昨日の田中将大はギアが入らなかったような感がある。しかし、それもやむを得ないと思う。
2点を取ってもらって、5回裏、少年時代からのライバル、坂本勇人に左翼オーバーの二塁打を打たれ、ロペスに本塁打を打たれて田中の顔は蒼白になった。
いつもならここで155km/h近い速球を手の出ないコースに投げるはずの田中が、寺内、長野に連打され、亀井を歩かせる。さらには高橋由に中前に運ばれて3失点。
6回裏も村田に二塁打され、坂本の当たりは遊内野安打、ロペスの三ゴロで加点された。
味方が菅野に3安打しか打てなかったために、2点のビハインドを挽回することはできず、田中に黒星がついた。
恐らく心身ともに限界に達していたのだろう。
残念ではあるが、田中の今後のキャリアを考えれば良かったとも言えよう。
日本での連勝記録を持ったままアメリカにわたり、日本の安物マスコミが「日米通算連勝記録」を騒ぎ立てるのは田中にとって迷惑以外の何物でもないはずだ。松井秀喜も連続試合出場記録を継続したまま海を渡ったことで、ヤンキースの選手起用に無理が生じていた。
また「負ける味」を久しく味わわないままステージを変えるのは、メンタル的にも良いとは思えなかった。
田中はこの1敗で責められる筋合いは全くない。たった一人で24もの勝ち越しを稼ぎ、チームを優勝に導いたのだから。
田中の連勝記録

公式戦、ポストシーズンを通じて38試合もの間、田中は負けなかった。それだけではなく救援登板の2試合を除いてすべてQS。先発投手の責任を果たし続けた。
シーズン最後、そして恐らくはNPB最後の試合で力尽きたが、この偉業はそれによって些かも色褪せるものではない。
連勝中、2013公式戦、2013通算での成績。

ポストシーズンに入っても田中は高いクオリティを維持していたが、平均援護点(RSA)が急落。ついに黒星をつけるに至った。
ただ完投にこだわって160球を投げ切ったのは余計なことだった。恐らくは責任感もあって、そのようにしたのだろうが、1年間の投球数は3404球。田中がかつて経験したこともない球数に上っている。来季への影響が心配だ。


田中はこの一敗を機に「勝ったり負けたりする」普通の投手に戻ってほしい。
そして新たなステージに挑戦して欲しい。
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6回裏も村田に二塁打され、坂本の当たりは遊内野安打、ロペスの三ゴロで加点された。
味方が菅野に3安打しか打てなかったために、2点のビハインドを挽回することはできず、田中に黒星がついた。
恐らく心身ともに限界に達していたのだろう。
残念ではあるが、田中の今後のキャリアを考えれば良かったとも言えよう。
日本での連勝記録を持ったままアメリカにわたり、日本の安物マスコミが「日米通算連勝記録」を騒ぎ立てるのは田中にとって迷惑以外の何物でもないはずだ。松井秀喜も連続試合出場記録を継続したまま海を渡ったことで、ヤンキースの選手起用に無理が生じていた。
また「負ける味」を久しく味わわないままステージを変えるのは、メンタル的にも良いとは思えなかった。
田中はこの1敗で責められる筋合いは全くない。たった一人で24もの勝ち越しを稼ぎ、チームを優勝に導いたのだから。
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連勝中、2013公式戦、2013通算での成績。

ポストシーズンに入っても田中は高いクオリティを維持していたが、平均援護点(RSA)が急落。ついに黒星をつけるに至った。
ただ完投にこだわって160球を投げ切ったのは余計なことだった。恐らくは責任感もあって、そのようにしたのだろうが、1年間の投球数は3404球。田中がかつて経験したこともない球数に上っている。来季への影響が心配だ。
田中はこの一敗を機に「勝ったり負けたりする」普通の投手に戻ってほしい。
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コメント
コメント一覧
技術的なことはよくわかりませんが、メジャーでは、フィジカルの維持とボールとマウンドへの適応がうまくいくことを祈ります。
これにより中4日となる日本シリーズ初戦を自ら申し出て回避し、
第5戦は中3日なので投げられず第6戦も中5日と皺寄せが来てしまいました。
今夜と今年の結果がどうなるかは分かりませんが、こうした「最後は田中で」という情の采配が
過去3度の日本シリーズや北京五輪で苦汁を嘗める一因になったのは確かだと思います。
>ただ完投にこだわって160球を投げ切ったのは余計なことだった。
これには同意です。
救援陣への信頼度や則本が79球を投げて中1日だった影響もあるのでしょうが。
その160球目で152km/hを出す田中も凄いですけどね。
こういう日もある。
だが星野監督の采配・言動には疑問しかない。
結果論だが、継投を駆使してチームのリズムを鼓舞する方法もあったはずだし、100球越えのマー君の力投に期待するだけでは指揮官としての仕事を放棄したとしか見えなかった。
また球数を考えず続投させた上に投手交代をマー君任せにした様な試合後の勝負を度外視した発言。
オマケにまだシリーズは終わっていないのにマー君への惜別の言葉(に聞こえる)を話し出す有様。
