ワールドカップの盛況を見るにつけ、なぜ野球界は同じ様にならないのか、少なくとも利害の調整をする方向に向かわないのか、と思う。
Jリーグは、ワールドカップを最優先して日程を組んでいる。日本代表に選出されることは栄誉であり、球団は全面的に応援する。またアマチュアサッカー界も、ワールドカップに全面的に協力する。JPFA日本プロサッカー選手会も、その流れの中にある。
プロ、アマ、球団、選手会(労組)が、一つの目標に向かって力を合わせていることが見て取れる。
確かにサッカーと野球は歩んできた道が違う。


サッカーは84年の歴史があるFIFAワールドカップが先にあって、日本では学生から社会人までのアマチュア球界が長い歴史を持ち、その後で、アマチュアリーグを母体としてJリーグが生まれた。
世界的な権威が先にあり、それを目指すアマがあり、その後にプロが生まれた。
国際大会を頂点とする秩序ができているのだ。
ワールドカップ人気は、Jリーグにそのまま反映される(ワールドカップに頼りすぎているという批判はあるが)。
Jリーグ発足後は、サッカー人気は、ワールドカップのたびにじわじわと浸透している。
今や、その好循環によって、若者人口の過半は「野球よりもサッカー」が好きになっている。
無い物ねだりかも知れないが、野球界は各者の利害が対立したまま、バラバラに運営されている。
プロ球界は、はるかに古い歴史を持ち権威的な体質のアマ球界と反目し続けてきた。多くは選手の引き抜きに関するものだ。同時にプロとアマは裏金など不明瞭な形で繋がっている。
NPB、コミッショナーは、本来プロ球団を統括する強い権力を持っているはずだが、これまでその権力を行使して、球界を前向きに進歩させたことはほとんどない。一部のオーナーに引きずり回されて右往左往されたあげく詰め腹を切らされるのが関の山だ。


球団同士は仲が悪い。選手の争奪で泥試合を繰り広げてきた経緯があるためか。また老舗球団であっても「球界全体の利益」を考える発想がない。さらに言えば、セパ両リーグも仲が良いとは言えない。自分たちのことだけを考える体質が染みついている。
選手会は、そうした旧弊な野球界にあって、選手の権利や球界全体の利益を考える進歩的な組織だと思われたが、WBCに関わる話では、ありもしない利権にこだわるかのような姿勢を見せた。変質しているのかもしれない。
野球界はこうした議論の中で、最大のステークホルダーともいえる「ファン」を置き去りにしてきた。
球界再編、球団の合併はその最たるものだ。これによって少なくとも百数十万人のファンを失ったと推測される。
またWBCでは、日本全国が日本代表の参加を渇望していたにも拘わらず、選手会はその開催に協力的ではなかった。選手会の公式サイトでは、MLB側の不公平さを訴えているが、ファンが待望するイベントを何とか実施しようと言う姿勢はうかがえなかった。
問題を解決する才覚もないのに抵抗だけをするのは「ごね得」を狙っていると思われても仕方がない。
プロ野球は永らく人気No.1のスポーツだっただけに「黙っていても客は来る」という意識が未だにあるのかもしてない。
また日本球界は、MLBなど海外のプロ球界に対しても協力的とは言えない。選手の移籍に対しては高い障壁を設けているし、復帰も難しい。また、積極的な歩み寄りもしていない。
こうした体質は日本だけではない。本家アメリカでも球団や選手は自分たちの権利を主張して反目し合った。野球というスポーツが持つ体質なのかもしれない。
しかし、MLBは、コミッショナーと言う絶対的な権威があることで、ビジネス上は不整合が起こっていない。その商才を球団も選手も支持している。
トップの権限の有無が、日米球界の最大の違いだろう。


