イチローの引き際について考えていて、MLB選手の実力と年俸の関係が、おぼろげながらイメージできるようになった。
この表はあくまでイメージではあるが、MLBの選手のライフスタイルを表している。

MLBでは選手の年俸は実力に比例して上がるのではなく、階段のようにステップを上がる形をとる。
MLBでは昇格して3年経つまでは選手に年俸を交渉する権利はない。3年目に年俸調停権を取得するまではどれほど良い成績でも年俸はメジャー最低年俸に毛が生えた程度だ。
エンゼルスのマイク・トラウト(51万ドル)などがこの状態だ。
年俸調停権を得てからはそれなりの年俸にはなるが、実力の割に年俸は安い。資金力の乏しいチームにとって、こういう状態の選手が一番ありがたい。この時期に球団と複数年契約を交わす選手もいる。
これと前後して、選手の実力はピークに達する。
6年経つとFA権を取得する(FA①)。選手は年俸など条件面での交渉を全球団と行う権利を有する。
ボストンのジャコビー・エルズベリーは900万ドルだったが、FA権を取得してヤンキースと7年総額1.53億ドルの契約を結んだ。
この頃は実力と年俸が見合った大スターになる。チームの顔であり、MLBの顔にもなってくる。
怪我や故障無く好成績を続けると、再びFA権を取得して複数年契約を行う(FA②)。ここまでくれば、年俸でもMLBトップクラスとなる。
シアトルと10年2.4億ドルで契約したロビンソン・カノがこの例だ。


年齢は30歳前後になっている。好調を維持する選手もいるが、成績が下り坂になる選手もいる。
契約年後半に入ると高すぎる年俸の割に働かない選手が増えてくる。「不良債権」である。
MLB最高年俸のA-RODをはじめとして、こういう例は枚挙にいとまがない。
黒田博樹はおそらく「不良債権」になることを恐れ、実力は十分なのに単年契約を結んでいる。
成績が下落していた選手は複数年契約を満了してFA③になると、年俸が急落する。多くは単年契約となるが、イチローのように2年契約の選手もいる。
しかしそうした選手は出場機会に恵まれず、成績も上がらないため「終わってる」と評されるようになる。
日本人選手は最初のFA①の状態からMLBに挑戦することが多い。
こうしてみると、MLB選手の選手生活は実にシビアであることが分かる。選手は誰でも実力が衰える時期がやってくる。そのときに、どんな選択肢が残されているかは重要な問題だ。
そういう観点からもMLB選手を見て行きたい。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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MLBでは昇格して3年経つまでは選手に年俸を交渉する権利はない。3年目に年俸調停権を取得するまではどれほど良い成績でも年俸はメジャー最低年俸に毛が生えた程度だ。
エンゼルスのマイク・トラウト(51万ドル)などがこの状態だ。
年俸調停権を得てからはそれなりの年俸にはなるが、実力の割に年俸は安い。資金力の乏しいチームにとって、こういう状態の選手が一番ありがたい。この時期に球団と複数年契約を交わす選手もいる。
これと前後して、選手の実力はピークに達する。
6年経つとFA権を取得する(FA①)。選手は年俸など条件面での交渉を全球団と行う権利を有する。
ボストンのジャコビー・エルズベリーは900万ドルだったが、FA権を取得してヤンキースと7年総額1.53億ドルの契約を結んだ。
この頃は実力と年俸が見合った大スターになる。チームの顔であり、MLBの顔にもなってくる。
怪我や故障無く好成績を続けると、再びFA権を取得して複数年契約を行う(FA②)。ここまでくれば、年俸でもMLBトップクラスとなる。
シアトルと10年2.4億ドルで契約したロビンソン・カノがこの例だ。
年齢は30歳前後になっている。好調を維持する選手もいるが、成績が下り坂になる選手もいる。
契約年後半に入ると高すぎる年俸の割に働かない選手が増えてくる。「不良債権」である。
MLB最高年俸のA-RODをはじめとして、こういう例は枚挙にいとまがない。
黒田博樹はおそらく「不良債権」になることを恐れ、実力は十分なのに単年契約を結んでいる。
成績が下落していた選手は複数年契約を満了してFA③になると、年俸が急落する。多くは単年契約となるが、イチローのように2年契約の選手もいる。
しかしそうした選手は出場機会に恵まれず、成績も上がらないため「終わってる」と評されるようになる。
日本人選手は最初のFA①の状態からMLBに挑戦することが多い。
こうしてみると、MLB選手の選手生活は実にシビアであることが分かる。選手は誰でも実力が衰える時期がやってくる。そのときに、どんな選択肢が残されているかは重要な問題だ。
そういう観点からもMLB選手を見て行きたい。
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コメント
コメント一覧
何となく漠然とはイメージしてましたが、なるほどスッキリできる表ですね、コレ。
最近のトレンドというか、最後の3~5年を掛け捨て的に契約してる感じですか。
この流れが続いたとして、MLBは大丈夫なんでしょうか。
ちょっと心配です。
MLBに直接行きたい子向けパワーポイント(日ハム『夢への道しるべ』)に追加してあげたらいいんじゃないでしょうか?
選手生活の前半と後半をならして考えれば、年俸総額は実力相応、ということになるのでしょうか。
そうなら問題なさそうな気もします。
ところで、NPBで同じようなイメージ図を書くと、どんな風になるのでしょうか。
とくに晩年の「年俸が急落する」があるのか、気になります。
楽天にきたAJやコネルコ、ハフナー・・・・それこそ枚挙にいとまがない位に年棒1000万ドル以上から100万~200万に急降下してますね。
イチローはまだ、ましな方と思います。
選手の評価はFAの3の辺りでの対応に決まるのかもしれません
アメリカにおけるビジネスでの合理性追求精神を考えれば、FA②の期間における実力と報酬の逆転現象の例がこうもあちこちで見られるのは、いささか不思議に思います。
それでもこのような不良債権化がなくならないのは、かつてステロイド時代にボンズやクレメンスのように40歳近い高齢でも超人的な活躍をした選手が続出したことの名残なのでしょう。そんな選手はもうどこにもいないと思うんですがね。
ステロイドを失った選手たちは、以前のように年相応の衰えを見せるようになった半面、皮肉にも経営側のほうがステロイド時代の感覚を維持してしまっているように思えてなりません。あるいは、選手会や代理人たちが、手を変え品を変え錯覚をおこさせているのかもしれませんが……
ばかげた長期契約の、最後の2,3年は「掛け捨て」になることも織り込み済みの感があります。しかし、いざそのときが来れば悩ましいことになるのは間違いないわけで、不健全ですね。
いい成績ならそれ相応のお金が貰えるのかと思ってましたが
そうではないのですね。
甘いというか、ちょっと意外でした。
1年あたりの年俸は多少低くなってでも1年でも長い契約を望む
選手自身も終盤に衰えるだろうことはわかっていて、その上で衰えたときの契約・年俸の保証を事前に盛り込んでおくのでしょうね
②のケースは当然ながら売り手市場ですから選手側に断然有利な状況ができており、獲得する球団としてはその要求を飲まざるを得ないのでしょう
仮に日本で同じ状態だったとすると、つつましく暮らしている一般市民の税金を投入して、球団と野球選手が利益を得るなどとんでもないという意見がすぐに飛び出しそうです(笑)。
アメリカでそういった反対意見が表に出てこないのは、球団は都市と市民のシンボルという考え方や、成功者が莫大な報酬を手にして何が悪いというアメリカンドリームの発想が支持を得ているからでしょうか?