前にも述べたが、ドラフト改革とFAは一体で考えるべきである。
プロ野球には「実績」がモノを言う世界である。試合に出続けてチームに貢献した選手は、年俸が上がり、待遇も良くなる。長期間活躍してチームに貢献した選手は、自由に移籍する権利を得るべきである。

プロ入り前の選手は、実績でいえば「ゼロ」である。いかに前評判が良くとも、可能性を感じさせようとも、チームにはまだ貢献していない。貢献度でいえばどんな下手くそな選手よりも下である。入団前の選手には球団を選ぶ権利はない。

この二つの考え方を基にして、ドラフト改革とFAを制度化したい。

1)ドラフトは「完全ウェーバー制」とする。

MLBの場合、ドラフト会議は電話会議であり、各球団のGMは互いに連絡を取り合っている。
いわば談合だが、MLBの場合、新人獲得のルートも多様なうえに、選手の流動性も高い。こうしたやり取りをしたからと言って、特定の球団に選手が偏ることはない。

しかしNPBの場合、これを許すと特定球団が本来、下位球団が獲得すべき優先順位の高い選手を囲い込む可能性がある。事前の談合を禁止するとともに、オープンな会議を開き、入札形式で指名を行う形としたい。
それでも裏での画策はあるだろうが「談合禁止」とすることで、一定の抑止力としたい。

選手がドラフトで指名された球団に行かない権利は当然あるが、翌年も完全ウェーバーなので指名されるかどうかはわからない。

2)FAは20歳以前に入団した選手は6年、21歳以降に入団した選手は4年とする。以後は長期契約をしない限り、その後は2年ごとにFAとなる。

宣言した選手のみがFA状態になるのではなく、その年限に達した選手は全員FAとなる。
この時点で、まず選手と所属球団は対等の立場で契約交渉をし直す。もちろん、代理人も入れてよい。
交渉が決裂すれば、選手はFA市場で移籍先を探す。
オフシーズンには大規模なFA市場が開設される。トライアウトなども開いても良い。

成績によってランキングを設け、Aランクの選手が移籍する際は移籍先の球団は「ドラフトの上位指名権の譲渡」「人的補償」「金銭補償」のいずれかを行わなければならない。



現状のNPBでは選手と球団は対等の立場ではない。
球団は選手に対し、試合で活躍するだけでなく、球団、親会社へのロイヤリティを要求する。その見返りは年俸だけでなく、引退後の地位の補償やグループ企業への就職など多岐にわたる。
このために、レギュラーになれなくても移籍を望まず、控えに甘んじる選手も出てくる。
帰属意識ばかり強くて、自立しない選手が出てくる。
また球団ごとの「人脈」「閥」が生まれる元にもなっている。こうした諸々の物事が「既得権益」の温床にもなっている。
さらに言えば、最初に球団を選ぶことが「生涯就職」になりかねないと言う思いが新人選手にあることが、ドラフトの形骸化につながっている。

個人事業主として自立を促すとともに、選手の流動性を高めるためにも期日が来れば「全員FA」になるべきである。

DraftFA


日本社会は雇用の流動性が低い。そのことが、経済や科学技術分野での活性化の妨げとなっている。
スポーツ界でも、一度決まった「体制」「ヒエラルキー」がなかなか変わらないことが、競技の発展の妨げになったり、不正の温床になったりする。

FAとドラフトを共に活性化することで流動性を高め、NPBを元気によみがえらせたい。


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