昼下がりはCSでオープン戦を見ながら、あるいは聞きながらパソコンに向かっている。
J-Spoortsの東北楽天vs横浜DeNAの島村アナはちょっと声に張りがない。70歳を超えられたと思うが、お変わりないだろうか。しかし相変わらず解説者3年目の杉山賢人からいいコメントを引き出している。雨模様で3200人しか入っていない長崎ビッグNスタジアム。でも、南国とはいえ肌寒い春まだきの野球見物、でも島村さんの実況を聞いていると、それもまた味わい深い「野球の風景」だ、と思えてくる。

試合が終わったので、日テレG+の巨人vs西武に。ちょうど期待の新人、十亀が投げていた。体をやたら動かすフォームだが、確かに球は来ている。ガラガラヘビの尻尾のように球が大きな軌道を描いてミットに収まる。故障しそうな感じもするが、打ちづらそうな球だ。

「西武には、この十亀をはじめ、涌井、西口、石井、牧田、岸、さらに菊池雄星と、先発投手候補が目白押し。まさに投手王国が築かれようとしております。渡辺監督は頭が痛いところ」
えらくしっかりした調子でアナウンサーが解説する。
上重聡アナだ。





言わずと知れた松坂世代の高校球児、立教大では完全試合を達成した野球エリートからテレビの世界に身を投じた花形アナウンサー。ちゃきちゃきした調子で試合を仕切っていく。まさにMC(マスターオブセレモニー)。ではあるが、鋭角的な言葉が耳に当たってうるさい。

目の前の出来事を全部言葉にして伝えないといけない、という使命感でもあるかのように、わんわんわんわん言葉を発する。横には江川卓がいるのだが、上重アナは彼に華を持たせたりはしない。

 上重「大田泰士は今日、2軍のオープン戦に出ていますが、この試合で4打数2安打でもすれば、1軍の打線でも使えるめどが立ちますよね」
 江川「そうですね。層は厚いですけどね」
 上重「下位打線にぐっと厚みが出来ますよね」
 江川「そうですね。そろそろやらないと」

昼飯の食べすぎで眠たかったのかもしれないが、江川の解説はことのほか重たかった。立場が安泰だとどんな才人でも錆びつく、という証左のようだった。

この手のアナウンサーは、民放キー局に多いのだが、NHKにもいる。名前は失念したが、そのアナがMLB中継をすると、スタジアムの空気が封じ込められたような気がする。

彼らは一生懸命に話しているのだが、ちっとも心に届かない。本当に野球が好きなのかなと思う。自分が大好きな、とっておきのいい話をする人は、あんなふうに居丈高に話したりしない。

こういうアナはスタジアムの空気を伝えるのではなく、テレビを通じて視聴者を支配しようとしているようだ。

東京で夕方のニュース番組を見ていると、ニュースの中に番宣が入ったり、タイアップしたお取り寄せ情報やお店情報が平気で割りこんだりする。なんか回転寿司屋で寿司の代わりにプリンだのチーズケーキだのが流れてきたときに近い無念さを感じる。大阪ではあまり見ないのだが、どうもキー局は電波を通じてマーケティングをしたがっているような気がしてならない。

「野球が好き」ではなくて「テレビが好き」「テレビの方を向かせたい」「いうことを聞かせたい」という意向が、アナウンサーをして番組を思い切り仕切らせることにつながっているように思う。

華やかだがテレビが斜陽産業になりつつあるのは、こうした強引な手法が視聴者に不信感を与えているからだと思う。人々のメディアリテラシーはテレビ局が考える以上にレベルアップしている。

野球というコンテンツは、そういうマーケティングにはなじまない。もともと魅力は試合そのものにあるのだから、できるだけ邪魔をせずに見せてほしい。

そうでないと地上波のスポーツ番組の視聴率はますます低下すると思うのだが。

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