プロ野球とファンに関する話題をもう一つ。1週間ほど前、NHKの「クローズアップ現代」が「野球女子」を取り上げていた。
プロ野球の応援に夢中になる女性が増えているとのこと。かつてはアイドル的に野球選手を追いかける女性が多かったが、今は選手とともに、チームを応援する女性が多いようだ。
年齢層も比較的高い。
OLや派遣社員などで社会人としてそれなりの経験を積む中で、目標を見失ったり、孤独感を抱いたりした女性が、プロ野球の応援をし始めていると言う。

この話を聞いて、私は例の都議会のセクハラ事件を想起せずにはおられなかった。
この事件は、マジョリティ、「持てる側」である男性議員が、現代社会でのマイノリティ、女性の置かれた境遇に対して全く無知、無理解であることを露呈した。
「結婚しろよ」「産めよ」という言葉には、「結婚しない選択をした女性」、「結婚したくてもできない女性」「子どもを持たない選択をした女性」「生みたくても産めない女性」に対する想像力、デリカシーが欠如している。
これに対し、日本全国から抗議の声が上がったことに対し、私は一縷の希望を感じた。

しかしながら多くの女性は、この男性議員たちと似たような人々に囲まれて仕事をしているのだ。
男女同権が確立して64年が経つが、わが国では「女性が社会に生きること」に対する無理解、無神経はあまり改善されていない。
むしろ、経済環境が変化し、競争が激化するとともに、男性の側もゆとりが失われ、女性に対する気配りも減ったように思われる。それが女性の「生き難さ」を増幅したのではないか。

そうした女性の一部が「野球女子」になっている。
「カープ女子」がその典型だが、彼女たちの多くは、何のゆかりもない広島の球団を一生懸命に応援している。

首都圏から広島まで応援に行って、前田智徳が解説するなど球団側の歓待を受け、感激している姿も報道された。
公式サイトから
Carp-joshi


有体に言えば、彼女たちは空虚さを埋める対象であれば何でもよかったのかもしれない。
しかしカープの試合、選手は、彼女たちの想像を超えて魅力的だった。
一生懸命にプレーする姿が、彼女たちに勇気を与え、何がしかの希望を与えたのだろう。ともにチームの勝利を喜ぶ中で、彼女たちは日常感じることのできない一体感も感じたのだろう。



だとすれば、私はプロ野球を誇らしく思う。何の知識もない人を感動させるのだから。
昔のミーハーファンと違って、彼女たちは野球をより深く知ろうとする。ルールや歴史や文化にも興味を持っているようだ。
そういう形で、新しいファンが根付くのであれば、それは本当に素晴らしい。

私は現代の応援団が嫌いだ。
それは彼らが球場において「マジョリティ」そのものだからだ。「静かに観戦したい人」「応援はするが同じ動作をしたくない人」などを、数の力で圧殺しているように感じるからだ。
無神経な人も多いし、何より野球観戦の邪魔になる。

しかしそういう応援団が野球女子を受け入れ、彼女たちに何らかの希望を与えたのならば、捨てたものじゃないとも思う。
内外野に陣取る応援団の中に、野球女子がたくさんいると思えば、それはそれでよいかなとも思う。
野球女子が、一過性のブームではなく、新しいファン層開拓になればと思う。

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