迂闊なことに10月にクラシックSTATS鑑賞でおなじみの「たばとも」さんから、2013年NPB選手の守備位置別のイニングのデータをいただいていた。
これにもとづいて、各守備位置別の詳細なデータを紹介する。まず投手。

投手はIPのデータはもともとある。
RFはレンジファクター、つまり守備範囲を示すデータ。RF9は9イニングあたりのRF(PO+A+E)/IP×9、RFGは1試合当たりのRF(PO+A+E)/G、RF27は打者27人当たりのRF(PO+A+E)/BF×27。これにSO9 SO/IP×9をつけた。
なぜSO9を付けたかと言うと、投手のRFは、奪三振が少ない投手ほど大きくなる。そのことを確かめたかったからだ。
さらにPF%は、奪三振以外のアウトに対する(PO+A)の比率。投手の守備範囲はこの数字に表れるのではないか。もっとも投ゴロを打たせるのがうまいとも解釈できるが。
規定投球回数以上と、未達で50回以上投げた投手。RF9順。セリーグ

例外はあるが、SO9の大きい投手はRFが小さくなることがわかる。
内海はRF9でもPF%でも1位。フィールディングが良い投手と言えるのではないか。守備率は.959だが、刺殺数でもリーグ1位だ。
ゴールデングラブ賞は前田健太だったが、守備率は規定投球回数以上では最低。守備範囲を示す数値も良くない。数字ではなく印象で与えた賞だと言えよう。
規定投球回数未満では久保康友の数字が秀でている。確かにこの投手はフィールディングが巧みだ。
奪三振率が群を抜くマシソンは、RF関係では最下位。これは納得がいく。
パリーグ

牧田和久がRF9とPF%でトップ。意外なのはSO9で2位の金子がRF9で2位であること。この投手は三振も良く奪うが投ゴロなども良く打たせるのだ。
ゴールデングラブの田中は数字としては平凡だ。
規定投球回数未満ではディクソン。この投手は規定投球回数以上の投手を含めて刺殺が一番多い。打たせて取るタイプであり、しかも守備もうまいと言えよう。
こうしてみても、守備成績のデータ化は難しいことが分かる。
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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。1962年のパリーグ、救援投手陣

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コメント
コメント一覧
ちょうど投手のゴールデングラブ賞ってどのように選ばれているんだろう、という疑問があったところでした。
しかし、パリーグのPF%の上位が西武とオリックスで占められてますね。ピッチャーのフィールディングがいいのか、バックでアウトが取れないのか・・・、どうなんでしょうね。
割合が大きい投手は、「好投手だから少ない走者をワンヒットで帰したい」か、「頻繁に先頭打者出塁を許す程度の投手」に二極化されると予想しているのですが・・・。
自分の中では、守備の上手い投手はバッティングもいいというイメージがあります。松坂、桑田、堀内・・・
今年だと能見はよく打った気がするんですが守備のデータでは特別よくもないですね。
内海がバランスがとれていてGグラブにふさわしいと思われるんですけれどね。
投手の自責点にならないと言うルールはいい加減改訂されないものでしょうかね?
個人的には、バント処理+ボテボテのゴロ処理、つまりマウンドを降りての守備の良し悪しなんですが。
マウンド上の守備、つまりピッチャー返しの打球については、チームにとっては怪我が一番痛手なので、「そのぐらい捕れよ」ではなく「捕らなくてもいいから避けろ」とベンチは思っていないんでしょうか。福本豊の「怪我をしない守備が一番」という考え方が最も当てはまるのが投手のような。
巨人の内海と杉内は、守備の数字でも対照的なのが面白いですね。西武とオリックスの投手の打球処理が目立って多いというのも確かに不思議な傾向で、何だか興味が湧きます。