昨日、田中将大は夫人とともにニューヨークへ旅立った。前々日の仙台からの移動は、ポイント故障の影響で新幹線が大宮でストップ。田中は、満員の新幹線に乗り継ぎ、東京についたという。
大きな荷物を持った田中将大と夫人が、自分たちと同様、立ったままで東京に向かっているのを見つけた乗客は、興奮したことだろう。

都内で一泊したが、翌朝は大雪のために都内の交通網は寸断された。
結局8時間をかけて成田に到着し、日航のチャーター便で無事飛び立つことができた。
アテンダントに先導されて特別搭乗口から乗り込む夫妻の様子がテレビで流れた。
ジーパンのラフな姿だったが、田中の大きな体は辺りを払うような存在感があった。

チャーター機には、田中夫妻と、新たにサポート役となった楽天球団の前広報部長佐藤芳記氏など5人が乗った。

私はてっきりチャーター機はニューヨーク・ヤンキースが差し向けたものだと思っていたが、そうではなくて、田中将大が自腹を切ったのだという。

日航機を成田からニューヨークまでチャーターするにはどれくらいかかるのか?メディアによって2000万円から5000万円と見積もりはまちまちだが、軽く一流企業の役員クラスの年俸くらいはかかるとされる。
田中はこの金額をぽんと払って、自身のMLB挑戦の門出を飾った。

私は、田中将大は金の使い方を知っているな、と思った。

日本もアメリカも大寒波に見舞われている。空のダイヤも乱れている。そんな中で、大きなアクシデントを回避するためにチャーター機は最高のタイミングだった。

本人は最高のコンディションでニューヨークに行くためにチャーターしたと言っている。そういう目的もあっただろう。



しかし、それ以上に、彼は7年1.55億ドルと言う、日本では考えられない空前のオファーを平然と出したヤンキースに位負けしないために、望みうる最高の交通手段を自腹を切って選択したのではないか。

つまり、彼はヤンキースから1セントももらわないうちに、自らをスーパースターのステイタスに引き上げ、モチベーションを掻き立て、勇躍世界の都の乗り込んだのではないか。

その意気やよし。
彼はすでに、意識の上ではヤンキーたちに負けていない。
巨額のオファーと、それに見合うものすごい待遇を提示されても、当たり前のようにそれを受け、平然と仕事をこなすのではないか。

2000万とも5000万ともいわれる「交通費」は、彼がセレブになるための必要経費だったのではないかと思う。

田中将大が舞い上がっていないのは、その反面、満員の新幹線の中で立ったまま東京まで移動したことでもわかる。彼は、不必要な出費はしなかったのだ。

この一事で何がわかるわけでもないが、田中将大はうまくいくのではないか、そんなうれしい予感がした。


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