「侍ジャパン」はWBC2013をめぐる問題を奇貨として生まれた。
このシリーズの最初に述べたが、「侍ジャパン」は、その「球界横断」的な特性を生かして、プロ・アマ、日本・海外、球団・選手などの利害を調整し、利益相反を解消することに勤めるべきだと思う。
興行的に見ても「侍ジャパン」は、WBCのないこの3年間をどのようにして乗り切るか、という問題が存在する。日本中が沸くような対戦相手を次々と持ってくるのは難しいところだろう。担当者の興行手腕が問われている。
試合によってはMLBに挑戦している選手を「侍ジャパン」に参加させてほしい。
その興行収益が「侍ジャパン」やNPBに入らないのは非常に残念だ。そういう仕組みも、粘り強く関係者を説得して改善してほしい。ビジネスモデルとしても確立してほしい
2017年のWBCで「侍ジャパン」が戦力的にも、体制的にも、大きく進化しているとすれば、そのとき、日本球界はかなり進歩していると思う。
侍ジャパンの研究1 目的は何か?|野球史
侍ジャパンの研究2 NPBとの関係|野球史
侍ジャパンの研究3 選手会との関係|野球史
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確かにサッカーと野球は歩んできた道が違う。
サッカーは84年の歴史があるFIFAワールドカップが先にあって、日本では学生から社会人までのアマチュア球界が長い歴史を持ち、その後で、アマチュアリーグを母体としてJリーグが生まれた。
世界的な権威が先にあり、それを目指すアマがあり、その後にプロが生まれた。
国際大会を頂点とする秩序ができているのだ。
ワールドカップ人気は、Jリーグにそのまま反映される(ワールドカップに頼りすぎているという批判はあるが)。
Jリーグ発足後は、サッカー人気は、ワールドカップのたびにじわじわと浸透している。
今や、その好循環によって、若者人口の過半は「野球よりもサッカー」が好きになっている。
無い物ねだりかも知れないが、野球界は各者の利害が対立したまま、バラバラに運営されている。
プロ球界は、はるかに古い歴史を持ち権威的な体質のアマ球界と反目し続けてきた。多くは選手の引き抜きに関するものだ。同時にプロとアマは裏金など不明瞭な形で繋がっている。
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球団同士は仲が悪い。選手の争奪で泥試合を繰り広げてきた経緯があるためか。また老舗球団であっても「球界全体の利益」を考える発想がない。さらに言えば、セパ両リーグも仲が良いとは言えない。自分たちのことだけを考える体質が染みついている。
選手会は、そうした旧弊な野球界にあって、選手の権利や球界全体の利益を考える進歩的な組織だと思われたが、WBCに関わる話では、ありもしない利権にこだわるかのような姿勢を見せた。変質しているのかもしれない。
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またWBCでは、日本全国が日本代表の参加を渇望していたにも拘わらず、選手会はその開催に協力的ではなかった。選手会の公式サイトでは、MLB側の不公平さを訴えているが、ファンが待望するイベントを何とか実施しようと言う姿勢はうかがえなかった。
問題を解決する才覚もないのに抵抗だけをするのは「ごね得」を狙っていると思われても仕方がない。
プロ野球は永らく人気No.1のスポーツだっただけに「黙っていても客は来る」という意識が未だにあるのかもしてない。
また日本球界は、MLBなど海外のプロ球界に対しても協力的とは言えない。選手の移籍に対しては高い障壁を設けているし、復帰も難しい。また、積極的な歩み寄りもしていない。
こうした体質は日本だけではない。本家アメリカでも球団や選手は自分たちの権利を主張して反目し合った。野球というスポーツが持つ体質なのかもしれない。
しかし、MLBは、コミッショナーと言う絶対的な権威があることで、ビジネス上は不整合が起こっていない。その商才を球団も選手も支持している。
トップの権限の有無が、日米球界の最大の違いだろう。
「侍ジャパン」はWBC2013をめぐる問題を奇貨として生まれた。
このシリーズの最初に述べたが、「侍ジャパン」は、その「球界横断」的な特性を生かして、プロ・アマ、日本・海外、球団・選手などの利害を調整し、利益相反を解消することに勤めるべきだと思う。
興行的に見ても「侍ジャパン」は、WBCのないこの3年間をどのようにして乗り切るか、という問題が存在する。日本中が沸くような対戦相手を次々と持ってくるのは難しいところだろう。担当者の興行手腕が問われている。
試合によってはMLBに挑戦している選手を「侍ジャパン」に参加させてほしい。
その興行収益が「侍ジャパン」やNPBに入らないのは非常に残念だ。そういう仕組みも、粘り強く関係者を説得して改善してほしい。ビジネスモデルとしても確立してほしい
2017年のWBCで「侍ジャパン」が戦力的にも、体制的にも、大きく進化しているとすれば、そのとき、日本球界はかなり進歩していると思う。
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コメント
コメント一覧
そういうやりやすいものからはじめて、継続させる中で規模を少しずつ大きくすることができればな、と。
個人的に残念だったのが、来年の「プレミア12」の開催権を台湾に譲ったことです。当初この大会は、日本で開催の手はずでした。
プレミア12は弱小とは言え、中立の国際組織であるIBAF(ソフトボールとの統合でWBSCになる予定)主催の国際大会です。MLB主催のWBCのように、収益構造にいびつな問題が生じるわけではありません。自国開催であれば侍ジャパンの貴重な収入源になったでしょうが、台湾開催ではその効果も半減ではないかと思われます。
特に選手会は、WBCの参加にあれだけ抵抗しておきながら、この大会の開催に際してはNPBを後押しするようなことをした印象はありません。この大会を「真の国際大会」とし、世界の野球界をリードしていくこともできたはずなのに、それをしようともしませんでした。
また、侍ジャパンには年代別代表が存在しますが、18U、21Uといった年代ではプロ・アマ混合のチームになる可能性が高く、よりいっそうの緊密な関係が望まれます。
アメリカはおそらくMLBの力が強すぎるために、全米のプロ、アマを統括する強力な組織が存在しません。だからといって、日本がそれを真似する必要はないわけで、他の競技には当たり前の存在である、日本の野球界全体を統括する組織が必要ですね。NPBや各アマチュア団体がその傘下に収まり、侍ジャパン事業もその一部門になることが将来的には理想なのでしょうね。
おっしゃる通りです。「プレミア12」も「アジアシリーズ」も台湾です。