ。
もう一つ付け加えるなら、独立リーグを前座試合にするなど、彼らを支援してほしい。女子野球とは少しそういう試みが見られたが、四国、BCリーグとのつながりを強める機会にしてほしいと思う。
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コメント
コメント一覧
槇原の完全試合とか、どちらも名シーンが多かった印象があるだけに、少々残念です。
地方開催は、普段よりキャパが小さい球場での開催を余儀なくされるので、もともと球団単体としてのビジネスと捉えればマイナスになるのは必至でしょう。
それがまかり通っていたのは、ひとえに親会社の事業拡大を担ってのことだったと思うのですが、ドラゴンズのような新聞社という斜陽産業ではいまさら新しい市場を開拓する意味としても乏しく、ご指摘のように、無意味な地方開催は減らしてもいいのではないかと思います。
ただ、ソフトバンクのように、九州一円にネットワークを持っているチームなどは、ある程度地域を限ったうえで地方ゲームをやることは悪いことではないでしょう。北海道、東北も同様だと思います。
ドラゴンズも東海地区をほぼ独占しながらこの有様なのは、現代人には最も嫌われると言われる「上から目線」の殿様商売が長年続いたからでしょう。ナゴヤドームに観客が入らないのも、断じて監督のせいではなく、そのような営業方針を地元民に見透かされているからにすぎません。
こんにちは。大阪に一本化したオリックスですが、今なお中身は、神戸は準フランチャイズという位置づけでしょうね。この中途半端なジレンマが、本来なら地の利で有利なはずのホームゲームの戦績を悪化させている一因のようにも思えてなりません。(京セラドーム24勝33敗2分)
楽天は昨年12月から東北ろっけん運動をスタートさせています。真の「東北の球団」を目指してという趣旨で、今年は青森開催こそ叶わなかったですが(2軍戦では実施)、久々に山形開催も実施できましたし、雨天コールドもありましたが、良かったと思っています。
というのは、広尾さんもお読みになった『日本プロ野球改造論』。141頁で楽天の中の人が「東北全域でのファン獲得はまだまだできていないのです。来場者を見ても85パーセントが宮城県。他県からの来場者は1割強しかいません。その点では開拓の余地はありすぎるほどにあるといえます」と語っているんですよね。(私のブログも宮城県からのアクセスがダントツで、他東北5県は思ったほどありませんし) 球団歌の歌詞に「竜飛岬から磐梯山」と出てくるような広い支持を集めていくには、地方開催は必須でしょうね。
そうでないところもあるでしょうけど。
神宮で一定の集客が見込める巨人戦を、ここ数年は毎年3~4試合は東日本の近県の地方開催に移し替えています。要するに、巨人をエサにしてヤクルトの試合を見てもらうのが目的、というわけです。
なぜか巨人主催のヤクルト戦も同様に地方開催が多く、最近ではこのカード全24試合のうち1/3が地方ゲームという年も珍しくありません。
互いに近くに本拠地を持つ球団同士、「ビジターファンの観戦機会確保」を配慮する必要がないため地方開催を優先的に巨人戦(ヤクルト戦)に振るのかな、などとも思ってますが、これは個人的な予想です。
ヤクルト、巨人、DeNAといった東京キー局との繋がりを持つ球団は、開催地の系列地方局を利用して、試合の1ヶ月ほど前から歓待ムードを作って当日を迎えるなどしていますね。
マスメディア系球団の立場が上手く機能している、数少ない例だと思います。
地方開催の意味合いは12球団それぞれ違うと思います。
巨人は「吉村・栄村事件」で有名な毎年の札幌円山開催や
「クロマティ・宮下事件」の九州シリーズあたりまでは
結構巡業をしていましたが、第2次長嶋政権あたりだったでしょうか?
