日刊ゲンダイはヤンキースのキャンプでイチローと田中将大が「不仲」の可能性があると報じた。
「(イチローと田中将大の)2人が報道陣の前で絡むことはなかった」
「2人はロッカーが離れているせいなのかどうか、挨拶すらしない」
「2人は午前中に行われたジーターの引退会見でもよそよそしかった」
「一部ニューヨークメディアは日刊ゲンダイの記者に『噂には聞いたことがあるけど、2人は仲が悪いの?』と尋ねてきたほどだった」


イチローは、特定の記者の取材しか受けない。他の記者はロッカールームでも、グランドでも話しかけてはいけないとされる。
多くの番記者がイチローの動向を追いかけているが、こうした記者たちは、特定の記者がインタビューした内容を二次取材して伝えているだけである。
写真を撮ったり、選手たちとのやり取りを聞いて記事にすることはできるが、記者たちは直接口をきくことはできない。
民放テレビでイチローのインタビューが流れることがないのはそうした事情による。

何のためにわざわざアメリカまで行くんだ、という気もする。
中には「大本営発表」のようにその記事を流すだけの記者もいるが、目端の利く記者はいろいろなところを回って現地ならではの鮮度の情報を送信したりする。

田中の場合は表立った規制はないだろうが、スポーツ紙、一般紙の記者が群がる中、ゲンダイの記者は取材が難しかったのではないか。

結局、取り巻きの素人みたいな記事を書くことになる。「小人閑居して不善を成す」という言葉が浮かんでくる。

毎度毎度この手の記事を取り上げるたびに、「日刊ゲンダイなんか相手にしなさんな」と言われる。
いい加減な記事を垂れ流して飯を食っているいい加減な連中だと。メディアとしての信頼性などハナからない、与太メディアだと。

しかし影響力が少ないメディアを与太と言うなら、私のブログの方がはるかに与太だ。
日刊ゲンダイは講談社系の企業が発行する歴としたメジャーなメディアである。影響力は当ブログなどとは比較にならない(比較する方がおかしいが)。

私が一番問題だと思うのは、日刊ゲンダイは、この手の記事を書くときに、絶対にバッドニュースしか書かないことだ。
私も経験があるが、ネガティブな見出しを付ければアクセスは伸びる。手法そのものとしては「あり」である。
しかし、自分のアクセスを集めるために選手を肴にして根も葉もない悪意記事を書くのは看過できない。

他のスポーツ紙のように、ぬかよろこび記事を連発するのも問題があるとは思うが、その場合は書き手が軽蔑されるだけで、選手のイメージはダウンしない。
しかし、悪意に満ちたネガティブ記事は、選手のイメージダウンにつながる。

この記事が出たために「イチローと田中将大は仲が悪い」という印象が定着することを恐れる。イチローはそういう風評被害を何度も受けている。
三流メディアはこの手の与太記事の上にさらに与太記事を積み上げていくのだ。



イチローも田中将大も、球団と巨大な契約を結んだ大物選手である。2009年のWBCでチーメイトになったことはあるにせよ、ほとんど交流がなかった二人が、当初は距離を置くのは当然のことだ。
大物は安物の記者のようにすぐに仲良くなったり、つるんだりしないのだ。



一流は一流を知ると言うが、二人は互いへの敬意を抱いているのは間違いがない。

イチローの田中に対する評価は
「ヤンキースがどんなオファーを提示したか、ということよりもこのオファーを受けたことへの覚悟と自信に敬意が払われるべきだろう。志のある人間にとっては最高の場所なのではないか」
という言葉に尽きると思う。


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