原監督が「明日は決戦!」と気合いを入れ直すのとは対照的。
マー君の圧倒的な記録に指揮官も縛られていたとしたら残念だし、それで采配が鈍る様なら勿体無い。
こうなりゃ再度美馬の快投に期待するしかない。
すまんのお!頭悪いけん。
田中神話にチームも本人も敗けたと言うところでしょう。
ポストシーズンは関係ないですよ。公式には24勝無敗です。
6回に4点目取られて第6戦を落とすことが濃厚になった時点で
田中を最後まで投げさすしか選択肢がなかったと思います
今日使える投手を一人でも多く確保するにはこれしかありません
星野は替えようか田中に言ったそうですが
田中自身もそれをわかってて最後まで投げたのでしょう
しかし2点差を絶望的にさせる巨人の中継ぎもまた凄い
マシソンと山口はまるで打たれる気がしません
無敗超人のマー君を相手に、序盤であっさり2失点したときには、仙一の胴上げのイメージが鮮やかに脳裏に浮かびましたが、いやー、野球は面白いですね。
NPB最終登板のマー君を打った坂本、おめでとう。少年野球でバッテリーを組んでいたこの2人、次に対戦するときはMLBの舞台なのか。坂本は今でも一流ですが、マー君の高みを目指してほしい。
マー君は過去にMLBに渡った日本人投手と比べても、実力は申し分ありません。向こうのボールやマウンドにアジャストできれば、MLBでもエースになれるはずです。
昨日の160球。MLBのスカウト達は冷や汗をかいたことでしょうが、9回表のピッチングに感動した自分がいます。
こんにちは。
>ただ完投にこだわって160球を投げ切ったのは余計なことだった。
皆さん160球完投に批判的ですが、あの場面、田中の強い意向があれば、誰も止めることはできないでしょう。試合後、指揮官のコメントにもあったように、NPB最後のマウンドになるはず、そういう思いもあったでしょうし、チーム事情でいえば、あのビハインドの展開、これ以上の失点をさせない・流れを変えて好転させるには、ブルペン陣に不安を残す台所事情です。田中以外に考えられなかったというのも実際ですから。(まだ今日が残っていますが)田中と心中せざるをえないようなチーム体質にしてしまった点は、首脳陣の責任と言えるでしょう。
確かに、私も来季への影響は強く心配しています。ポストシーズンの423球も、近年ない球数の多さなのでは?と思います。WBCの97球を入れれば3500球超えてきています。とっても心配ではあります。
明暗分けたロペスの同点2ランですが、結果球はスプリットの失投でした。
私は2010年シーズンから結果球の球種の記録をつけていますが、2010年以降、相手打者が田中のスプリットをスタンドまで運んだ例は、ロペスが初です。
そういう意味で顔面蒼白、一気にガタついたのでしょう。
2009年は記録つけていないので憶測ですが、もしかすると、8連敗中の只中、7/3西武戦、2-0で2点リードした8回、中村剛也に浴びた同点2ラン(その後、打ちこまれて2-11の逆転負け...)以来かもしれません。このときの結果球、縦スライダーかもしれませんが、球団オフィシャルサイトではフォークの記載ですから。この時も顔面蒼白だったこと、今なお鮮明に覚えています。
これはもったいないことをした。
決めつけは良くないですね「昨日の巨人は田中のかませ犬」になると思っていました。
田中にとってはへんなNPB記録を引きずらないことになってよかったのかも。松井は連続出場記録にこだわった結果がヒザの怪我に繋がったのかなと思っています(ジーターでさえ全盛期フル出場しないのに)。
田中には「郷に入れば郷に従え」で、少ない球数でイニング投げられるようになってもらいたいですね。
フリースィンガーには今の投球で通用するでしょうが、クレバーな打者(カブレラみたいな)、80%くらいの力でスィングする打者には苦労するような気がします。それをどう乗り越えていくか楽しみです(もうMLB移籍を決定事項にしてしまった)。
高校野球でよく聞くセリフをプロの監督から聞くとは思いませんでした。もちろん悪い意味でです。
一見エースへの信頼という「情」の采配に思えますが、その実他の投手への不信の裏返しという「打算」であります。こういう主力をつぶしてでも結果を出そう、という起用法はまったく好きになれません。
今日の第7戦、展開によっては田中・則本を投入しそうなのが怖いです。
接戦を期待しますが、彼らの為には大差がついた方がいいかもしれません。
160球は異常です。
北京五輪が好例ですが、星野仙一という人は、特定の選手と心中する傾向が昔から強い人です。ドラゴンズ時代もつぶされた選手が何人もいますし、ドラゴンズファンの中のアンチ星野の大半が最も嫌う理由がそれなのです。
ですから、大差がついたらついたで(特にリードの場面では)、田中、則本両人を投入することにいささかのためらいもないと思います。本人たちがやる気のようなので、既に免罪符を確保したといえるでしょうからね。
ただ、その日が日本シリーズを制するかどうかの日だったので大騒ぎ(特にネット上のジャイアンツファンが)しているからなんでしょう。
160球、田中自身は敗戦処理も兼ねて投げていたような気がします。
NPB記録は木田勇の209球だったと思いますが、4年前の涌井が何度かやっていたかな?
