MLBはなぜ日本の内野手を評価しないのか、考えてみた。
■守備
NPBの本拠地で天然芝を使用しているのは、グリーンスタジアム神戸、甲子園、マツダスタジアムの3つだけ。残り10(オリックスは京セラドームも本拠地)は、人工芝。
これに対し、MLBの本拠地で人工芝はレイズのトロピカーナ・フィールドとブルージェイズのロジャース・センターだけである。
今の人工芝は天然芝に近い感触になっているとされるが、所詮は床にマットを敷いたようなものであり、人工芝よりもイレギュラーバウンドは少ない。
そこでNPBの野手は待って取ることが多くなるとされ、守備のスピードではMLBに大きく劣ると言われている。
「正面での捕球」に固執する部分も、MLBから見れば物足りないとされる。
桑田真澄は
「これからの内野手はバックハンドでのワンハンドキャッチが基準になる」と語っていたが、これはMLBでの体験によるものだろう。
最も敏捷性を求められる遊撃手。日本人選手はMLBではほとんどが二塁、三塁にコンバートされる。
ここまで遊撃手で通用したと言えるのは川崎宗則だけではないか。
また、NPBの内野手は二塁上の交錯プレーで負傷することが多い。2009年の岩村明憲、2011年の西岡剛はこの負傷でレギュラーの座を失った。
内野手としてのスピード感のなさがこういうところにも表れていると思われる。
まず第一に守備力において劣るという評価が定着している。
■打撃
これは内外野ともに言えることだが、日本の野手は「状況に応じた打撃」をすることが大事だという教育を受けてきた。
「状況に応じた打撃」とは、要するに走者を進めるためにバットコントロールを利かして打つことだ。それが基本になっている。また自分で決めるのではなく、走者を次の塁に進めるのが役割。
それは局面において正しい時もあるが、野球はそういう場面ばかりではない。自分で決めないといけない状況が来た時に、しっかりと打球を前に飛ばすことができるか。
この部分で、日本の打者は脆弱だ。
MLBの野手はレギュラーならば15本塁打は打つ。それくらいの長打力があることが大前提なのだ。
MLBではどんな打者でも一発が打てることが求められる。
しかしNPBでは、二ケタ本塁打を打つ選手はそれほど多くない。
中学、高校時代から本塁打を狙ってよいのは一握りの打者だけ、その他の選手は「つなぐこと」と仕込まれてきたNPBの打者は、本塁打の狙い方、打ち方がわからない。
NPBの打者はMLBに移籍すると、打率は10%、長打は20%、本塁打は50%目減りする。
主要な野手のNPBとMLBでの打撃成績の比較

その「負のフィルター」を透過してなお、MLBで通用する打撃ができる打者は極めて稀。
その上に、そもそも「自分で決める気がない」のだから、MLB側から見れば「何のために打席に立っているのか」と言うことになろう。
また、常にベンチの指示待ちという感がある。自分で考えて打っていない。ベンチに判断をゆだねる傾向がある。
チームプレーと言えば聞こえは良いが、誰かに責任転嫁をするようなプレーはMLBでは理解されにくい。
最終的には自己アピールができない選手はMLBでは生き残っていけないのだ。
投手を育成する手腕はNPBは優れているが、野手についてはMLBとは大きな差がある。
MLBに通用する野手を生み出すためには、野球の文化そのものを見直す必要があろう。手っ取り早く言えば、MLB野手を目指すなら子どもの頃からアメリカで野球をすべきだろう。
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これに対し、MLBの本拠地で人工芝はレイズのトロピカーナ・フィールドとブルージェイズのロジャース・センターだけである。
今の人工芝は天然芝に近い感触になっているとされるが、所詮は床にマットを敷いたようなものであり、人工芝よりもイレギュラーバウンドは少ない。
そこでNPBの野手は待って取ることが多くなるとされ、守備のスピードではMLBに大きく劣ると言われている。
「正面での捕球」に固執する部分も、MLBから見れば物足りないとされる。
桑田真澄は
「これからの内野手はバックハンドでのワンハンドキャッチが基準になる」と語っていたが、これはMLBでの体験によるものだろう。
最も敏捷性を求められる遊撃手。日本人選手はMLBではほとんどが二塁、三塁にコンバートされる。
