いろいろな意味で勉強になった更新ではあった。「週ベ」の石田雄太氏のコラムに対する批判記事への反応である。
実はこの記事に対してジャーナリストやライターたちの意見も二分されている。
ある人はこれこそは本質論だと言い、一方の人は「おかしいんじゃないか」と言っている。
私は後者のスタンスではあるが、皆さんのコメントを読ませていただいて、前者の方の言うことも一理あるなと思うようになった。

端的に言えば「球場外のごたごたは、もうたくさんだ」と言うところか。

もともと野球と言うスポーツはそれほど厳密な決まりがあったわけではない。球場の形も様々だし、ルールだって変るし、用具だってどんどん変わっている。
野球界はそうした変遷のつど記録を見直してきたわけではないし、ファンも目くじら立ててきたわけではない。

統一球の改変問題も、1世紀半になろうとする野球史を考えれば微々たる改変に過ぎない。それを大ごとのように言うのは、大人げないということだろう。

事実、MLBは様々な問題をはらみながら、大雑把なルールの下でうまくいっているではないか。NPBがやっていることだって、五十歩百歩である。
うるさく言っているのは一部のマスコミと無邪気なファンだけではないか。

こういうスタンスがあることは認めたいと思う。野球ファンとしては、野球を楽しむことができればそれでよいのであって、楽屋内のごたごたは勝手にうまくやってくれればよいのだと。

むしろそういうファンは良質なのではないか、とも思う。

toitsu


一方で、今回の統一球問題は、頼まれもしないのにNPB側が勝手に「厳密化」を標榜し、コミッショナーの旗振りの下、しでかした出来事である。
その結果として、NPBは、ガバナンスの欠如と、当事者能力のなさを露呈してしまった。
信用は失墜した。
失墜したからには、その回復を目指すのが筋であるし、そのためにはいい加減な幕引きはあってはならない。ちゃんと対応すべきだ。
これが、私を含む一方の理屈である。

「野球と関係ない部分で騒いでいる」と言われればそうかもしれないが、私などは看過できないと思っている。

ただ、両者の意見は、「NPBがちゃんと野球界を仕切ってくれればそれでよい」という認識で一致しているようにも思える。

私は両方の奥深い意見を頂戴して、ちょっと感動している。深いところで野球を愛しておられる方が当サイトに来てくださっているのだ、と実感した。

ただ、この話はここで決着するかどうかはわからない。
たまたま今日、パリーグ球団の幹部の方とざっくばらんに話をさせていただく機会があったのだが、今の時点で統一球は「しゃれにならないほど飛ぶ」のだそうだ。
試合前の打撃練習で、特に右打者の右方向への打球は、危険を感じるほど飛ぶ。

パリーグは数字上は昨年と同等か、むしろ投高に推移しているのだが、実態は違うのだという。これは何とかしてほしい、とのことだった。

29日以降に使用されるボールは、元に戻るはずではあるが、NPBもミズノも「大丈夫だ」と断言できるほどしっかりした根拠を持っているわけではない。
何しろ、同じ仕様で作ったはずのボールがこうなってしまったのだから。
これからも引き続き、注視していくことが必要だろう。


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