誠にタイムリーで素晴らしい政策だと思う。
日刊スポーツより
パ・リーグ6球団がリーグ振興を目的に設立した共同事業会社のパシフィックリーグマーケティング(PLM)が来季、台湾のテレビ局にニュース用に試合の映像を提供することで基本合意していることが25日、分かった。条件面など詰めの交渉を続けている。
台湾では3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンドで日本と延長戦を演じた。敗れはしたが、この試合などをきっかけに日本のプロ野球人気が高まっているとされ、PLMではファンの拡大を目指す。
実に喜ばしい。
台湾の新聞のスポーツ面を見ると、CPBLの話題の次にNPBの話題が載っている。
先週、私が買った新聞より。

アジアシリーズでサムソンが敗退した記事の下に、今季NPBを戦力外になった林威助、許銘傑の去就の話題が掲載されている(ちなみにこの日の試合について、サムソンの八百長疑惑が取りざたされている)。
また11月には陽岱鋼が野茂英雄とともに子どもたちへの野球教室を開いた。陽岱鋼は、少年野球のトーナメント大会の表彰式に出席したことも報じられた。
陽岱鋼は、すでに台湾では英雄のようだ。
こういう状況を見れば、ちょうど日本人がNPBからMLBに挑戦した選手に注目するのと同じだと思うかもしれないが、台湾の場合、それだけではない。
シーズン中、台湾では、ダルビッシュや黒田、岩隈などNPB出身のMLB選手の動向が、かなり詳しく報道されるのだ。
王建民が元気なうちは彼の話題が一番だったが、今は同じアジア人の代表として、日本人選手の動向に注目が集まっている。
アジアシリーズでも楽天の選手たちへの注目は高かった。統一と楽天の試合の終盤、ブルペンに田中将大が姿を現すと、一塁側のファンは雪崩を打ったようにフェンスに集まった。彼の雄姿を一目でも見たい、写真に収めたいというファンが、駆け寄ったのだ。
台湾では、NPBは兄貴分のリーグとして親しみと尊敬の念を持って受け入れられているのだ。
これまで、台湾ではMLBの試合は映像でかなり見ることができたが、NPBの映像はほとんど流れなかった。台湾の人々はNPB出身のMLB選手に注目していたが、NPBの選手のプレーを見る機会は多くなかったのだ。
遅きに失したとさえいえるが、NPBの試合の様子が台湾でも見ることができることで、さらにファンが増えるのは確実だ。
一部のNPB関係者のように「海外の試合が流れたら国内のファンを取られる」という懸念を示す人はあまりいないだろう。
CPBLはNPBよりもはるかに弱体だし、ライバル関係とは思われていない。前述のように「尊敬すべき兄貴」という感覚だ。むしろNPBの試合が流れることで、野球熱は高まると思われているのではないか。
NHKの映像ではPMLの根岸友喜執行役員が、台湾のテレビ関係者と交渉するシーンが流れていた。根岸氏は3つのテレビ局と契約を結びたいとしている。
この人は楽天のマーケティング部長からPMLに転じた。新しい球団経営者の代表格といって良い人材だ。
この契約を喫所として、台湾の野球、野球ファンとの連携がさらに進めば良いと思う。CPBLへの資本参加や、リーグ戦への組み入れなどで台湾野球をNPBに巻き込むことができれば、2306万人(日本の六分の一)、GDP4850億米ドル(日本の十一分の一)の商圏でのビジネスの展開が見えてくる。
放映権ビジネス、ライセンスビジネスの芽も出て来よう。
本来ならばNPBがやるべき仕事である。しかしNPBは無能だし、セリーグはこうしたことに興味を示さない。
リーグを統括するようなマーケティング会社は存在しないし、放映権ビジネスやライセンスビジネスも球団がバラバラにやっている状態。昭和の昔と大差はない。
昔は台湾でも、王貞治や大豊泰昭の名前を通じてセリーグの方が知名度が高かったが、今ではすでにパリーグの選手の知名度の方が高いように思われる。
来季、パリーグの試合のダイジェストが放映されることで、台湾の野球ファンの関心はさらに高まることだろう。
遅ればせながら、日本のプロ野球が国際ビジネスを展開しようとしている。ぜひ、成功してほしい。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。1955年のセリーグ、先発救援投手陣

パ・リーグ6球団がリーグ振興を目的に設立した共同事業会社のパシフィックリーグマーケティング(PLM)が来季、台湾のテレビ局にニュース用に試合の映像を提供することで基本合意していることが25日、分かった。条件面など詰めの交渉を続けている。
台湾では3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンドで日本と延長戦を演じた。敗れはしたが、この試合などをきっかけに日本のプロ野球人気が高まっているとされ、PLMではファンの拡大を目指す。
実に喜ばしい。
台湾の新聞のスポーツ面を見ると、CPBLの話題の次にNPBの話題が載っている。
先週、私が買った新聞より。

