ソフトバンク、孫正義社長の鼻息は荒い。MLB球団の買収を口にした。そして超大型補強を行った。
正式契約ではない選手もいるが、ほぼこれだけの選手を獲得するのが確実。成績はNPB通算。年俸は2013年。

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新外国人のカニザレスを除いて、NPBの他球団からの獲得だ。
これに対して選手会長の松田宣浩は、契約更改の席上、

「優勝できなかった自分達が悪いし、優勝するためにも補強は必要。ただ、今いる選手のモチベーションという意味でも、バランスも考えてほしい」

と語った。



野手は、李大浩、カニザレスのいずれかが一塁を守り、いずれかがDHになる。今季のソフトバンクは中村晃とラヘアが一塁を守っていたが、確定できなかった。またDHもペーニャが不振だったために固定できなかった。
捕手は細川が正位置を守ったが、二番手の山崎勝己がFAで移籍している。
競争は激化するだろうが、ポジションを失う選手がいるわけではない。

しかし投手陣は、先発にスタンリッジ、ウルフが加わることでエース攝津は別にして、帆足、武田翔太、寺原、大場ら昨年のローテーション投手が割を食うことになろう。

松田のモチベーションの話はうなずける部分もある。

今季のソフトバンクは「戦力不足」でポストシーズンに進めなかったのではない。
打線は打率.274、本塁打125で断トツの1位。投手陣はERA3.54で4位だがトップとはわずか0.05差である。
戦力的には楽天に対抗する力があったにもかかわらず、ホームで37勝34敗、ビジターで36勝35敗、勝ったり負けたりをだらだらつづけた挙句に西武の踏ん張りの前に4位に落ちたのだ。
作戦面、あるいは選手起用面で問題があったのは明らかである。
その責任を取って大石大二郎ヘッド、高山郁夫投手の2コーチが退団するなど人事は刷新されたが、必要だったのは作戦面の見直し、既存戦力の底上げとモチベーションアップだったのは明らかだ。

こうした「大人買い補強」は、巨人の専売特許のように思われるが、そうとも言えない。
巨人の場合、日本人のFA選手を「巨人ブランド」にあかせて獲得することが多いが、他球団は外国人選手を中心に「大人買い」することが多い。

昨年のDeNAが中日からブランコ、ソーサ、ソトを獲得したのが記憶に新しい。ブランコ、ソーサは働き、チームは5位に浮上したが、チーム全体の底上げは図れなかった。

2008年、オリックスはアレックス・カブレラを獲得。タフィ・ローズ、グレッグ・ラロッカと外国人の大砲3門を揃える大補強をした。オリックスは2位になったが、翌年には最下位になった。

こういう形の大補強はカンフル剤のような効果はあるが、長期的なチームの成長にはあまり役に立たない。
巨人のようにずっと大型補強を続けていくのならともかく、1年だけこういうことをするのは、チームにとって回り道になる可能性が高い。

有望な若手選手が投打に揃っているだけに、気がかりなことだ。


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