一気に地方開催が減り、しかも1軍のホームゲームは
全試合ナイターという年すらありました。
しかし近年は危機感を覚えたのかかなり増えていますね。
世情に敏感な球団といえます。
阪神はかつては西京極、岡山(後に倉敷)等で
よく開催していましたが甲子園がドル箱と化してからは無縁ですね。
広島は昔から他球団の地方開催についていくイメージがあります。
中日は周辺都市と、名鉄グループが多い(?)北陸開催が定番ですね。
横浜DeNAの今年急に始まった郡山開催は、
監督の出身地からの要望でしょう。
平塚は長年2軍の本拠地として使われていた経緯があり、
静岡もかつてのキャンプ地だったところでした。
大洋時代は漁港の町で開催することが多かったですね。釧路とか。
ヤクルトは確か、松山で現役時代の池山らが自主トレを必ずしていたり、
その後主軸となる岩村が宇和島東から入団したりと
縁ができていったとかだったと思います。
秋田も同様にエース石川の出身地ですね。
神戸、岐阜はラジオ日本のジャイアンツ戦をネットしてくれる地元へのお礼、東北は地震被災地へ試合ってのがあるのでしょう。
タイガースの那覇の試合(今年が初の開催です、今年、倉敷が無くなったのもあるでしょうが)はキャンプ地へのお礼、京セラドームが満員にならないのは、甲子園と購入体系が異なるので、通年で買ってない人が行かないからでしょう。
ドラゴンズは中日新聞の発売地域です。売ってるのに開催しない滋賀は、皇子山に長らく照明がなかったからでしょう。大津はタイガースの領分でしょうし。
カープ、ベイスターズ、ライオンズはホームの近く、スワローズが販路拡大なのでしょう。
イーグルスは東北五県(青森は開催してませんが)への普及、ホークスも九州各地への普及ですけど、宮崎はアクセスが悪くて無理と言ったところでしょうか。
オリックスはかつての本拠地だけに入りが悪くても止められない。
ファイターズもかつての本拠地+移動の便なんでしょう。当該もしくは前後のカードにイーグルスが絡んでいます。札幌~仙台の空路の本数が少ないからでしょうか。
それと、ファイターズの二軍は移動距離を少なくするために鎌ヶ谷に置かれています。
それと、独立リーグが前座試合をしたらNPBに毒されませんか?
チケットを共通にするのかどうかで、収入が変わってきて揉めそうですし。
こちらの要素にプラスして、
地方の子供たちにプロのプレイを目の当りにして欲しいので、地方開催を増やして欲しいと思ってます。少子化に歯止めがかからないなら尚更、少しでもプロ野球選手になりたい子シェア拡大の方も気にして欲しいと願っております。
あと台湾での試合もやって欲しい。長い目のNPB営業活動ということで。
しっかりマーケティングする気がないなら、やめた方がいいでしょうね。単に観客動員数を落としているだけですから。
興行売りとして採算が採れたとしても、将来性が感じられません。
私は行いたい球団は行えばいいし、する気のない球団はしなければいいと思っております。
それは意見ではないんでないかい。
球団側の思惑が何であれ、地方の野球ファンにとって地元での観戦機会は嬉しいでしょうし、
12.パセリ様も言われるように子供たちにとっては貴重な経験でしょう。
「やめちまえ」なんて気軽に言えるのは、
日帰りでNPB球団の試合観戦に行ける場所に住んでるからではありませんか。
そのとき主催に名を連ねるのが、
日本テレビ系列の地元TV局ではなくTBS系列の地元TV局なのです。
なぜなら、その日本テレビ系列の地方TV局は、
この地方最大シェアの地元新聞社と同一グループなので。
つまり、主な目的は読売新聞の販売促進だと推察します。
近年絶対数が落ち込み続ける新聞のために、
こんなところまで来ているのでしょう。
契約のおまけといえばチケットが定番でした。
いまもそうなのかは知りませんが。
もちろん球団、NPBのため、もあるのでしょうけど。
オープン戦と公式戦の違いがあるとはいえ、そんなことを思いました。