アジアシリーズでサムソンが敗退した記事の下に、今季NPBを戦力外になった林威助、許銘傑の去就の話題が掲載されている(ちなみにこの日の試合について、サムソンの八百長疑惑が取りざたされている)。
また11月には陽岱鋼が野茂英雄とともに子どもたちへの野球教室を開いた。陽岱鋼は、少年野球のトーナメント大会の表彰式に出席したことも報じられた。
陽岱鋼は、すでに台湾では英雄のようだ。
こういう状況を見れば、ちょうど日本人がNPBからMLBに挑戦した選手に注目するのと同じだと思うかもしれないが、台湾の場合、それだけではない。
シーズン中、台湾では、ダルビッシュや黒田、岩隈などNPB出身のMLB選手の動向が、かなり詳しく報道されるのだ。
王建民が元気なうちは彼の話題が一番だったが、今は同じアジア人の代表として、日本人選手の動向に注目が集まっている。
アジアシリーズでも楽天の選手たちへの注目は高かった。統一と楽天の試合の終盤、ブルペンに田中将大が姿を現すと、一塁側のファンは雪崩を打ったようにフェンスに集まった。彼の雄姿を一目でも見たい、写真に収めたいというファンが、駆け寄ったのだ。
台湾では、NPBは兄貴分のリーグとして親しみと尊敬の念を持って受け入れられているのだ。
これまで、台湾ではMLBの試合は映像でかなり見ることができたが、NPBの映像はほとんど流れなかった。台湾の人々はNPB出身のMLB選手に注目していたが、NPBの選手のプレーを見る機会は多くなかったのだ。
遅きに失したとさえいえるが、NPBの試合の様子が台湾でも見ることができることで、さらにファンが増えるのは確実だ。
一部のNPB関係者のように「海外の試合が流れたら国内のファンを取られる」という懸念を示す人はあまりいないだろう。
CPBLはNPBよりもはるかに弱体だし、ライバル関係とは思われていない。前述のように「尊敬すべき兄貴」という感覚だ。むしろNPBの試合が流れることで、野球熱は高まると思われているのではないか。
NHKの映像ではPMLの根岸友喜執行役員が、台湾のテレビ関係者と交渉するシーンが流れていた。根岸氏は3つのテレビ局と契約を結びたいとしている。
この人は楽天のマーケティング部長からPMLに転じた。新しい球団経営者の代表格といって良い人材だ。
この契約を喫所として、台湾の野球、野球ファンとの連携がさらに進めば良いと思う。CPBLへの資本参加や、リーグ戦への組み入れなどで台湾野球をNPBに巻き込むことができれば、2306万人(日本の六分の一)、GDP4850億米ドル(日本の十一分の一)の商圏でのビジネスの展開が見えてくる。
放映権ビジネス、ライセンスビジネスの芽も出て来よう。
本来ならばNPBがやるべき仕事である。しかしNPBは無能だし、セリーグはこうしたことに興味を示さない。
リーグを統括するようなマーケティング会社は存在しないし、放映権ビジネスやライセンスビジネスも球団がバラバラにやっている状態。昭和の昔と大差はない。
昔は台湾でも、王貞治や大豊泰昭の名前を通じてセリーグの方が知名度が高かったが、今ではすでにパリーグの選手の知名度の方が高いように思われる。
来季、パリーグの試合のダイジェストが放映されることで、台湾の野球ファンの関心はさらに高まることだろう。
遅ればせながら、日本のプロ野球が国際ビジネスを展開しようとしている。ぜひ、成功してほしい。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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コメント
コメント一覧
時差も1時間しかないし、可能だと思います。
素晴らしい!というか嬉しい!
前にも書きましたが、この夏カンボジアのホテルで、
≪TV:スポーツチャンネル≫ プレミアリーグどころか
Jリーグ、MLBも見・る・ことができました。
NPBの「野球の普及」政策はどこに???
これが極東リーグのきっかけになればと願います。
30年ぐらい前からパ・リーグの方が知られていたと思いますよ。
南海の李来発、高英傑、ロッテの三宅宗源、そして「二郭一荘」の西武の郭泰源、ロッテの荘勝雄。泰源のいた時期は西武の黄金期でしたから、いまだに清原の応援歌が汎用のヒッティングマーチに使われています。
近年では西武の許銘傑、楽天の林英傑、林恩宇、千葉ロッテの呉偲佑の入団で、台湾でも一時期パ・リーグの試合が年に数回放送されていました。
ついでにパリーグが共同で、台湾にグッズ・ショップを出店すると良いのでは。求めているファンも多そうですし、陽岱鋼の所属するファイターズのグッズなどかなり売れると思います。
北米はともかく、アジアや中南米では我々が思っている以上、日本のプロ野球は一目置かれているフシがありますので、海外の市場にも、もっと目を向けるべきです。
かく言う私は、初代ファミコンのファミスタでパリーグの選手に興味が湧きましたし、ファミスタ87でMLBに興味が湧きました。
確かにセリーグの方がってことはないと思うけれど、それを言ったら呂明賜、郭源治、郭李建夫などがいるし、最近では林威助、チェン・ウェイン、姜建銘とかいるからパリーグの方がということもない。
いいアクションだと思います。
大坪教授がJリーグが東南アジア数ヶ国の地上波に試合映像を
放送しはじめたことはボロカスに言ってたのに
台湾一ヶ国にハイライト映像のプロ野球は大絶賛していたのは
ちょっと笑ってしまいました。
凋落するプロ野球を救う手立てはまだある。サッカーの天皇杯を参考にして、オフシーズンに国内のプロ、社会人、大学生、さらに草野球チームまで参加する「野球天下一大会」を開催するのである。どうせアマに顔向け出来ないセリーグは不参加でいい、その代わりアジア枠で台湾チームに出てもらえばいいだろう。MLBからして、政治と経済とスポーツが高いレベルで結合してるのだ、問題はコスト面だけだ。その費用はプロ球団が主体で持てば良い、どうせドラフトの参考にするのだから。大体、プロ野球選手がオフにトレーニングもせずにヒマしているから悪い人が高ってくるのだ。
それに世の中、ただで企画をもらえると思ったら大間違いなのだ。
「野球天下一大会」すごい魅力的ですね!