今年の交流戦は、後世、エポックメイキングなシリーズと見なされるかもしれない。ダルビッシュや田中将大よりもさらに新しい世代が、“スーパーサイヤ人化”したかもしれないからだ。
その一人は大谷翔平。
MLBへ行くことを断念して日本ハムに入って2年。栗山英樹監督は、当面、大谷を二刀流で育てるとした。
識者やファンの多くは、そんなことは不可能だ、と言った。私もそう思った。投、打、どちらかのウェイトが大きくなって、なし崩し的に投手か打者を選択することになるだろうと思ったのだが。
予想に反して大谷は2年目の今年も二刀流を続けている。しかも二つの刀はともに磨かれ、鋭く、威力を増しているのだ。昨日までのキャリアSTATS

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投手としてはすべての数字が昨年よりも上だ。奪三振は投球回数を超え、与四球は1試合当たり2を割った。WHIPもトップクラス。このままいけば、防御率などのタイトル争いに絡んでくる可能性もある。

打者としてもすべての数字が上昇している。OPSは強打者の範疇である.800に乗った。三振数は減り、四球は増えた。本塁打も昨年に並んだ。
打者大谷がすごいのは、若くて、飛び切りの巨漢でありながら、変化球に柔らかく対応できることだ。これは生来のものだろう。李大浩を思わせる。



今季の活躍を日を追ってみていこう。今日はちょうどペナントレースが始まって100日目だ。投手のグレー地はQS。

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これは楽しい表だ。
投手大谷は春先、やや調子が上がらなかったが、5/13にプロ入り初完封を記録してから投球内容がぐっと向上した。QSは以後の9試合で7つ。故障で5回で降りた6/4の広島戦も本来ならQSだったはずだ。
交流戦に入り、対戦データが少ないセの打者に対して積極的に攻めたことが好結果を生んだ。

打者としては今季はDHが多くなったが、外国人を差し置いてこの位置がふさわしい打者になりつつある。

代打では成績を残していないが、先発出場すれば大きなスランプなく安打が出る。また、昨日は則本から本塁打を打ったが、長打も出るようになった。
これまでは登板日から2日空けて打者として起用されることが多かったが、直近は1日空きで出場し、3日間で12打数4安打を打った。

左投手が苦手で.182しか打っていないが(右は.329)。これも徐々に克服するのではないか。

無責任な言い方かもしれないが、行けるところまでこのスタイルで言っても良いのでは、と思う。

怪我が怖いが、十分に調整をすることで、投手で10勝、野手で10本塁打と言う近代野球では前代未聞の記録が誕生するのを見たいと思う。

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