骨折しながら投げたダルもそうなんですが、当人はイケると思っちゃうんでしょうね。
後は、きっちりケアして欲しいと思うばかりです。
今日もベンチ入りしてはいますが、流石に投げることはないと思いますよ。
WBCで一戦必勝にはモラルが非常に重要と学んだので、昨日さんざん投げた神の子が
ベンチで声出ししているのは、それだけで結構な効果がありそうです。
だが、登板してしまいました。
だが、なんとか抑えてしまいました。
勝ったことで、この采配が美談調に仕立てられることも含めて憂鬱です。
おそらく田中投手はポスティングでメジャーへ行くのでしょうが、この起用はまるでヤクザの禊に思えます。星野氏は以前から好きではありませんでしたが、大嫌いにになりました。
結果オーライになったとはいえ、これを美談にしちゃダメでしょう
田中投手の肩肘はもちろん、学生野球への影響も気になります
某掲示板で先程見たネタ
○甲監督「安楽、昨日のマー君を見たか?これがエースだ!」
全くですね、見通しが甘かったです。
解説席の古田・工藤もコメントに困ってました。
恐らくこちらでも記事で取り上げられるでしょうけど、
戦略的に意味の薄い演出は反対です。ヘタすれば逆転されてました。
これはトーナメントです。あてにならない中継ぎを投入するなら最良の投手を投入するのが作戦でしょう。
最善手は則本3イニングだったのでしょうが。
まずはshibakawa様、おめでとうございます。
結局今年は「田中将大の、田中将大による、田中将大のためのシーズン」だった、という言葉が自然に思い浮かびました。
いきなりトミー・ジョンじゃ洒落にならない。
しかし、星野監督の投手起用はいつの時代の用法だろう?
1980年代の起用法?
くっち~さんのおっしゃる「あてにならない中継ぎを投入するなら最良の投手を投入するのが作戦でしょう。」は西武広岡監督が東尾投手を毎試合試合の終盤で投げさせていました。
巨人藤田監督も前日リリーフした西本を翌日先発させたりとか。
則本の起用に関しては、おっしゃる通りと思います。
「今年の」優勝という目標に対しての作戦としては一理あります。
ただ、その代償として、選手生命を削るリスク、来年以降の戦力を削るリスクを払っている訳です。ここが好きになれない点です。
「選手生命が数年削られるリスクを負っても、優勝の為なら無理をすべきだろうか」という問いに、是と答えるか否と答えるかと言い換えてもよいかもしれません。
監督は「選手が是と言ったから」と起用を正当化するかもしれません。しかし、リスクを負うのは選手なのです、監督ではありません。そして、優勝監督の栄誉、リターンを得るのは監督であります。
ただ、万年2位でだらだら続けるより、1度しか無くとも優勝を目指すのが、アスリートの本能ではないでしょうか。
このシリーズにおいて、則本をこのように使ったことは、勝負という観点では見事な作戦でしたが、ドラゴンズ時代の若いリリーフピッチャーのように潰れなければいいと思います。
レギュラーシーズンからの起用法と最近の信頼度、球数と登板間隔を考慮した上で日本シリーズ限定起用ということなら納得できます。
リスクはいつでも生じるものですし、それを明らかに高める程の酷使とまでは思いませんでした。
田中は議論の余地無く酷使(本人の希望であるならば投げさせ過ぎ)ですけどね
星野監督、改めて敬意感持てません。(いじめに近いと思う) 田中投手には、思い切り身体のケアをして欲しいです。
あの雄叫びは、NO!とロペスから学んだことはMLBへの収穫でした。
ありがとうございます。
それにしても、160球翌日のリリーフ起用には正直ガッカリさせられました。だったら昨日の160球はいったいなんだったのか?
則本も来季が心配です。今季の釜田のようなかたちにならなければと祈るのみです。
さておき、160球越えの記録についてコメントで質問があったので、書き記しておきます。
2000年以降です。
松坂大輔6回(最多171球)
涌井秀章4回(最多164球)
新垣渚4回(最多168回)
一場靖弘3回(最多178球)
和田毅2回(最多166球)
具台晟1回(最多164球)
木佐貫洋1回(最多162球)
ダルビッシュ有1回(最多165球)
有銘兼久1回(最多188球)
田中将大1回(最多160球)
犠牲になる選手がいたとしても仕方がないという視点で野球してますからね
それが勝利への最善策なのだから仕方ないというのはひとつの考えでしょう、良いか悪いかは別の話ですが
有名なのは仰木監督が率いたオリックスの平井でしょうかね
仰木監督自身が平井が潰れるだろうことがわかってて
それでも勝つためには使うしかなかったと生前語っていたそうです