ここまで遊撃手で通用したと言えるのは川崎宗則だけではないか。
また、NPBの内野手は二塁上の交錯プレーで負傷することが多い。2009年の岩村明憲、2011年の西岡剛はこの負傷でレギュラーの座を失った。
内野手としてのスピード感のなさがこういうところにも表れていると思われる。
まず第一に守備力において劣るという評価が定着している。
■打撃
これは内外野ともに言えることだが、日本の野手は「状況に応じた打撃」をすることが大事だという教育を受けてきた。
「状況に応じた打撃」とは、要するに走者を進めるためにバットコントロールを利かして打つことだ。それが基本になっている。また自分で決めるのではなく、走者を次の塁に進めるのが役割。
それは局面において正しい時もあるが、野球はそういう場面ばかりではない。自分で決めないといけない状況が来た時に、しっかりと打球を前に飛ばすことができるか。
この部分で、日本の打者は脆弱だ。
MLBの野手はレギュラーならば15本塁打は打つ。それくらいの長打力があることが大前提なのだ。
MLBではどんな打者でも一発が打てることが求められる。
しかしNPBでは、二ケタ本塁打を打つ選手はそれほど多くない。
中学、高校時代から本塁打を狙ってよいのは一握りの打者だけ、その他の選手は「つなぐこと」と仕込まれてきたNPBの打者は、本塁打の狙い方、打ち方がわからない。
NPBの打者はMLBに移籍すると、打率は10%、長打は20%、本塁打は50%目減りする。
主要な野手のNPBとMLBでの打撃成績の比較

その「負のフィルター」を透過してなお、MLBで通用する打撃ができる打者は極めて稀。
その上に、そもそも「自分で決める気がない」のだから、MLB側から見れば「何のために打席に立っているのか」と言うことになろう。
また、常にベンチの指示待ちという感がある。自分で考えて打っていない。ベンチに判断をゆだねる傾向がある。
チームプレーと言えば聞こえは良いが、誰かに責任転嫁をするようなプレーはMLBでは理解されにくい。
最終的には自己アピールができない選手はMLBでは生き残っていけないのだ。
投手を育成する手腕はNPBは優れているが、野手についてはMLBとは大きな差がある。
MLBに通用する野手を生み出すためには、野球の文化そのものを見直す必要があろう。手っ取り早く言えば、MLB野手を目指すなら子どもの頃からアメリカで野球をすべきだろう。
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コメント
コメント一覧
松井も西岡も派手ですが川崎とはやや方向性が違う野手でした。
川崎も日本でそれほど突出した選手でもありませんでしたし
(もちろん一流です)丁寧なタイプの選手なら
さほど心配することは無いのではと感じます。あと
>「正面での捕球」に固執する部分も、MLBから見れば物足りないとされる
ここなんですが、松井はPL時代に
「捕球は送球の動作の一部」という教わり方をしたため
体の右側でキャッチしていると
「アメリカでは正面で捕るのが小学生からの基本だ」
とコーチに叩き直されたという記事を読んだ覚えがあるのですが・・・
もちろん「そこそこいいトコ」までは行くでしょうが、生まれ持った身体能力の差をすべて埋めるのは流石に無理かな。
私もそう思います。SEA時代、どうせ同じように非力ならライアン(現NYY)を使おうぜ采配には、ムネリンも上手いのにな、と。
ひいき目かな。。。
川崎を見ると身体能力がもう少しあればと思わなくもないですが、それ以外の日本人内野手だと身体能力以前の問題かなと
セカンドだとそれなりに実績を残した選手もいますが、5年間レギュラー張れた選手はいないのでそんな内野手の登場を見たいです
せいバーメトリクスでは右打ち、進塁打のデータはありますか?
右打ちはあくまでもヒット狙いですかね。
一方の野手(打者)は、日本では見たこともない球筋に目を慣らすことにまず一苦労。上手く適応できてもパンチ力の差はいかんともしがたい。
そんな風に単純に考えていました。
教育としての野球と、選手を育てるベースボール。
日本野球の根幹に横たわってる問題な気がしますね。
その本塁打を狙ってよい一握りがプロ入り後は多くは投手にいってしまう。
言葉は悪いですが重要なサンプルになるのでは?
