イチローの最大のライバルの一人だった。昨年も規定打席に到達し、極端な力の衰えは感じさせなかったが、キャンプ寸前のこの時期までMLB球団からオファーがなかったことに嫌気がさしたのだろう。
なかなか見事なキャリアSTATSだ。

Michael Young-01


97年、トロントのドラフト5順目、昨日引退を表明したランス・バークマンやJDドリュー、トロイ・グロス、バーノン・ウェルズなど。彼らよりもはるかに順位が低い。

しかしマイナー1年目から頭角を現し、2000年にレンジャーズにトレードされるとその年にはMLBにデビュー、翌年の5月25日に再昇格すると、二塁の定位置をつかんだ。実質的にイチローと同じ時期にレギュラーになったのだ。

四球が少なく、積極的に打つタイプ。ミートが巧みで安打が多い。しかも頑健でほとんど故障しない。
そういうイチローとよく似た長所の持ち主だった。
イチローとの安打競争。

Michael Young-02


ここ13年でイチローは10回200安打以上を記録しているが、マイケル・ヤングはこれに次ぐ6回。毎年のように最多安打数で競り合いを続けた。

ただ、ヤングは2008年以降、好不調を繰り返した。これは、度重なるコンバートの影響があったのではないか。
2003年にはソリアーノの移籍に伴い二塁から遊撃に、2007年にはアンドラスの成長に伴い三塁に、そして2011年ベルトレの加入に伴いDHに。
MLB選手にしては珍しい円満な性格のために、チーム編成の割を食った形だ。

2009年に結んだ5年8000万ドルの契約を1年残してフィリーズに移籍。三塁手に復帰したが、フィリーズはドジャースにヤングをトレード。移籍後は素晴らしい成績を残したが、FAになってからは声がかからなかった。

レンジャーズで考えるなら、ジョシュ・ハミルトンの移籍よりも、チームリーダーのヤングの移籍の方が、チームの損失は大きかったように思えたが。

世代交代期であり、各球団が若手中心にチーム作りを考えているために、ここでも割を食った。

こういうあっさりした引退も珍しい。ヤングらしいと思った。


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