本当だろうか?これは大ニュースだ。
今年ヤンキースをFAになったケビン・ユーキリスが楽天と1年3億円で契約の見通しと言う。MLBサイトでは1年400万㌦+出来高100万㌦で合意。

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ユーキリスは2001年ボストン・レッドソックスの8順目、同期のいの一番はジョー・マウアー。マーク・タシェアラやデビッド・ライトなど好打者揃いだが、ユーキリスは目立った存在ではなかった。
しかしマイナーでユーキリスは目立った活躍をする。打率も高かったがそれ以上に異様な数の四球を選び始めたのだ。1試合1個弱の四球を選び、OBPは.450近くに。IsoDは2割近くに達した。

「マネー・ボール」にも触れられているようにオークランドのビリー・ビーンGMがご執心だったようだが、ボストンもユーキリスの重要性に気づき、2004年にはメジャーに引き上げた。

ユーキリスがニック・ジョンソンのように単に「歩く名人」だったのなら、ここまで良い選手にはならなかった。彼は、MLBに上がってから長打力がアップ、さらに堅実な守備でもチームに貢献した。一塁が多いが、三塁守備もうまい。



成績以上に評価が高い選手。いまのジョーイ・ボットに近い高評価だった。
2006年から9年はRCは100前後をマーク。マニー・ラミレス、デビッド・オルティーズへとつながる打線の中核でもあった。
また、ペドロイア、エルズベリーなど若手野手のリーダー格でもあり、人望も厚かった。

ただ性格的にも大人しかったからか、打線の都合で一番や二番を打たされることもあり、窮屈そうな印象もあった。
2010年以降、怪我と故障に泣いて成績が落ち、昨年はボビー・バレンタインと対立して靴下を赤から白に履き替えた

今年はヤンキースへ。アレックス・ロドリゲスの代役だったが、故障でまともに働けなかった。

実績ではアンドリュー・ジョーンズの方が上だが、AJがMLB的には「終わっている」選手なのに対し、ユーキリスは多くの人が「まだまだこんなもんじゃない」と思っている。
コンディションが問題ではあるが、万全ならば間違いなく活躍するだろう。

ライアン・ブラウンと並ぶMLBを代表するユダヤ系選手。また今、ダルビッシュが登板するとファンが一斉に声を上げる「ユーイング」は、もともとユーキリスへの声援だった。

AJとユーキリスが並べば、相手投手は苦労するだろう。二人で200四球くらい選ぶのではないか。

ただユーキリスは来年1年限定になろう。好成績を上げれば間違いなくMLBに復帰するだろうし、不振ならば翌年の契約はないからだ。

その意味でも、見逃せない選手。あの「でっちり」を見るためだけに球場に足を運ぶ価値があると思う。


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