ぼんちゃん様の話はよく知られた話ですが、最も優れた身体能力を持つ子が遊撃手になるアメリカとの比較では、そもそも分が悪いのではないでしょうか。私はこれが日本の内野手が苦労する原因の半分くらいは占めるんじゃなかろうかと思っております。
もう半分は、MLBの野球がMPBのそれよりも歴史軸において変容しているという可能性です。
二塁手、遊撃手は守備こそ最優先であるとの考え方は、かつてはMLBにもあったんじゃないでしょうか。実際に昔は打撃はそこそこながらほとんど守備のみで名を成した選手が今よりももっといたような気がします。
しかし、黒人選手やヒスパニック選手の台頭で、身体能力に優れた選手がどんどん現れ、さらに最新のトレーニングの普及(あるいはステロイドの影響もあるかも)によって選手がどんどんビルドアップされていった結果、ここ20~30年くらいで二遊間の選手にも打撃力がついてきたのではないかと考えたのです。
主な二塁手、遊撃手のOPSが10年単位でどう変化していったか、調べるのは大変だと思うのですが、私はMLBのそれがNPBのそれよりも向上しているような気がしてなりません。
両国のリーグを見る者として、まず感じるのは芝の違いです。
川崎が曲がりなりにも通用したのは、本拠地が人工芝のブルージェイズだったからでしょう。彼のチャージ力は、天然芝の球場でレギュラーをこなすのは不十分だと思います。天然芝と人工芝では、根本的に内野守備の方法論が変わるのは皆さん御存知のとおりです。
次に問題となるのはスローイング能力です。
日本では高校野球大会があるためか、肩のいい者はおしなべて投手にされる傾向があり、遊撃手にはロクな肩の持ち主が残っていません。
そして投手として大成できなかった者は、プロ入り後に外野手に転向する例が多い。その年齢から内野手に転じるのは難しいからでしょう。
第3のポイントは、MLBは内野手にさほど「うまさ」を求めていない、ということです。ミスの多寡はそれほど問題にしません。要は評価指標の違いですね。
内野手に必要なのは、とにかくチャージ力を含めた守備範囲の広さと肩の強さ。それが統計的にアウトに最も寄与すると分かっているからです。
一方でNPBでは、宮本慎也や井端弘和、村田修一のようにグラブさばきやポジショニングの上手な選手が評価されやすい。守備範囲の数値で見ると、それほど傑出してはいない(むしろ劣っている)のにも関わらず、です。
逆に堂林翔太や坂本勇人のように、ミスもあるが広大な守備範囲を誇る選手が評価されにくい。これもまた文化の違いでしょう。
productive outという項目はありますが、評価観点から言えば重視されてはいません。現場の方々は注視するかもしれませんが
かつて松井稼は、メッツのチームメイトだったレイエスの身体能力を「忍者みたい」と評しましたが、日本人としては破格の身体能力を持っていた松井稼からしても、中南米の選手には適わないということだと思います。
あと、日本のプロ野球で「やっと3割」くらいの打撃力では、メジャーでは厳しいんですね。イチローや青木のように3割を大きく超えるくらい傑出した打率を残すか、松井のように3割をキープしながら年間40本、50本打つくらいでないと、メジャーのレギュラーにはなれないのではないでしょうか。
特に内野手については自由な発想というか動きをメジャーでは間々目にします。しかし、日本の指導スタイルでは練習に「遊び」を入れることに抵抗を示す反応がほとんどではないでしょうか。個人的なことで申し訳ないですが、自分は草野球で遊びから野球をするようになったので、部活に馴染むのに苦労した部分もありました。小さい野球部と名のあるところとでは単純比較できるものでもないですが、窮屈なプレーをさせられているような錯覚を覚えたりもしました。
まして、坊主を強要するような風潮だったり、訳の分からない押しつけも多いです。そういった子供の頃からの日本的なしがらみが、遠因の一つでもないかなと空想しています。
丁寧な説明ありがとうございます。
メジャーで、そこそこ評価されという触れ込みで、いざ使ってみたら・・・。
横浜にいた、カスティーヨの守備も酷かったです。メジャーでは守備の人でしたが。
日本人内野手がメジャーで評価されないのは、肩の弱さが原因かと思います。
松井稼頭央選手の場合、ファーストの捕球にも問題がありました。
メジャーの内野手の捕球技術は、そこまで評価できるものじゃないかと。日本人にはない自肩の強さで、ボールを捕球してからが速いと。
メジャーの好プレーを見てて思うに、よくあんな体勢から投げられるな、日本人には無理だなという場面がよくある。
メジャーの井口選手の守備の成功を見るに、肩の強さが基本かと。松井稼頭央選手のセカンドの守備も評価されてましたからね。
それ以外守備に関して、日米の差はお互い様って感じかな。
後、メジャーのショートは、野球が一番上手い人がやる花形、だと言う人がいました。
日本だと野球が一番上手い人は投手をやる。この辺の違いもあるかと。
松坂を見たメジャーの関係者は、「なぜ松坂は内野手をやらなかったのか」と言ったそうな。
カスティーヨは確か守備指標(RFや守備得点)では二塁手でセリーグ1位を記録していたので守備範囲は広いと思います。
しかし、野球ファンは総じてカスティーヨの守備は拙いという人が多いですね。
ただデータで見れば明らかにカスティーヨは素晴らしい二塁手ということになる・・・。
やはりduplesさんの仰られるように日米で守備の評価の仕方が違うんじゃないかなと思いますね。
アメリカは如何にしてアウトを多く奪っているかという合理的なスタンスで、日本はグラブ捌きといった職人的なスタンスで守備は芸術的スタンスで見ているように感じます。
しかしNPBの野手は、日本でも二ケタ本塁打を打つ選手が稀だ。
???
「日本でも」って、おかしいね。修正します。
文脈からNPBではなくMLBって思ってました(^_^;
重ね重ねすいません。修正しました。