やめちまえとは言っていませんが、動員状況を見ると地元が楽しみにしているとは思えません。球団も気合が入っているとも思えない。やるならしっかりやるべきでしょう。
楽しみにしている客はいるでしょうが、閑古鳥が鳴いては仕方がないでしょう。
興行主の心配ではなくて、NPB発展に貢献していないと思うので。
地方開催だと年間指定席がないので、ネット裏席で観戦することができて、大変貴重な機会です。
去年私が見に行った西武対日本ハムは平日にもかかわらず収容人員15200人に対して14991人くらい入ったという記録が残っています。この時は試合開始直後ギリギリに行ったら、ネット裏の上から2列目しか席が取れませんでした。
閑古鳥が鳴こうが、全試合雨天中止になろうが、これをきっかけに、数十部でも購読が増えれば何処かの誰かの面子が立つのでしょう。
落合解任も、落合の顔も見たくないという高齢者層の解約が増えたためという説も聞いた気がします。まだ、観客数減が理由のほうがましですね。
読売・中日と他のチームとでは、根本から地方試合の開催意義が違うように思います。
「主催試合に張り合える程度の観客数がいないと」興行として失敗、という前提を置かれているように見受けられます(私の読み違いでしたらご指摘ください)。
これは、NPB球団がない程度の規模の都市においては高望みだろうというのが私の考えです。
「滅多にないプロ野球だから、盛り上がって然るべき」との考えは私も持たないわけではありませんが、各都市の規模、交通事情を勘案すると、3万は夢物語だと思います。
プロ野球が社会的財産であるなら、郡山、旭川、松山レベルの規模の都市で、いちどきに2万人近くが訪れるイベントから撤退するべきではありません。
収容率にしても、そもそも国体のために作られたり、バブル時代の産物だったりする地方のスポーツ施設が、「その都市のキャパシティを考慮したもの」とは限らないのは知られています。
W杯のために地域に分不相応なサッカー場を作ったのと、多少規模は違えど似たようなものでしょう。
球団にとって地方試合のメリットって一体なんなのでしょうね?
ファン拡大といっても、そもそも地方で、自チームのファンを獲得したところで、球団にとっては、さほど得るものがあるようには思えないのですが...
実際のところ、親企業の宣伝目的という側面が勝っているように思います。
むしろファン拡大というならば、NPBが統括して戦略的に地方試合を組むとか、発展的な方向でやるべきでしょうね。
とはいえ、今のNPBにそんな期待をするのも酷な話ってのが、なんとも虚しいところですが...(笑)
地方開催がMLBにないNPBの長所となってほしいと思うし、そのためには皆さんおっしゃる通りNPBがちゃんとしたビジョン、戦略をもって進めるべきと思います。
春先の寒い時期は九州・四国・沖縄で多く組むとか、梅雨時は(梅雨のない)北海道で交流戦をやることで試合消化ペースをそろえるとか、定常的に台湾・韓国でも開催するとか、色々なアイディアがあり得るかと思います。
また、地方開催をその地域の人が見るものと限定する必要はなく、その地域に国内外から観光客が来るためのツールとしてとらえ、各自治体や旅行関連業者と連携するのも一案と思います。
私は今年のGWに巨人の今期最低入場率(48%)の岐阜長良川球場で観戦し、初めて泊まった岐阜で岐阜城等を観光したりしました。
野球観戦と併せて地域の美味しいものや観光地をアピールするのもいいし、そういう観戦ツアーにその地出身のOB解説者がアテンドしたりするのも面白いのではと思います。
思いつきばかりで恐縮ですがきりがないのでこのへんで。
おっしゃる通りです。
「地方を大事にするアメリカ。それに比べて日本は…」と。
例え満員に出来なくても楽しみにしてるファンがいる
それだけでもいいのではないですか
ファンサービスの一環でしょ
仮定の話にには答えられません。失礼ながら、言葉の遊びレベルだと思いますが。
楽しみにしているファンがいることと、今論じている球団の経営レベルのことは別の次元です。