受験シーズンである。今年も難関校を目指して高校生がしのぎを削っている。有名大学はまさに狭き門だ。
例えば東京大学の場合、定員は3000人。センター試験受験者数は52万人程度だから、競争率は173倍、浪人生も含めれば200倍と言うとことだろうか。
プロ野球のドラフトにかかるのは毎年70人程度、高校生で野球をしている人は1学年3万人程度。競争率は430倍。
単純な比較ではあるが、プロ野球のドラフトにかかるのは、東大へ行くより倍以上難しいと言うことになろう。
松原隆一郎東大大学院教授によれば、東京大学に受かるのは「自己管理が最高レベルでできる人間」だそうだが、プロ野球に行くのも才能に加えて、厳しい鍛練に耐えることができる人間に限られている。

ちょっと無理のある比較をしてみたのは「元プロ野球選手」のステイタスが非常に低いと思うからだ。
まだプロアマの野球関係の仕事にありついた人はましだが、一般社会ではプロのキャリアは通用しない。むしろ「学生時代は野球ばっかりして、勉強していないんだろ」などと言われる。

もちろん、ステイタスが低い一因は元選手側にもある。先日述べたとおり「体育会系」の頭のままで引退して、非常識な行動をする人もいるにはいる。
しかし、そういう状況を割り引いたとしても、元プロ野球選手への社会的評価は低いと思う。
人々は選手が引退をして数年たつと、彼らのことを忘れてしまう。
元選手にとって「プロでプレーしていた」ことは、何のキャリアにもならないのだ。

日本には、引退した選手の功績をたたえる表彰制度が少ない。
野球殿堂入り表彰と、「名球会」くらいしかない。この2つに選出されるには、抜群の成績が必要になる。多くの選手はレギュラークラスであっても、このレベルには届かない。

私は、各球団ごとに「野球殿堂」を創設すべきだと考えている。
チームのために活躍してくれた選手たちを、球団ごとに選出して、その功績をたたえるのは素晴らしいことではないだろうか。

各球団では「永久欠番」の制度があるが、積極的に活用されているわけではない。
この背景には、球団の身売りが何度もあったため、球団の歴史の連続性、一貫性が失われていることも大きい。

最近、西武は稲尾和久など西鉄ライオンズ時代の選手の背番号を永久欠番にしているが、そうした例はごくわずかだ。また公式サイトで歴史にも触れているが、ごく表面的なものに過ぎない。
昔から野球ファンは「一番高倉、二番玉造、三番豊田」と言う風に、オーダーで選手を記憶してきたものだ。
例えばキャップと呼ばれた切り込み隊長高倉照幸や渋い5番打者の関口清治、捕手の日比野武など、わき役たちもしっかり記録にとどめるべきではないか。

先に野球殿堂入りの選手をポイントでランキングした。この中で広島の外木場義郎と津田恒美のポイントが低いことを指摘した。
この二人は確かに殿堂入りするには成績が足りないように思えるが、山本浩二など広島OBたちは、広島にとっては忘れがたい名選手だった二人を何とか歴史に刻みたいと、思って画策したのだろう。この例なども「広島カープ野球殿堂」があれば、それで足りたのにと思う。

MLBでは、大部分の球団で独自に「殿堂入り表彰」を行っている。
MLBの殿堂入りができなくても、ここで顕彰される選手は多い。監督、コーチ、球団スタッフなども殿堂入りしている。
トロント・ブルージェイズとボストン・レッドソックスの殿堂入り一覧。 太字はMLBの野球殿堂入り選手。

HOF Team


歴史によって選出される人数も違う。

プロ野球は80年の歴史を積み重ねている。2リーグ時代から参入したチームでも優に60年の歴史を有している。そろそろそういう動きがあっても良いと思う。
1000本安打、50勝などの一定の基準を設けても良し、ファン投票も良し。OBやファン代表による選考委員会を設けても良し。
各球団ごとに面白いイベントになるのではないか。
球団の歴史を振り返るためにも、ぜひ実施してほしい。

シーズン開幕時に「今年の殿堂入り選手」を表彰するのは、球団史を振り返る上でも有意義だ。
今、球団としてミュージアムを持っているのは阪神タイガースなどあまり多くないが、野球殿堂はミュージアムとしても有意義だろう。

さらに言えば、カナダにはカナダ野球殿堂がある。 都道府県ごとの野球殿堂制度があっても良いと思う。
この殿堂には、例えば長野県の光沢毅、富山県の村椿輝雄、和歌山県の杉浦正則などアマ球界の名選手や指導者も選出されてよいと思う。

例えばプロ野球を引退した選手の履歴書に「広島カープ野球殿堂表彰」の項目が入れば、その人のステイタスはぐっと上がるだろう。表彰時には知名度も上がるはずだ。

実は兄弟サイトである「クラシックSTATS鑑賞」は、今の野球殿堂制度に対する不満から始めたのだが、各球団ごとのベストナインを選出するのは実に楽しい。近々、南海と巨人のベストナインを読者各位と選ぼうと思っているが「球団別野球殿堂表彰」は、こうした楽しみをファンと共有することになると思う。

ぜひ一考願いたい。


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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。 驚異!二人分の活躍をした金田正一

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